・シノドス事務局が第6、第7研究グループの最終報告書発表ー司教団と修道会の連携強化、教会の意思決定機関への一般信徒参加など提言

(2026.9.8  Vatican News)

 

 バチカンのシノドス事務局が8日、先のシノダリティ(共働性)に関する世界代表司教会議(シノドス)の最終文書で残された課題を検討する10の研究グループのうち、「司教、奉献生活、および教会団体間の関係」を検討した第6グループの最終報告書、および「司教の人格と務めに関するいくつかの側面(特定の側面」を検討した第7グループ最終報告書の第2部(アド・リミナ訪問に関する部分)を公表した。

 事務局が発表したプレスリリースによると、教皇レオ14世は、「(各研究グループで)行われた省察と識別の実りを神の民全体と分かち合い、それによって『シノダル(共働的)教会』の本質的な特徴の一つである『透明性と説明責任』を具体的に表現するため」、今回の二つのグループの最終報告書を公表するよう指示された、としている。

 また、「この二つの文書は、各研究グループの作業終了時に教皇に提出された提案をまとめたもの」であることも強調。「これらはすでに決定された事項ではなく、所管の教皇庁各部局およびシノドス事務局が、教皇に提出するための実行可能な提案へと具体化していくべき指針」と説明している。

 公表に当たって、シノドス事務局長のグレック枢機卿は、これらの研究グループの最終報告書を要約する形で、「”関係性”の変革なくして宣教はありません。司教と修道会との関係、司教と彼に委ねられた神の民との関係、また、地方教会、同一地域内の諸教会、そして教皇との関係においても、同じ原則が当てはまります。それは、互いに耳を傾け、理解を深め、賜物を分かち合うこと。二つの文書は、『差別化された共同責任』とシノドスが呼ぶものに焦点を当てています」と述べた。

 今回公表された二つの研究グループの最終報告書のうち、第6グループのテーマは、「司教、奉献生活、教会共同体間の関係に関する文書を、シノダル(共働的)かつ宣教的視点から見直すこと」、第7グループは、5月に公表された第1部「司教職候補者の選定基準、司教の司法機能」などに続く第2部「アド・リムナ(各国司教団のバチカン定期訪問)」に関するもの。

 

 

【第6グループの最終報告書】

—”関係性”の回心を促進する

  第6グループの最終報告書は、「司教、奉献生活、および教会団体―信徒団体、教会運動、新しい共同体―の間で『関係性の回心』を促進する」という緊急の必要性に関して、教皇に考察と実践的な提言を提示するために作成された。目的は、機能的あるいは単に階層的なアプローチを超え、「信頼、相互の傾聴、そして賜物の寛大な交換に基づいた関係」へと進むことにある。これには、「内面的(心や態度)および構造的(言葉、方法、出会いの場)な変革への具体的な取り組みが伴う」としている。

 提案は、『司教と奉献生活との関わり』『司教協議会と修道会総長協議会との協力』、そして『教会団体と地方教会との関係』という3つの分野を中心に構成されており、「その結果は段階的に比較・検討され、最終的に実践志向の総合報告書としてまとめられた」という。

 

 

 

—司教と奉献生活との関わり

 

 「司教と奉献生活との関わり」では、「新たな修道会、使徒的生活団体、および新たな形態の承認を判断するための神学的・法的な基準の策定」を提案している。

 具体的には、① 各教区に奉献生活担当の代表者または副司教を任命し、司教、奉献者、主要修道院長協議会による年次会合を開催する ②多くの修道会が直面している、召命の減少、共同体の廃止、資産の配分といったよりデリケートな移行期において、個別の訪問、対話の場、霊的支援を通じて、シノダルの精神に基づく伴走を行う、などを提示。

 そのうえで、「宣教、養成、男女平等、報酬、資産管理を規定する教区と修道会間の義務的な契約または了解覚書の締結」を求めており、「これには調停委員会、期限、説明責任の指標が伴う」としている。

 

—教会の意思決定機関への奉献奉仕者、一般信徒の代表参加を提言

 

 構造的なレベルにおいては、司牧協力と利用可能な(人的、物的)資源を規定する明確な手順、司教協議会への修道会代表の参加、そして意思決定機関への奉献生活者および一般信徒の代表としての参加を求めている。

 

