Adjunct Prof. Susan Pascoe and Dr. Christina Kheng as they were participating in the General Conference of the 50th anniversary of the FABC, 28 October 2022
(2011.11.28 Vatican News Sr. Bernadette Mary Reis, fsp)
教皇フランシスコによって2021年10月に始められた”シノドスの道”。世界中の教会で始められた長期の道のりには、歴史的な規模の司祭、信徒が参加し、教皇はさらに識別の時間を増やすために、当初、2023年10月の世界代表司教会議の通常総会をもって当面の旅を終えることとしていたのを、2024年10月にもう一度総会を開くことを発表された。
そして、10 月 27 日に、世界各国・地域の司教協議会から提出された報告をまとめた文書が発行され、それをもとに、大陸レベルの”シノドスの道”の旅の歩みが始まった。
この旅の全行程の進行を担当るバチカンのシノドス事務局は11 月 28、29 両日、ローマで”シノドスの道”の大陸レベルの旅の代表者たちと会合を開き、これからの取り組みと課題について話し合った。
シノドスの方法論委員会と大陸レベルの作業部会のメンバーで、10月27日に発表された文書の取りまとめ役の一人であるスーザン・パスコー氏と、同じ方法論委員会のメンバーでフィリピンの東アジア司牧研究所の所員、クリスティーナ・ケン博士が28日、Vatican News のインタビューに応じ、”シノドスの道”を通じて、神の民がどのように声を上げ、耳を傾けているかなどについて、次のように語った。
*synodalityを実行することで、学ぶ
クリスティーナ・ケン博士 「私にとって非常に重要なことになったのは、教会として、私たちが答えを準備し、人々に何が正しくて何が間違っているかを伝えることに慣れることでした。synodality(共働性)を実行、学ぶ。この”シノドスの道”を進む中で、誰もが学んでいます。時には試行錯誤もあります。 sensus fidei fidelium(信者の信仰の感覚) の重要な点は、神学的にそれが何であるかを知っていることです。私たちは実際にそれについて話し、説明することができますが、世界規模でも実際に活用しようとするのはこれが初めてです。エルサレム公会議の例がありますが、初期教会で、今日の教会に比べて人数が少なかったのです」
「ですから、ある意味で、私たちは sensus fidei fideliumを活用するための正確な方法とプロセスを見つけようとしながら学んでいます。必ずしも円滑な歩みではなかったことを認めます。私たちは何度も調整しなければなりませんでした。しかし、素晴らしいのは、調整が行われることです。人々がもっと時間を求め、道は延長されました。そして今、私たちは世界代表司教会議の総会が2つのセッションで行われるようになるという、驚きの体験をしています。感動は、人々が大陸レベルの歩みのための文書を目にするようになったことです。これまでの歩みを振り返り、あらたな質問を提起する機会を得るでしょう。私たちはsynodalityを実行することで、synodalityを学んでいるのです」
*一体となって働くこと
スーザン・パスコー氏 「私が素晴らしいと思うのは、この”シノドスの道”の歩みに、信徒、修道者、司祭、そしてもちろん枢機卿や司教も、共に参加しているということです。私たちは 1 つになって取り組んでいます。”平板構造”です。ローマ郊外のフラスカーティで(世界の国・地域からの報告書を大陸レベルの歩みのための文書にまとめる)作業のために集まった時、私たちは同じテーブルを囲んでいました。そこにあった圧倒的な感覚は、今が教会生活の決定的な瞬間であり、私たちが貢献するように召されたことは光栄だ、という思いでした。私たち全員が、その召命を謙虚に受け止め、貢献を求められたことに深く感謝している、と思います。フラスカーティの集まりで、『これは贈り物であると同時に、責任でもある』という言葉が何度も出てきました」。
「フラスカーティでの仕事は、深く祈りを込めて、振り返ることでした。私たちは 12 日間、祈りに満ちた状態を持続しました。人生でそのような機会を得ることは、めったにありません。贈り物です。そして責任について、私たち一人一人が、神の民の声を引き出すために託された重大な責任を感じていました。私たちの役割は自分の考えを語るのではない、神の民の声を引き出すことでした。そして私がとても感銘したのは、それが祈りをもって行われたことです。時の試練に耐えることのできるプロセスです」
クリスティーナ・ケン博士 「私が(世界の国・地域の司教協議会からもたらされた報告で)非常に感銘を受けたことの 1 つは、世界中の人々の多大な努力と創造性です。人々が、世界中の大陸の地からの直接的な引用と声が数多く並べられていることを称賛してくださるなら、この”シノドスの道”の真のヒーローはシノドス・チームた、ということを強調したい。チームの人々は遠隔の地を旅し、遠くに住む人の声をローマに届けるために、長く働いてきました。物理的に旅をしなくても、教会から信徒としての権利を奪われたと感じている人、教会を離れた友人や親戚に連絡を取るために、心理的、社会的な”旅”する人々もいました。皆、真のヒーローです。彼らのおかげで、私たちは、この豊かで貴重な声を世界中の現場から得ることができます。もちろん、新たにすべきこと、改善しなければならないことは、まだまだたくさんあります。耳を傾けられなかった方もまだ多いけれど、とてもいいスタートが切れたと思うし、この勢いが続くことを願っています。”シノドスの旅”は始まったばかりなのです」
*皆が語ることを認められ、求められている
スーザン・パスコー教授「 クリスティーナが言ったように、私たちは実際に、教会のあり方の活性化を始めています。初期教会には多くの反省があり、それが完璧ではなかったこと、私たちの努力が完全でないことは分かっています。私たちが行う仕事に、教義と司牧の両面に焦点を当てることが必要です。歴史のこの瞬間に、この”シノドスの道”に、個人として”投資”してくださる教皇フランシスコがおられることは、本当に幸運なことだと思います。また、何人かの並外れた教会指導者もいます。現時点で何十人も挙げることができますが、今、教会に偉大な指導力を提供しています。リーダーシップがどこに必要か、私たちが思う、ちょうどその時にです」
「私たちが、声を持つ神の民に向かって進むという考えについて、昨年10月9日のシノドスの開会式で、教皇フランシスコは、素晴らしく詩的な話し方をされていますー『洗礼はあなたの身分証明書。教会の生活に貢献したいのなら、それは洗礼を受けたすべての人のためです』と。また、それより前の2018年、性的虐待に関する訴えがたくさん集まってくる中で、教皇は、神の民あての手紙を書き、教会幹部を通してでなく、インターネットに直接投稿されました。『私たちは、あなたがたが教会の中で努力を重ね、働くことを必要としています。虐待問題の観点から、教会変革のために、神の民すべての力が求められています。私がとても重要だと考えるのは、多くの人たちが過去につい話すことを認められている、と感じていないからです。それは認められており、”シノドスの旅”は招待です。あなたがたは認められ、招かれています。私たち全員のための、誰でも関係する招待です』と」
(翻訳・編集「カトリック・あい」)南條俊二)
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