☩「聖職者主義は悪魔が使う最も巧妙な手段の一つ、神の民から離れてはならない」シノドス総会第2会期を前に、東アジア・オセアニア4か国歴訪でイエズス会士たちに

Pope Francis during his encounter with Jesuits in Jakarta, in Indonesia, on Sep. 4, 2014. (Credit: Vatican Media.)
(2024.9.26 Crux  Managing Editor  Charles Collins)

 「彼がバンコクで行った最後の演説は、イエズス会に宛てた遺言でした。『祈りの中でのみ、社会の不正義に対処する力と霊感が得られる』と彼は言いました。フランシスコ・ザビエル、マテオ・リッチ、その他多くのイエズス会士の人生も見てください。彼らは祈りの精神のおかげで前進することができたのです」と教皇は付け加えた。

 また、9月10日に東ティモールでイエズス会士に語った際、教皇は「聖職者主義」に警告を発した。これは、「シノダリテイに関するシノドス」の第一会期で提起された問題事項だ。「聖職者主義はどこにでも存在します… バチカンには強い聖職者文化があり、私たちは今、それをゆっくりと変えようとしている。聖職者主義は、悪魔が使う最も巧妙な手段の一つです」と教皇は言明。

 さらに、「聖職者主義は、聖職者の間に存在する世俗性の最も高い形です。聖職者文化は世俗的な文化です。だからこそ、聖イグナチオは世俗性、世の精神を究明することを強く主張しました。なぜなら、私たちの罪、特に第一線にある者にとって、知的世俗性、政治的世俗性の中に罪があるからです」とされ、「私の見方では、私たち司祭にとって、この精神的な世俗性は、克服するのが最も難しい病気です」と警告された。

 また教皇は、「教会が守るべき課題は、常に神の民から離れないこと。同時に”教会のイデオロギー”から離れねばならない。これが私が皆さんに託す課題です。最も貴重な財産である人々から、目を背けないでください」と念を押された。

 このように9月にアジアのイエズス会士たちに教皇が語られた言葉は、10月に開かれるシノドス総会第二会期の参加者にも向けられているのかもしれない。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2024年9月27日