(2024.11.25 Vatican News Francesca Merlo)
教皇フランシスコは25日、10月に開かれた世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会第2会期の最終文書に添える覚書を発表され、同文書を世界の教会、司教たちに「創造的な実践と、交わり、参加、宣教への新たな取り組みする」ように呼びかけられた。
最終文書は、2023年10月、2024年10月の二つの会期で行われたシノドス総会の成果をまとめたもの、とされる教皇は、特に、この文書に添える覚書を執筆された。
*シノドスは創設の段階から聖霊の声に開かれている
覚書で教皇は、冒頭で、「世界代表司教会議(シノドス)はその創設当初から、聖霊の声に開かれていることを特徴とし、聖霊によって、世界の大陸、言語、文化を越えて教会を導いてきた」とされ、「このシノドスの道の歩みによって、教会は自らの経験を読み解き、交わりを生き、参加を実現し、キリストから託された使命を推進するための段階を特定することが可能になりました」と強調された。
そして、この歩みが、実際には(小教区、教区の)現地レベルから始まり、その後、国レベル、大陸レベルへと進んできた経緯を説明され、今回のシノドス総会が終了した今、最終文書とその内容を、再び、世界中の現地の教会に委ね、「この文書の内容を、識別力、創造性、そしてそれぞれの地域固有の文脈への敬意を持って実行するように」と世界の司教、教会に要請された。
*今総会の閉幕は”シノドスの道”の実施段階の始まり
教皇は、最終文書を「ペトロの後継者による通常の教導」の一部であり、その権威ある性質を尊重するように」求め、「最終文書は、教皇の真正な教えを実践する形を表しています… 新しい要素も含まれているが、2015年10月17日に私が『シノドスは、階層的な司牧を理解するための適切な解釈の枠組み』と述べた際に明らかにした内容に沿ったものです」と説明。その一方で、教皇は、この文書は「厳密には規範的なものでは在りません… それぞれの文脈に応じて異なる形で適用されるべき考察を促すものです」とも述べられた。
また、「世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会の閉幕は、シノドスの道の終わりを意味するものではない」ことを確認されたうえで、「今総会の閉幕は、実施段階の始まりを意味します。世界の現地の教会と組織・団体は、教会法および文書自体が規定する識別と意思決定のプロセスを通じて、文書に含まれる権威ある指示をさまざまな文脈において実施することが求めらているのです」と強調された。
*世界の司教たちに、アドリミナでの成果と課題の報告を求める
続けて教皇は、バチカンのシノドス事務局と各部署に、シノドスのビジョンの効果的な実施に取り組む世界の現地の教会を支援する任務を委ねられ、さらに、世界の司教たちに対し、「最終文書に示された指針に関して、自らの現地教会でなされた選択、直面した困難、達成された成果について報告し、バチカンへの定期訪問(アドリミナ)の際には、努力の成果と課題の両方を共有しながら進捗状況を報告する」ことを求められた。
そして、世界中の教会全体で合意が必要な特定の問題に対処するには時間が必要なことを認めつつ、世界の司教たちに「勇気、創造性、謙虚さをもってこの段階に臨むように」と促された。
*”シノドスの旅”には行動を伴う共通の言葉が必要
覚書の最後に教皇は、世界の信者たちに対して、”シノドスの旅”は「行動を伴う共通の言葉が必要」であることを思い起こさせ、「教会の『調和』である聖霊が、教会を刷新し、導き続け、キリストとの完全な交わりへと導いてくれるように」と願われた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)