—教区司牧計画への教会団体の組み込み

 教会団体と地方教会との関係については、「具体的な課題や実践を特定できる指導者や司教への質的な傾聴に裏打ちされた、(信徒団体、運動、新しい共同体の)用語の明確化を提示。

 また、教会団体を教区の司牧計画や参加型機関―諮問機関、司牧評議会、教会会議―に体系的に組み込むことを求め、「共通のプロジェクト、資源の共有、カリスマの相補性の促進に向けた団体間のネットワーク構築」を提案している。

 養成の分野では、信徒団体会員向けの「リーダーシップ、意思決定プロセス、自由と交わりの関係に関するプログラム」、神学生向けの「一般信徒の召命に関する養成」、そして司教向けの「これらの可能性と特徴に関する養成」を提案。とりわけ、個人的な交流や定期的な訪問を通じて促進される「相互の意識改革の必要性」を強調している。

 

 

【第7グループ最終報告書第2部】

—アド・リミナ(各国司教団のバチカン定期訪問)に対する新たな理解と手続きの見直し

 第7グループ最終報告書の第2部は、「教皇フランシスコの使徒憲章『Praedicate Evangelium』に沿って、アド・リミナ(各国司教団のバチカン定期訪問)に対する新たな理解と手続きの見直しを提供することを目指している。

 

—バチカン定期訪問を司教団と修道会が共同で準備するなど協力強化

 司教協議会と主要修道院長会議との協力に関して、まず、アド・リミナ(各国司教団のバチカン定期訪問)を両者が共同で準備することを提案している。これにより、使徒座との対話が、特定の地域の教会全体の現実を反映したものとなるようにするためだ。

 また、 Retreat(日常生活を離れて祈りや人生を見つめ直すための静修=黙想会)やJubilee(聖年を記念する行事)といった兄弟愛を深める機会の創出、相互理解を促進するための各事務局による年次会合、神学校、修練院、養成センターにおいて共同で提供される「シノダリティ(共働性)」「教会論」「リーダーシップ」などをテーマとした共同養成、そして辺境地域に奉仕するための年次の多分野横断的取り組みも提案している。

 

 

—アド・リミナの準備には一般信徒も参加すること

 報告書は、アド・リミナが「単に地方教会の内部運営に関する事項のみを扱うのではなく、キリスト教共同体が世の中で果たすべき使命を支えるものでもあり、それによって、日常の司牧生活の宣教的回心のために奉仕する手段となるべきだ」と強調。

 そのうえで、アド・リミナを「地方教会と使徒座との間の通常の対話の枠組みの中に位置づけ、その準備、実施、およびフォローアップに関するもの… 宣教の実りを見据え、教区の組織、意思決定プロセス、および教会主体の間の関係において達成された回心」と規定している。

 またアド・リミナの準備について、教区司教に対し、事前に一般信徒を招集するよう求め、そうすることで、「教会的な見極めを通じて、一般信徒が共同責任を持って、訪問に先立ち聖座に送付される教区の状況に関する予備報告書の作成に参加できるようになる」と言明。

 教区での検討の結果は、教区管区の司教総会または司教協議会に提示され、司教たちが、「司牧上の協力と共同計画を強化し、また、可能な限り共同の識別による成果として、その管轄区域の可能性と必要性を概観したものを、教皇とその協力者たちに提示することを目的として、教区の状況を共同で評価する」ことを提言している。

 

 

—司教たちのローマ滞在において霊的側面の優先

 アド・リミナにおける司教団のローマ滞在に関しては、霊的側面への配慮が優先されることを強調。

 司教たちが小グループに分かれ、訪問に十分な時間を確保することを推奨し、「『賜物の交換』として理解され、共議的精神に基づいて行われる対話は、率直かつ親密で、一方通行ではなく、現地教会の豊かさと必要性の両方が浮き彫りになり、優れた実践例の共有が促進されるものでなければならない」としている。

 またアド・リムナ実施にあたって、「最も適切とみなされる方法により、教区代表団が司教に同行することが望ましい… その際、現地レベルで準備に関わった者たちを優先すべきである」と述べている。

 そして、アド・リミナ終了後について、「事後対応には特に注意が払われる必要がある」とし、①バチカンの各機関は、司教協議会および東方教会の階層組織に対し、訪問に関する報告書を送る②各教区司教は、ローマへ同行した信徒と共に、その成果について地元の教会に報告を行う③その後、参加機関および管轄の教区事務局が、取るべき措置を検討する—などを具体的に提示。

