The team of theologians at work
(2024.6.14 Vatican News Christopher Wells)
10月の第16回世界代表司教会議(シノドス)総会の第2回会期のためのInstrumentum laboris(作業文書)取りまとめの一環として、1週間半にわたり昨年の第1会期の最終報告書に関する神学的考察を行った神学者グループが14日が作業を終え、総会報告者のオロリッシュ枢機卿と共に記者会見を開いた。
会見の冒頭、オロリッシュ枢機卿は「シノドスの経験のおかげで、神の聖なる民は宣教に向けて動き始めた。世界の教区などから寄せられた報告には、熱心で創造的な反応が示される一方、抵抗や懸念を示すものもあった」としたうえで、「ほとんどの報告書は、多くの地域社会に新たな生命を与え、また彼らの生き方や教会としてのあり方に大きな変化をもたらした旅の喜びを示している… シノダル(共働的)教会の種はすでに芽を出しています!」と述べた。
世界から集まった20人の神学者たちは、総会特別秘書のイタリアの神学者リカルド・バトッキオ師とジャコモ・コスタ神父 (SJ) の指導のもとに、世界各国、地域の司教協議会や東方カトリック教会から寄せられた100件以上の報告や、4月28日から5月2日まで開かれた世界の教区司祭の代表による会議の成果、国際的な組織、大学の学部、信者の協会、個々の教会共同体や個人から出された意見などを検討した。
バトッキオ師は「第 2 会期の作業文書は、第 1 会期のそれが総会で議論される幅広いテーマを取り上げたのに対し、宣教においてシノダル(共働的)な教会となる方法に焦点を当てる… 今後発表される作業文書では、これまでのシノドスの作業を振り返りながら、神学的な考察と具体的な提案を提示し、総会参加者に委ねられた識別力を助けることを目指す」と説明した。
今回の検討に参加した神学者は、欧州が8人(うちイタリア5人)、アフリカと南米がそれぞれ 3 人、アジアとオセアニアがそれぞれ2人。これに総会特別秘書2人、シノドス事務局長のマリオ・グレック枢機卿、総会報告者のオロリッシュ枢機卿、シノドス事務局次長のルイス・マリン・デ・サン・マルティン司教とナタリー・ベッカー修道女が加わった。
今回で神学者グループの作業を終えたことで、シノドス事務局は作業文書とりまとめの次の段階に進み、草案の内容の「広範囲にわたる検証」の後、教区司教主体で構成されるシノドス事務局顧問会議が草案を検討、教皇フランシスコに提出し、教皇が承認する運びとなる。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)