・「彼らは何を話しているのか?」シノダリティに関するシノドス総会第2会期の最初の8日間(LaCroix)

   5日の記事で私は、シノドス総会の会場が「12本のプラスチック製の椰子の木で飾られている」と書いたが、「さっき確認したけど、椰子の木はプラスチックじゃなくて本物だよ」と気配りの行き届いた総会のメンバーから訂正があった…。

 今回の総会第2会期の会合は、昨年10月の第1会期よりも落ち着いた雰囲気だ。約350人の参加者が互いを知り合い、文化や感性の違いにもかかわらず、ほとんどの参加者が再会を喜んでいる。「元気? 調子はどうですか?」と4日の昼に、アジアの司教が南米の同僚の一人に尋ねた。二人の男は、スイスの衛兵が挟まれた大きな謁見席のドアを一緒に通り抜けた。

 昨年、教皇はシノドス総会の参加者たちに、会場の外での記者たちの問いかけに答えないように求めた。今年、彼はこの件について何も語っていない。メディアへの圧力は軽減されたと言っていいだろう。バチカンは、2023年と今年の取材を認めた記者の数をLa Croixに教えなかった。だが、その違いは顕著で、「皆さんの数が少なくて、私たちはあまり気にしていないのはいいことです」と匿名の司教は冗談を言い、議論の中の真の「静けさ」と穏やかで「より祈りに満ちた」雰囲気を強調した。

 しかし、メディアの報道が減ったのは、ある種の無関心も反映しているのだ。フランスでは、昨年10月4日から今月2日にかけて「シノドス」という単語のGoogle検索が77%も減った。「教皇が女性司祭職や司祭の独身制のような問題を扱わないことを明らかにした瞬間に、多くの人々はシノドス総会への関心を失いました」と、私の同僚が記事で引用したフランスのシスター、 Christiane Jolyが語っている。
 2月22日、教皇フランシスコは、シノドス総会と並行して、昨年10月第1会期で議論された特定の課題を来年6月まで検討する任務を負う12の「研究グループ」の創設を発表した。「それで、彼らは今年何について話しているの?」と、かなり保守的な読者が今週、「この秘密のシノドス総会で何がでっち上げられているのか」と、心配して私に尋ねた。

 以下に、シノドス総会第2回会期が始まってから、特に女性の役割が議論の的となった最初の8日間についてまとめてみよう。

【10月2日】女性助祭について、教理省の長官が「準備ができていない」と言明

 第2会期の会合は、バチカンのパウロ六世ホールで始まった。いくつかの紹介の言葉の後、教皇によって設立された研究グループの代表者が集会に出席した。グループに課題として与えられた中には、「東方カトリック教会との関係」(グループ1)、「貧しい人々の叫びに耳を傾ける」(グループ2)、「デジタル環境における使命」(グループ3)、「司祭養成」(グループ4)が含まれていた。

 「教会における女性の役割」を研究するグループ5は、他の班とは異なり、世界中からの専門家で構成されているわけではなく、バチカンの教理省に委ねられている。その長官であるビクトル・マヌエル・フェルナンデス枢機卿は、全体会議で演説し、女性助祭の問題は「準備ができていない」ことを参加者に伝えた。

【10月3日】総会参加者の中に批判の声、シノドス事務局長が”妥協案”

 前日のプレゼンテーションは、総会の参加者の間でいくつかの批判を引き起こしました。一部の参加者は、研究グループの扱う課題から”疎外”されていると感じ、参加を希望した。シノドス事務局長のマリオ・グレック枢機卿は、状況を打開しようと試み、来年6月までは、誰でもさまざまなグループに意見を出すことができる」という”妥協案”を出した。「さまざまなグループ」には、総会参加者だけでなく、「あらゆる信者、グループ、協会、あるいはは共同体」も含まれる、と事務局長代理は明らかにした。

 

【10月4日】女性助祭など女性の役割を検討するグループ5に女性を参加させよ

 全体会議で36人の自由発言が90分にわたって行われた。発言者の一人は、「教会が女性を”慰め者”としてのみ見ており、個人としては見られていない」という事実を、認識の「ギャップ」と表現した。別の女性の発言者は、「叙階されるように召されていると感じている女性」がいることを指摘。いくつかの発言者は、女性の助祭叙階問題を、今総会の検討課題に残すよう要求し、この課題を研究する任務を負うグループ5に女性を含めることを求めた。

 より広く言えば、この日のテーマは「シノダリティ(共働性)の霊性」を発展させることに焦点を当てていた。

【10月5日】18日午後m休みの代わりに、研究グループとの協議

 総会の全体会議で投票が行われ、18日に予定されていた午後の休暇を研究グループの代表者との協議に変更することに、投票権を持つ参加者の75%近くが賛成票を投じた。教会における女性の役割について意見を述べることを希望する人は、調整担当のバチカン教理省教理部門局長、アルマンド・マッテオ大司教が受け付ける。

 今日の質問:「教会はシノダリティ(共働性)を通じてその使命をよりよく果たすことができるのだろうか?」

 

【10月6日】教皇から中東のカトリック教徒への手紙公表

 

 会合は休み。聖マリア・マジョール大聖堂での平和のためのロザリオの祈り。教皇から中東のカトリック教徒への手紙の公表。

 

 

【10月7日】ガザ地区に6万2000ユーロを支援

 パウロ六世ホールで会合が再開され、ハマスのイスラエル攻撃から一年を迎えて祈りと断食の日が行われた。ガザ教区を支援するために、参加者から寄付を募り、6万7758ドルが集った。

 討議テーマの変更:教会内の「人間関係」。シノダリティ(共働性)の基盤を熟考した後、総会参加者たちは、具体的な提案をするように求められている。

【10月8日】LGBTQIカトリック教徒とのランチ

 昼休みに、シノドスの参加者数人(香港のスティーブン・チョウ枢機卿、フィラデルフィアの学生ジュリア・オセカなど)が、ポール六世ホール近くのイエズス会本部の講堂に集まった。米国のイエズス会士、ジェームズ・マーティン神父も総会参加者で、LGBTQIのカトリック教徒と会い、経験を共有するよう彼らを集会に招いた。

 パウロ六世ホールでの総会の全体会議では、同性愛者をより広く受け入れることを求める意見や、LGBTQI運動を圧力団体として批判する意見も出た。

 

【10月9日】総会第2会期最終文書の起草委員会メンバー選出

 

 今総会の最終文書を監督する委員会の7人の委員の午前の全体会議で選出された。世界の地域ごとに1人の代表者を選ぶこととされ、フランスのジャン・マルク・アヴリーヌ枢機卿は、欧州を代表する3回の投票を経て選出された。アフリカ代表は、アフリカ・マダガスカルの司教協議会(SECAM)の会長であるフリドリン・アンボンゴ・ベスング枢機卿が、第1回投票で絶対多数で選出。中東の代表はレバノンのムニール・ハイララ司教が選ばれた。

 26日に発表される予定の最終文書は、教会を「よりシノダル(共働的)」にするための具体的な提案を盛り込むことを目指している。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。
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2024年10月15日