・シノドス事務総局次官が、”シノドスの道”の一年延長の決定について語る(VN)

Sister Nathalie Becquart XMCJSister Nathalie Becquart XMCJ  (Catholic News Service)

(2022.10.21 Vatican News  Joseph Tulloch and Adelaide Patrignani)

 教皇フランシスコは先日、来年10月予定の世界代表司教会議(シノドス)通常総会をさらに再来年の2024年10月にも開くという“二セッション制”にすることを決定されたが、バチカンのシノドス事務総局のシスター・ナタリー・ベカール次官が21日、Vatican News  会見し、この決定によって、「シノドスは、さらに大きな”成熟の時”をもち、”識別”を深める”成熟”の期間が与えられました」と語った。.

 

*延長された理由、さらなる1年をどう使うのか

 シノドス通常総会について2024年10月に第二セッションを開くという教皇の決定は、2021年に始まった”シノドスの道”の当面の終着点が、当初予定の2023年10月ではなく、2024年10月に延長されたことを意味する。

 べカール次官は「つまり、2 回のセッションで 1 つのシノドスとなるわけです… そして、この二つのセッションの間、彼ら(シノドス参加者)はそれぞれの教区に戻り、プロセス(”シノドスの道”の歩みを続け、識別し、シノダリティ(共働性=共に歩むこと)を体験する時間をもつことになるでしょう」と述べ、「教皇が説明されたように、(シノドス通常総会を2セッションにし、”シノドスの道”を2024年まで延ばしたのは)識別を深めたい、という心底からの思いによるものです。なぜなら、シノダリティは、共に識別し、互いに耳を傾け合い、聖霊の声を聴くことだから。それは実践によって学び取るものであり、時間がかかります」と説明。

 ただし、新たに設けられた一年の期間をどのように使うかについては、「すべてが決まったわけではありません。二つのセッションの間をどうするかについて、最終決定はしていません。2023 年 10 月から 24 年 10 月の間に何が起こるかを正確に言うのは、まだ時期尚早です」とし、 ”シノドスの道”の歩みは「これまで、さまざまな経験とさまざまなレベルを通じて展開されている。2 つのセッションの間も、その歩みを継続するための良い方法を、これまでの経験から見極める必要があります」と語った。

 

*”シノドスの道”の歩みは、国、地域で異なるが、大半の教区が参加

 また、次官は、これまでの”シノドスの道”の世界各国の歩みについて言及し、「例えば、フランスでは、第二バチカン公会議以来、ほとんどすべての教区が単独、あるいは複数の隣接教区が協力して”シノドスの道”の歩みを続けており、シノドスとシノダリティについてかなりの経験を積んでいます。しかし、他のいくつかの国では教区シノドスの経験がない。それぞれの文化、歴史の中で、教区評議会などの集まりによって教会会議を経験してきましたが、国や地域ごとに状況は大きく異なっています」と、国や地域によって取り組みに大きな差が出ていることを認めた。

 それでも、「すべての司教協議会、ほとんどすべての教区が、実際の歩みに参加しています」と述べ、「シノドスの歩みが、世界各国、地域の大きく異なる状況の中で、どのように行われているかを知るのは、とても素晴らしい。さまざまな言語、多くの創造性を備えたさまざまな文化… そしてさまざまな現実をみれば、歩みを続けることの難しさは、どこも同じではないことが分かります。だが、いくつかの共通の傾向もあります。私たち全員が 1 つの教会として共にいるだけでなく、多様性を持っているのは、非常に興味深いことです」と語った。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年10月22日