(2024.11.28 Vatican News Devin Watkins)
教皇フランシスコは28日、教皇庁立神学委員会の総会に出席して神学者たちと会見され、「キリストを中心としたシノダリティ(共働性)の神学を発展」させるよう促された。
教皇は総会でのあいさつでの冒頭で、ニカイア公会議の信仰告白に光を当てる文書に関する神学委員会の取り組みを称賛され、2025年の聖年は「父と子は本質的に同一である」と明言するニカイア信条を策定した最初の公会議から1700年目にあたり、「このような文書は、聖年において、信者の信仰を育み、深める上で非常に貴重なものとなり、また、イエスの姿に基づいて、キリストの人間性からインスピレーションを得た新しい文化的・社会的パラダイムに役立つ洞察と考察を提供することができるでしょう」と語られた。
そして、この流れに沿って、キリストを研究の中心に据えつつ、常に共同体の神学を発展させるよう、神学者たちに求められ、「聖年は、キリストの顔を再発見する機会を提供しています… 神学者たちは使徒ヨハネが最後の晩餐でそうしたように、イエスの心に近づく必要があります… 主の心に近づくことで、皆さんの神学は源泉から汲み、教会と世界に実を結ぶでしょう」と注文を付けられた。
さらに、教皇は、「神学は、高等教育を受けていない人も含めて、すべての信者がキリストとの出会いを育めるようにすることを目指すべきです… イエスにおいて、私たちは神の顔を知り、同時に人間の顔も知り、それによって、私たちは御子における息子や娘であり、互いに兄弟姉妹であることを理解するのです… この兄弟関係において、特に紛争に苦しむ世界において、キリスト教徒が平和と正義を促進するよう導くべきです」と説かれた。
そのうえで教皇は、先のシノドス総会で、シノダリティ(共働性)について神学的側面から継続的な研究の必要が求められたことを思い起こされ、「教会の宣教目的に特に焦点を当てながら、シノダリティ(共働性)の教会論的側面を検討するように」と神学者たちに求められた。
そして、「今こそ、勇気をもって一歩を踏み出し、シノダリティ(共働性)に関する神学を発展させる時です。それは、シノドスの道の歩みを助け、励まし、支える神学的考察であり、ケリュグマに触発され、教会生活のあらゆる要素を巻き込んだ、より創造的で大胆な新しい宣教段階のために必要とされています」と強調された。
あいさつの最後に、教皇は、神学者たちに、日々取り組む重要な研究の中でも「ユーモアの感覚を失わないように… 聖霊は、喜びとユーモアの次元において私たちを助けてくださる方です」と語られた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)