・メキシコのカトリック教会が”シノドスの道”で初の司教、司祭、信徒による全国集会（La Croix）

（2022.4.27 　La Croix 　Juliette Paquier |Mexico）

　メキシコの司教協議会は今週の年次総会に合わせて、司教、司祭、一般信徒の参加による初の全国集会を開催、教皇フランシスコが提唱する来年10月の全世界代表司教会議に向けた”シノドスの道”の歩みを始めた。

　メキシコの教会指導者たちは、この会議を「親密さ、対話、司牧の全国的な取り組みの場」とし、一週間にわたるの集会の目的について「司教、司祭、男女の一般信徒、教会奉献者が一堂に会して、より良い教会とより良い国を築くための場とすること、と説明している。

　また、司教たちは、この集会を、メキシコが「人類学的、文化的危機」に直面する今の時期に特に重要、と指摘。「私たちは、より良い教会とより良い国になるという夢を共有しながら、お互いの声に耳を傾け、対話するために集まりました」と強調。

　メキシコ司教協議会事務局長のラモン・カストロ司教は、「私たち司教は、『”シノドス”の教会（共に歩む教会を共に作り続ける』という大きな責任を持っています」とし、このような努力は、「人間の優位性とその尊厳の否定につながる”使い捨て文化”が蔓延する現在、いっそう緊急性を増している」と参加者たちに訴えた。

　この”シノドスの道”を共に歩む全国集会は25日夜のグアダルーペの聖母大聖堂でのバチカンのパロリン国務長官司式のミサで始まり、実際に会場での参加とソーシャル・メディアを通しの参加をあわせ、メキシコでの暴力事件の増加、新型コロナウイルス大感染の教会や一般社会活動への影響、世界各地で続く紛争など、さまざまな現在の課題について、意見を交換した。

　なお、この集会は、5か月前に中南米のカトリック教会で始まった”シノドスの道”の取り組みの一環。ラテンアメリカ司教評議会（CELAM）は、昨年11月に、メキシコシティで中南米ととカリブ海地域の初の集会を開き、司教、司祭、一般信徒など1000人が参加している。メキシコで率先して行われた今回の国レベルの取り組みには、教皇フランシスコが2016年2月に同国を訪問された際、司教たちに「信頼性と意義のある司牧方針」を策定するよう求めたことに応える意味もある。

（翻訳「カトリック・あい」南條俊二）

（注：LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

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