(2022.11.29 Vatican News Staff writer)
2021年10月に始まった”シノドスの旅”の大陸レベルの取り組みに関するバチカンと各大陸の代表者たちの会議が11月28、29両日開かれ、閉幕にあたって、バチカンのシノドス事務局長のマリオ・グレック枢機卿は「すべての人の意見に耳を傾け、誰も除外しないことが、”シノドスの旅”の核心」にあることを再確認した。
会議はシノドス事務局のオフィスで開かれ、閉幕後にバチカン広報省が発表した声明によると、グレック枢機卿は、「今回の会議は、”旅”が順調に進んでおり、互いから学ぶべきことがたくさんあることを示しています」と総括。
「何よりもまず、イエス・キリストの良き便りを宣べ伝えることー福音宣教という私たちの仕事に、大きな希望を持っています。これが”シノドスの””です」と述べ、「すべての人を取り込み、耳を傾けることの重要性」についても言及した。
28日の初日の会議は、教皇フランシスコの非公開謁見に始まった。来年10月に始まる第 16 回世界代表司教会議通常総会の総代理でルクセンブルグ大司教のジャン クロード・オロリッシュ枢機卿は、教皇に対して、「私たちのために時間を割いてくださり、”シノドスの道”の進め方について助言をくださったことに感謝します」を謝意を表したうえで、基調講演を行った。
枢機卿はまず、「シノドスのこの段階で、最初の普遍的な次元を経験しています。この段階は、さまざまな教会がその旅と循環的な対話から、孤立してはならないことを示しています。大陸レベルの会議は、各大陸の教会に利益をもたらすでしょう」と述べた。
そして、「カトリックであることを望む”synodality(共働性)は、ペトロのケアと助言が必要です」とし、教皇に対して、「私たちはあなたを必要としています。なぜなら、私たちは聖霊における自由を証しする”健全な公正さ”必要としており、一方で、この”シノドスの道”でいくつかの誘惑にも気づかされるからです」と語りかけた。
講演に戻って、メディアで時々目にする「誘惑」を取り上げた枢機卿は、「それは、教会の”政治化”の誘惑です… そうしたメディアは、何をすべきかをよく知っており、その目的のためにシノドスを使いたいと考えています。それがシノドスの”道具化”であり、”政治化”なのです」とし、また、「過去だけに目を向ける人々は、真のカトリックの伝統が進化することを理解していません。”シノドスの道”の歩みにブレーキをかけてしまいます」と警告。
この会議の参加者たちが「”synodal(共働的)な教会が、世界でその使命を果たすことができるように、真の識別、使徒的識別に入ることができる」よう、希望を表明した。
最後に枢機卿は、「教皇、聖霊、イエスと共に歩むことが、私たちの教会を修復するために必要」と強調して、講演を締めくくり、この後、各大陸の参加者たちが、それぞれの大陸・地域での”シノドスの道”のこれまでの歩みについて報告した。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)