Delegates of the Continental Synodal Assembly for the Middle East gathered in the Hotel Bethany – Harissa in Beirut
(2023.2.14 Vatican News staff reporter)
“シノドスの道”の大陸レベル会議が中東でも始まった。聖地イスラエルをはじめヨルダン、レバノン、シリア、エジプト、イラク、アルメニアの 7 つのカトリック教会 (コプト、シリア、マロン、メルカイト、カルデア、アルメニア、ラテン) の司教たちが13日、レバノンの首都ベイルートに集まり、18日まで6日間にわたる会議を開始した。
会議は13日、トルコ・シリア地震の犠牲者のための特別な祈りの後、今会議の総合司会者で東方カトリック総主教評議会(CPCO)の事務局長のハリド・アルワン神父のあいさつで、正式に開会した。
*独自性とともにある多様性が中東の教会を豊かにする
アルワン神父は、1992年に東方カトリック主教会議が出した「証しとメッセージ」としての、この地域におけるキリスト教徒の存在を思い起こしつつ、中東の教会が歩むべき「シノドスのロードマップ」について概説。そのメッセージは、中東におけるカトリック教会の進むべき方向を示し、「存在」と言う言葉と共にその教会の独自性と将来を端的に表しており、「存在」は、「アラビア語と私たちが作ってきた遺産、そして私たちが確立を助けて来たアラブ文明において、キリストとその教会の模範に倣い、効果的かつ正しく具現化されています」と述べた。
また、それは、「他のキリスト教会、イスラム教徒、ユダヤ教徒、そして善意のすべての人々との信仰一致と対話と協力を基礎に置き、区別や差別なく人に奉仕する存在でもある」と指摘。中東地域のキリスト教会が「兄弟愛と愛の精神をもって、多くの共通の課題に取り組むために協力することの重要性」を強調し、「中東の困難な政治的および宗教的状況における苦難と願望、特にキリストに対する共通の信仰をもつ私たちを結びつけることは、分け隔てすることよりも重要。多様性は、常に 教会を豊かにするのです」と述べた。
*「共に歩む」と言葉で言うのは簡単だが、実践は容易でない
続いて、10月の世界代表司教会議の総括責任者であるオロリッシュ枢機卿(ルクセンブルク大司教)があいさつし、中東に出席できたことを「光栄に思います」としたうえで、「synodality(共働性)には長い伝統があります。この会議でも、それを体験し、あなたがたから学びたいと思っています」と述べた。また、2021年秋に始まった”シノドスの道”のこれまでの歩みを振り返って、「『共に歩む』ことを言葉で表現するのは容易ですが、実践するのは容易ではありません」と反省を込めて語った。
*”シノドスの道”の歩みは「参加」ー「シノドス的教会」を美辞麗句にするな
初日の会合では、バチカンのシノドス事務局長であるグレック枢機卿もあいさつし、「プラハで開かれている欧州での大陸レベル会議でもお話ししたのですが、”シノドスの道”の歩みは『参加』であり、神の民と司教たちを競い合わせることでは決してありません。常に関係をもち、それぞれの役割を達成できるようにするためのものです」と強調。
さらに、「Synodal Church (共働する教会)は互いに耳を傾ける教会。これを単なる美辞麗句にすることはできないし、してはなりません」と忠告し、「私たちは皆、良心に基づいて答えを出すよう求められています。深く確信している人から、まだ疑いを持っている人、公然と反対している人まで」と述べた。
*Synodal Church として生きることは、神の言葉を聞き、時のしるしを読み取ること
現地の教会の代表としてあいさつしたマロン典礼カトリック教会のブトロス・アル・ラヒ総主教は、「Synodal Church として生きる」という誓約は、「神の言葉を聞き、この世界に対する教会の使命刷新の時のしるしを読み取ることから学ぶ教会となることに専心することを意味します」と自戒を込めて語った。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
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