・仏ノルマンディー教区の小教区にみる”シノドスの道”の歩み（LaCroix）

（2021.12.17　La Croix Malo Tresca ・ Francec）

　11月下旬の霧の日曜日の朝、イギリス海峡からそれほど遠くないフランスのノルマンディー地方の人口約1万2000人の町、イヴトにある聖ペテロ教会に人々が集まった。助祭のギローム・オーダンが鐘楼の下で人々に挨拶する。安堵の笑みを浮かべ、「数分前、ここにはまだ人がいませんでした」とオーダン助祭は語った。それが今は20人。同教会の招きに応じて、”シノドスの道”の歩みの集会に集まったのだ…。

　この会では、数週間前にバチカンから送られた”シノドスの道”準備文書で示された10のテーマのうちの1つ、「使命の共同責任」に焦点を合わせることが決まった。主任司祭のべノワ・ブラン神父は、短い祈りで集会を開く前に、「教区の具体的な現実に最も近いと思われたので、（”シノドスの道”の消極でのテーマとして）『使命の共同責任』を選ぶことにしました」と説明した。

　ルーアン教区の司牧評議会のメンバーであるジャン・マルク・レトンドは、教区シノドス協議会のイヴト小教区代表でもあるが「”シノドスの道”の精神は『真の対話』にあります」と語り、「ここ数週間、集会に参加することができなかった信徒の少なくとも3人が、集会に参加し、共に”シノドスの道”で扱うテーマの検討をしました」と説明。

　そこでの参加者の主な問いかけは、「教会の使命を簡単に定義できますか？現在どのようにその使命に関与していますか？」「教区の活動に関する決定にどのように関与したいですか？現在関与している場合、あなたは何をしたいですか？改善しようとしますか？」など。信徒たちに、少くないで小グループに分かれて分かち合いをするように促す前に、「すでに半ダースの意見を受け取りました」と言う。

　定年退職者で活動グループの一つに参加しているエリザベスは「葬式で歌っています。私が知っている『使命』はそれだけ」と言い、小教区の「フランス・スカウト・アンド・ガイド（SGDF)」の世話人である37歳のヴァンサンは「私は、結婚式や洗礼式を助けています」と説明した。

　”シノドスの道”の集会は、フランクなやり方で約1時間半続けられ、参加者は、「小教区の信徒たちがもっと力を合わせる必要があること」で一致し、福音のメッセージを分かりやすい言葉で証しし、時には、コーヒーを飲みながらリラックスして、あるいはひっそりと、それぞれのカリスマに従って、小教区共同体で信徒としての責任を果たすように努力することも意見として出された。

　また、先日、フランスの教会における聖職者による性的虐待に関する独立調査委員会報告が出され、全国の教会、教会関係者に大きな衝撃を与えているが、「自分たちのレベルでは、小教区の運営に関与するメンバーの選出について透明性を確保し、小教区の意思決定のために、何らかの形の評議会を設置する必要があるかも知れない」とある信徒は語り、「司祭の負担を少し軽くするよう、信徒たちはもっと手伝う必要がある」との声もあった。

　集会で出た以上のような声は、レトンドがまとめ、教区に報告される予定だ。

（翻訳「カトリック・あい」南條俊二）

（注：LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

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