・米カンザス州捜査局が州内4教区の聖職者188人の性的虐待容疑について中間報告(Crux)

(2023.1.12 Crux National Correspondent  John Lavenburg)

ニューヨーク発 – 米国中西部カンザス州の捜査局が6日、州内のカトリック聖職者による性的虐待に関する中間報告を発表した。それによると、同州の 4 つの教区におけるカトリック聖職者の未成年者に対する性的虐待容疑で188人の司祭について捜査、14人については30件の宣誓供述書を取り、州検察庁に送致した。

 報告では、捜査局はこれまで4年にわたる捜査で、性的虐待の被害に遭ったとされる被害者137人から聞き取りを行い、聖職者188人について、未成年に対する婦女暴行、男色、強制わいせつなどさまざまな形の犯罪行為を行った疑いがあることが特定された、としている。

 現在の捜査は、カンザスシティ大司教区のジョセフ・ナウマン大司教の要請を受けた同州のデレク・シュミット司法長官が、州捜査局に指示して2018年に始まったもの。大司教が州司法長官に捜査を求めたのは、大司教区が入手した教会関係資料の審査を独立法律事務所に求め、その結果、さらに調査が必要な 15 人の聖職者を特定したことによるもの。カンザス州には 4 つの教区ーカンザスシティ大司教区とサリナ、ドッジシティ、ウィチタの各教区ーがあり、州捜査局による捜査は、各司教の協力で進められた。

 報告に対して、カンザスシティ大司教区のジョセフ・ナウマン大司教が声明を出し、「聖職者の性的虐待の犠牲者が経験した心的外傷、報告書から明らか。心が張り裂ける思いだ」と全面的に謝罪。サリナ教区のジェラルド・ビンケ司教は声明で、「カンザス州の 4 人の司教全員を代表して、被害者、その家族、教会の信者、そしてカンザス州の すべてのカトリック 教会共同体に心からの謝罪を表明します」と述べた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年1月13日