・”シノドスの道”アジア大陸レベル会議で、バチカンのシノドス事務局長などが講演

(2023.2.24 Vatican News   Sr Bernadette M. Reis, fsp – Bangkok)

 

 

*会議の結果を聖霊の導きに委ねる

 続いて、シノドス事務局の方法論委員会メンバーであるクリスチーナ・ケング博士が登壇し、” circularity(円形)”が教会の”シノドスの道”における新しいアプローチの仕方だということを指摘したうえで、バチカンのシノドス事務局がまとめた大陸レベルのシノドスの準備文書について説明。

 準備文書の内容には、アジア司教会議(FABC)に属する各国の司教協議会からシノドス事務局に出された20件の報告が含まれているが、修正も可能であることを強調。現在の内容は、各国の司教協議会レベルの報告を基にまとめたものであり、今回の会議で、”共同識別”を通してアジア大陸レベルの識別がなされることを期待する、と語った。

 「私たちは、この会議に、白紙で臨み、聖霊の導きに委ねています。この会議が最終日の日曜にどのような結論を出すのか分かりません… 私たちが耳を傾け、分かち合い、祈り、深く考える中で、聖霊が私たちをどのような洞察に導くのかーそれは、グループとしての感じ取ることです」と述べた。

 

*「霊的対話」に必要なのは

 次に、キルギスの教区管理者であるアンソニー・コーコラン神父(イエズス会)が「識別」について講演し、 「識別と聖霊の賜物は、魅力的です…。 識別力は実践とともに成長しますが、”微調整”が必要です」と述べ、「神は信徒たちに “sensus fidei(信仰の感覚)”の賜物を与えられます。このことは、『神の御言葉、司教たちに導かれた幅広いキリスト教共同体、教導権、伝統』に識別力は根差していなければならない、ということを意味します」と指摘。

 また会議参加者たちに、聖霊の臨在のしるしー慰め、希望、信仰、そして真の愛ーを思い起こさせ、教皇の言葉を引用して、「識別は、『驚きに心を開いたままにすること』を意味します」としたうえで、「霊的対話」の要素として、「耳を傾けること」「筋道を立てて簡潔に話すこと」「互いに敬意を払うこと」を挙げた。

 

*準備文書はアジアの提案を受けて第二草案を作成へ

  準備文書起草グループのメンバーであるクラレンス・デバダス神父は、この会議が検討、識別、修正する余地を残した準備文書に言及し、これまでに22件の提案があり、うち21件が受理され、それらをもとに起草グループの9人が1月30日から2月4日までバンコクに集まり、アジア大陸の教会の多様性など”アジア的要素”を入れた作業文書の修正草案をまとめたことを説明。

 また、アジアからの追加提案の要点の一つは「貧困問題」であり、「国連の発表で、アジアでは3億2000万人以上が極度の貧困にある、と指摘していることからも重要な課題」としたほか、「秋の世界代表司教会議で、アジアのカトリック教会が少数派でありながら、信徒家族が増える展望が存在することが認識されるのを、起草グループは期待している」と述べた。

 (翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2023年2月25日