 アド・リミナの結果、「さらなる対話を必要とする問題が浮き彫りになった場合、オンライン会議や、バチカンの代表者による”現地訪問”が手配される」ことがあり得る、とし、「全プロセスを評価するため、独立した教会委員会が定期的に設置されること」を提言している。

 

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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・バチカンのシノドス事務局による第6、第7研究グループの最終報告の説明

新しい修道会を選定するための共通基準、各教区における奉献生活担当者の配置、そして養成、男女平等、報酬、資産管理を網羅する契約書または覚書。さらに、地域教会全体と共同で準備されたアド・リミナ訪問は、「一方通行」ではない対話における「贈り物の交換」として体験され、独立した評価の対象となる。

 

 本日、シノドス事務局は、第6研究グループの最終報告書「司教、奉献生活、および教会団体間の関係に関する文書のシノドス宣教的観点からの改訂」と、第7研究グループの最終報告書「司教の人格と職務のいくつかの側面(司教候補者の選任基準、司教の司法機能、使徒的訪問の性質と過程)の宣教的シノドス的観点から」の第2部(使徒的訪問に関する部分)を公表する。第1部は5月5日に公表されている。

 教皇レオ14世は、最終報告書を公開することで、行われた考察と識別の成果を神の民全体と分かち合い、それによってシノドス教会の本質的な特徴の一つである透明性と説明責任を具体的に表現するよう指示しました(最終文書、第97項参照)。この2つの文書は、それぞれのグループの作業の終了時に教皇に提出された提案を示している。したがって、これらは既に決定されたものではなく、所管省庁とシノドス事務局が教皇に提出する実行可能な提案に翻訳するよう求められる指示である(シノドス事務局の覚書、2026年3月3日参照)。

「この二つの報告書は、一見すると異なる問題を取り上げているように見えるかもしれませんが、どちらも同じことを述べています。それは、改宗した関係なしには宣教は成り立たないということです。司教と修道会、司教と彼に託された神の民、地方教会、同じ地域の教会、そしてローマ司教の間には、同じ原則が適用されます。私たちは互いに耳を傾け、報告し合い、贈り物を交換します。どちらの文書も、シノドスが『分化された共同責任』と呼んでいるものを中心に据えています」と、シノドス事務総長のマリオ・グレック枢機卿は述べている。

【第6研究グループの最終報告書】

 第6研究グループの最終報告書は、司教、奉献生活者、そして信徒団体、教会運動、新しい共同体といった教会組織の間で「関係性に基づく変革」を促進する必要性について、「教皇聖下に考察と実践的な提案を提供する」ために作成された。その目的は、機能的あるいは単なる階層的なアプローチを超え、信頼、相互の傾聴、そして惜しみない贈り物の交換に基づいた関係へと移行することにある。これは、内面的な変革(心と態度)と構造的な変革(言語、方法、そして出会いの場)の両方において、具体的な取り組みを必要とする。

 2024年4月から2026年2月にかけて会合を開き、3つのテーマ別小グループに分かれて活動したこのグループは、司教、聖職者、教会団体の代表者へのアンケート調査やインタビューを通して直接意見を聴取することを活動の基盤とした。得られた結果は段階的に比較検討され、最終的に実践に即した総合的な結論へと至った。

 これらの提案は、司教と修道生活者との関係、司教協議会と修道会総長協議会との連携、そして教会団体と地方教会との関係という3つの分野を中心に構成されている。

 最初の分野では、グループは、新しい修道会、使徒的生活会、および新たな形態の承認を識別するための神学的および法的基準の開発、各教区における奉献生活担当の代表者または代理者の任命、司教、奉献者、および大管長会議による年次会合、そして多くの修道会が経験しているより繊細な移行期(召命の減少、共同体の解散、資産の配分など)における、個別の訪問、対話の場、および霊的支援を通じたシノドスによる支援を提案している。報告書はまた、教区と修道会の間で、宣教、養成、男女平等、報酬、および資産管理を規定する義務的な契約または覚書を締結し、調停委員会、期限、および説明責任指標を付記することを求めている。

 司教協議会と修道会総長協議会の連携に関して、報告書はまず、使徒座との対話が特定の地域の教会全体の実態を反映できるよう、両者が共同でアド・リミナ訪問を準備することを提案している。

