・”シノドスの道”を歩むーフランスの信徒たち「”貧しき人々”を包み込もう」(LaCroix)

(2022.4.19 La Croix   Malo Tresca | France)

 La Croixは、世界の小教区の”シノドスの道”の取り組みを紹介しているが、今回は、フランス北西部のノルマンディーの信徒グループの活動を紹介する。

*ウクライナの人々との連帯を、青と黄の花々で

 3月26日、ウクライナ国旗ー青と黄の花があちこちに飾られた会場に、ルーアン教区の司牧評議会のメンバー約80人が集まり、”シノドスの道”の一日を過ごした。花は、教区センターの会場を飾るために運び入れたもの。教皇フランシスコがウクライナとロシアをマリアの汚れなき御心に奉献した翌日、戦争で破壊されたウクライナの人々との「交わりのしるし」が意図されていた。

 ノルマンディーの中心にあるこの教区の司教総代理であるアレクサンドル・ジェロー神父は語り始めたー「集会では、『最も貧しい人々の言葉』をもっと考慮に入れる必要があります」。

 

*「友愛の日」が企画されている

 貧しい人々、受刑者、ホームレス、郊外から来た若者などと接触している指導者たちとのこれまで5回の会合を受けて、6月11日に彼らと、ルーアン大聖堂の前での「友愛の日」の行事が企画されている。

 「彼らは、運命論者のことがよくあり、先が見えないと感じ、教会は自己にとらわれすぎている、と私たちに言います。6月の行事の準備はまだ出来ていない」と、カトリックの社会奉仕団体・聖ヴィンセンシオ・ア・パウロ会のボランティア、クリスチャン・ルソーは語った。

 この日の集会ではまず、小グループに分かれての意見交換があり、その一つ、農村部で活動する司祭を含めた6人のグループでは、「”シノドスの道”で、最も貧しい人々の声を、私たちはどのように聴いたか」「私たちの教会共同体に彼らを迎えるためにどのような提案ができるのか」の2テーマについて考えたーあらゆる犠牲を払って貧しい人々を惹きつけることはしないように。目的は、3つのカギとなる考え方を3つの文章にまとめ、集会の他のグループに提示すること 、だった。

 聖ヴィンセンシオ・ア・パウロ会の活動に参加しているマリー・オディールは「私は『貧しい』という言葉を使うのは、あまり好きではありません。『不安定な状態にある』とか『壊れやすい』という言葉の方がいいと思います」と語り、「『あらゆる犠牲を払って貧しい人々を惹きつける』ような教会は、要注意です… 私にとって何よりも必要なのは、彼らに会うことです」とノルマンディー宗教科学研究所(INSR)のイヴは述べた。

 参加者の意見が一致したのは、グループや集まりなどでの分かち合いを深めることを通して「私たちの貧しさを認識する」こと、行き過ぎた対応を避け、勇気をもって政治的なレベルに戦いを仕掛けることで、教会において最も貧しい人々を包み込んでいくことだった。

 そして、この最後の点で、議論は順調に進んだー意欲をもって現実に挑む。イヴは、フランスの大統領選挙の主要論点となっている「移民受け入れ割り当て構想」に辟易しているとし、「私たちには自分に向いている仕事がある。もしも、信仰の領域に留まるなら、私たちは、変えたいと思う現実に影響を与えることができないでしょう。私たちはあえて、自分たちの市長たち、知事たち、地域社会の人々に問うていかねばなりません」と強調した。

 こうした見方は、午前のセッションでの意見発表の中で、他のグループの人々からも出された。そして午後のセッションでは、”シノドス(共働性)”の経験について、新たな議論がされた。

 各グループからの意見発表の取りまとめを担当するチームが準備書面を提示した。16日までに最終報告を教区に送ることが求められている。

 この日の集会は、ルーアン教区長のルブラン大司教の次の言葉で締めくくったー 「今日の集まりで、シノドスに関わりを持つ三つの言葉が頻繁に出てきましたー参加、交わり、そして使命-です… 私は、私たちが、この道を歩んでおり、主が実際に私たちと歩んでおられる、と感じます」。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

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2022年4月22日