Cardinals Hollerich (L) and Grech (R) present the changes to the Synod at the Holy See Press Office
(2023.4.26 Vatican News Salvatore Cernuzio)
”シノドスの道”の歩みを主導するオロリッシュ枢機卿とシノドス事務局長のグレック枢機卿が26日、共同で会見し、今年10 月の世界代表司教会議(シノドス)通常総会で、教皇に任命される 70 人の『司教以外の参加者(半数が女性)』が 議決に参加できるようになる、と発表。決定は同日、シノドス事務局から、アフリカ、アジア、中東、およびオセアニアで最近開催された”シノドスの道”の大陸レベル会合の責任者に、書簡の形で伝えられた。
*「非司教」が総会で議決権をもつ総数の2割強に
発表で、両枢機卿は「 10 月にバチカンで開かれる、シノダリティ―(共働性)をテーマとするシノドス総会は、『シノドス』自体の性格も名称も変わらないが、一般信徒なども参加するようにされる」とし、司教以外に教皇が直接任命するのは一般信徒を含む70人、半数が女性で、若干の若者も含まれる。その全員が総会での議決権を持ち、400人以上の総会参加者のうち議決権を持つ約370人の一員となる。
また書簡では「今回の決定は、シノドスに関する現行規定を廃止するものではない。2018年の使徒憲章、 Episcopalis Communio(司教の一致)で、シノドスへの『非司教』の参加が規定されている」としたうえで、70人の「非司教」は、事前に用意された140人の中から教皇がお選びになり、「司祭、修道者、修道女、助祭、一般信徒など神の民を代表する」とする。そして、この総会には「傍聴者」はいなくなる。
オロリッシュ枢機卿は、「世界代表司教会議総会の性格を維持しつつ、総会参加者の21パーセントを『非司教』が占めることになる。彼らの存在は、神の民の預言と司牧者の識別の間の対話を確かなものにします」と説明。70 人の「非司教」の半数が女性であり、また若者の参加が予定されることについて、両枢機卿は、「それが私たちの世界のあり方だからです」と述べた。
そして、140人の候補者の選択に当たっては、「それぞれの文化的背景、これまでの”シノドスの道”での忍耐、知識、そして参画が判断基準となる。そこから教皇が選ばれた70人は、総会での議決権を持つことになります」とし、グレック枢機卿は、「このことは重要ですが、いつの日か、投票なしで済ますことができるようになることを期待しています。なぜなら、シノドスは『識別』、そして『祈り』だからです」と付け加えた。
*「非司教」のうち、修道者は男女5人ずつが選ばれる
また、70人のうち男女修道会総長連合から選ばれる男女各5人の修道者にも、総会での投票権が与えられ、従来のシノドス会合に出席した「奉献生活の会」のメンバー 10 人に取って代わることになる。
総会の本会議で行われるすべての議決は、秘密投票によって行われ、教皇によって批准されなければならず、教皇が議決を確認するまで、その名前は公表されない、ものとされる。
*会議の進行を助ける専門家のポストも新設
また、10月のシノドス総会には、会議の進行を助ける専門家のポストが新設され、複数の人が選ばれる。グレック枢機卿によると、このポストは、シノドス研究グループの経験から生まれたもので、「専門家の存在が実りある力を生み出すことができる」と判断したといい、オロリッシュ枢機卿が「総会参加者の中には、これまでシノドスに一度も参加したことのない司教がいるので、特に霊的側面からの助けが必要となります」と補足。また、10月のシノドス総会には、司教協議会のない国から参加する司教も初めて参加する予定であり、エストニアとモルドバの両教区、そしてオロリッシュ枢機卿が教区長を務めるルクセンブルグ大司教区もそれに該当する、と述べた。
最後に両枢機卿は、このような新たな形で開かれるシノドス総会によって、「教会は、さらに完全なものとなり、ローマで全教会の代表を務めることが喜ばしいものでなるでしょう」と口をそろえた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
関連