 また、相互理解を深めるための黙想会や祝祭などの友愛の機会、それぞれの総務局の年次会合、神学校、修練院、養成センターで共同で提供されるシノドス性、教会論、リーダーシップに関するモジュール、そして周辺地域に奉仕する年次の学際的取り組みを提案している。

 構造レベルでは、報告書は、司牧的連携と利用可能な資源を規定する明確なプロトコル、司教協議会への宗教代表者の参加、そして意思決定機関における奉献者と信徒の完全な代表を求めている。

 教会団体と地方教会との関係に関して、報告書は、具体的な課題や実践を特定できる議長や司教への質の高い傾聴を基盤として、用語の明確化(信徒団体、運動、新しい共同体など)を求めている。

 また、教会団体を教区の司牧計画や参加型組織(諮問機関、司牧評議会、シノドス会議など)に体系的に組み込まれるよう求め、共通のプロジェクト、資源の共有、カリスマ的補完性の促進のために、団体間のネットワークを構築することを提案している。

 養成の分野では、団体会員向けにリーダーシップ、意思決定プロセス、自由と交わりの関係に関するプログラム、神学生向けに信徒の召命に関する養成、司教向けにこれらの教会的現実の可能性と特徴に関する養成を提案している。何よりも、このグループは、個人的な交流と定期的な訪問を通して育まれる、相互の意識改革の必要性を強調している。

 

【研究グループ7の最終報告書の第2部】

 第7研究グループ最終報告書の第2部は、フランシスコ教皇の使徒憲章『福音宣教憲章』に沿って、アド・リミナに関する新たな理解と手続き上の見直しを提示することを目的としている。報告書は、訪問は地方教会の内部運営に関する事項のみを扱うべきではなく、キリスト教共同体が世界で遂行するよう召されている使命を支援するものでなければならず、それによって日常の司牧生活における宣教的転換に奉仕する手段となるべきであることを強調している。

 評価基準として提案されているのは、宣教活動の成果という観点から、教区組織、意思決定プロセス、教会関係者間の関係において達成された変革である。提案では、アド・リミナを地方教会と使徒座との間の通常の対話の枠組みの中に位置づけ、その準備、実施、フォローアップについて規定している。

 訪問の準備として、報告書は教区司教に対し、信徒を招集し、教会的な識別を通して、教区の現状に関する予備報告書の作成に共同責任をもって参加するよう求めている。この予備報告書は、訪問に先立ち教皇庁に送付される。教区における一連のプロセスの結果は、教区管区または司教協議会の司教会議に提示される。司教たちは、司牧上の協力と共同計画の強化、そして可能な限り共通の識別の成果として、教皇とその協力者たちに教区の潜在力とニーズの概要を提供することを目的として、各教区の現状を共同で評価する。

 ローマ滞在に関しては、霊的な側面への配慮が最優先事項とされています。報告書は、司教たちを小グループに分け、訪問に十分な時間を確保することを推奨している。対話は「贈り物の交換」として理解され、協力的な精神で行われるべきであり、率直で友好的、かつ一方的なものであってはならず、地方教会の豊かさとニーズの両方が明らかになり、良き実践の普及が促進されるべきだ。報告書はまた、アド・リミナ訪問中は、最も適切と思われる方法で、教区代表団が司教に同行することが望ましいと考えており、地方レベルで訪問準備に携わった人々を優先すべきであるとしている。

 特にフォローアップに重点が置かれる。ローマ教皇庁の各機関は、訪問に関する報告書を司教協議会および東方教会の階層組織に提出する。各教区司教は、ローマに同行した信徒とともに、訪問の結果を地元の教会に報告する。参加機関および管轄の教区事務所は、取るべき措置を検討する。訪問によってさらなる対話が必要な問題が明らかになった場合は、オンライン会議や教皇庁代表による現地訪問が手配される。最後に、独立した教会委員会が定期的に設置され、プロセス全体を評価する予定である。

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*10の研究グループは、ローマ教皇庁の各省庁とシノドス事務局との協力に関する教皇フランシスコの文書により、2024年3月に設立された。

*第7研究グループは、委託された3つ目のテーマである「司教の司法機能」に関する作業を継続しており、作業完了後にその成果が公表される予定。

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2026年9月9日