女性の役割の抜本強化では、5年前のアマゾン地域シノドスで激しい議論となった女性の助祭叙階について、現在ではこの地域の多くの信者がその実現を強く求めるようになっている。
この会議に参加したブラジル北西部、アクレ州のフラビオ・ジョヴナーレ司教はCruxの取材に「女性の助祭叙階、そして既婚男性の司祭叙階の問題は、アマゾン地域ではいまも激論が続いていますが、慢性的な司祭不足が続くこの地域で、司牧活動をどのようにして続けるか、と言う問題が背景にあります」と語った。
バチカンのシノドス事務局が設置した10の研究会の一つは、女性助祭の問題を扱っており、10月のシノドス総会第二会期の後、来春には検討結果が公開されることになっている。
また、ジョヴナーレ司教によると、今回の会議では、アマゾン地域の教会が抱える財政的問題への具体的対応も議論された。司教は「私が教区を引き受けたとき、莫大な借金を抱えていました。私がやってきたのは、その利息を支払うことだけ。一方で教区の運営コストは増え続けています」とし、「私の担当しているような司牧地域が広いところでは、車で移動するのに必要なガソリンのコスト上昇が重い負担になっている」と窮状を説明した。
会議では、財政的に苦しい教区、小教区への財政援助基金の創設で合意。国際的な援助を受ける活動を準備する専門家チームを発足させることを決めた。
この会議の声明では、アマゾン地域の人々の自己の権利のための闘いに、教会も行動を共にする必要性についても言及。「聖霊は、人々と肩を並べ、人々の権利のために、人々と闘う教会の在り方を、私たちに示している」と述べている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
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