・アマゾン地域の教会の司教、司祭、信徒代表が、女性の役割強化、教会財政危機などで対応協議(Crux)

(2024.8.23 Crux  Contributor   Eduardo Campos Lima)

 サンパウロ発 –10月の世界代表司教会議(シノドス)総会の第二会期を前に、ブラジル司教協議会のアマゾン特別司教委員会(CEA)が主催し、汎アマゾン教会ネットワーク(REPAM)とアマゾン教会協議会(CEAMA)の代表が参加する会議が19日から22日にかけてブラジルのマナウスで開かれ、5年前に開かれたアマゾン地域シノドスを基にした今後の取り組みについて協議した。

 具体的にはアマゾン地域で現在も深刻化が進む環境悪化への対処、女性助祭の叙階など教会における女性の役割の抜本強化、教会財政の危機への対応が、緊急課題として挙げられた。

 環境危機に関しては、アマゾン河流域では昨年、長期間にわたる水不足、干ばつが続き、今年に入っても河川の水は低下する一方、様々な地域で大気汚染が進んでいる。その主たる原因の一つは流域の森林破壊であり、それを食い止めるのが急務という。

 女性の役割の抜本強化では、5年前のアマゾン地域シノドスで激しい議論となった女性の助祭叙階について、現在ではこの地域の多くの信者がその実現を強く求めるようになっている。

 この会議に参加したブラジル北西部、アクレ州のフラビオ・ジョヴナーレ司教はCruxの取材に「女性の助祭叙階、そして既婚男性の司祭叙階の問題は、アマゾン地域ではいまも激論が続いていますが、慢性的な司祭不足が続くこの地域で、司牧活動をどのようにして続けるか、と言う問題が背景にあります」と語った。

 バチカンのシノドス事務局が設置した10の研究会の一つは、女性助祭の問題を扱っており、10月のシノドス総会第二会期の後、来春には検討結果が公開されることになっている。

 また、ジョヴナーレ司教によると、今回の会議では、アマゾン地域の教会が抱える財政的問題への具体的対応も議論された。司教は「私が教区を引き受けたとき、莫大な借金を抱えていました。私がやってきたのは、その利息を支払うことだけ。一方で教区の運営コストは増え続けています」とし、「私の担当しているような司牧地域が広いところでは、車で移動するのに必要なガソリンのコスト上昇が重い負担になっている」と窮状を説明した。

 会議では、財政的に苦しい教区、小教区への財政援助基金の創設で合意。国際的な援助を受ける活動を準備する専門家チームを発足させることを決めた。

 この会議の声明では、アマゾン地域の人々の自己の権利のための闘いに、教会も行動を共にする必要性についても言及。「聖霊は、人々と肩を並べ、人々の権利のために、人々と闘う教会の在り方を、私たちに示している」と述べている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2024年8月27日