・中南米教会会議、各国で”シノダル(共に歩む)教会”の推進を確認、来年2月から各国レベルで

The first Ecclesial Assembly of Latin America and the CaribbeanThe first Ecclesial Assembly of Latin America and the Caribbean 

(2021.11.29 Vatican News  Lisa Zengarini)

 ラテンアメリカとカリブ海地域のカトリック教会の司教、司祭と一般信徒が参加する初の教会会議が11月21日から8日間にわたってメキシコシティを会場に、オンラインを主体に開かれ、28日、今回の成果をもとに、各国レベルの教会会議を開いていくこと、周辺地域に新たな福音宣教の道を拓くこと、すべての地域に出ていく教会に努めること、などを確認して、閉幕した。

 この教会会議にはラテンアメリカとカリブ海地域の司教200人、司祭・修道者0人、一般信徒など400人が参加。この地域での教会の福音宣教の使命を強く果たしていくために、今、直面している課題について話し合った。

*福音宣教における若者と女性の役割強化

 閉幕後に発表されたメッセージは、「私たちは皆、外に出かけていく宣教師」と題され、12の具体的な取り組みが示された。

 12の取り組みには、この地域の社会全般と教会における不公正をなくしていくための変革とその主体として若者の役割を重視し強化すること、教会の働き、識別、意思決定のプロセスへの女性が積極的な参加すを推進すること、などが盛り込まれた。

*”聖職者主義”の根絶、貧しい人々の叫びに耳を傾ける

 また、”聖職者主義”を根絶し、文化的、政治的、社会的、教会的変革をもたらすために一般信徒の参加を促進するため、”シノダリティ”(共に歩む)の徹底を強調。また、現在の新型コロナウイルスの大感染が、社会的不平等をさらに拡大させている、として、とくに貧しい人々や社会から疎外された人々の叫びに耳を傾けることを強く訴えている。

*生命を守るためのコミットメント

 さらに、受胎から自然死にいたる人間の命と尊厳を守ることへの決意を確認。そのためにも、神学校の聖職者養成カリキュラムを改革して、地球環境を守り育てる統合生態学、先住民たちが守って来た文化の受容、異文化、教会の社会的教えなどを、講座として取り入れることを提案している。

*先住民族の権利を擁護する

 先住民に関しては、教皇フランシスコがアマゾン地域シノドスを受けた使徒的勧告「愛するアマゾン」をもとに、先住民とアフリカ系アメリカ人の権利、彼らの生活、土地、文化を守り育てることの重要性を指摘した。

*シノダリティ(共に歩む)は教会の取るべき道

 最後にメッセージは、今日の教会が取るべき道は”シノダリティ”(共に歩む)にあることを強調。「それは一時的な流行や空虚なスローガンではありません。教会の本質であり、すべての神の民が共に歩むことを可能にするもの」と訴え、今回の教会会議の形を各国の教会の草の根レベルで実現することを約束した。

 以上の12の取り組みは、来年2月に開催が予定される各国レベルの教会会議から具体的に進められる予定だ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2021年12月1日