・教皇、ドイツ司教団に”性的虐待問題”を公明正大に、正直に話し合うことを希望

(2021.6.24  Crux Cindy Woden

Bishop: Pope wants German Catholics to discuss issues openly, honestly

Pope Francis greets Bishop Georg Bätzing, president of the German bishops’ conference, during an audience at the Vatican June 24, 2021. Bätzing said he assured the pope that German Catholics do not want to split from the church. (Credit: CNS photo/Vatican Media.)

 ローマ発—ドイツ司教協議会会長のゲオルク・ベツィング司教が24日、バチカンで教皇フランシスコと会見。その後に発表した声明で、「ドイツの教会は自分の思い通りの道を行くことを望んでいない」ことを教皇に確認した、と述べた。

 声明でベツィング会長は、教皇との話し合いは、「ドイツにおける聖職者による性的虐待事件への対応といくつかの教区における”困難な状況”を中心に、ドイツの教会の現状に焦点を合わせて行われた」とし、性的虐待の被害申し立てへの対応に関する報告を近日中に発表することを明らかにしたうえで、 「教皇はドイツの教会の状況をよくご存じで、”緊張が克服”されることを希望された」と説明。

 また、ドイツの教会の「シノドスの旅」の状況について、教皇に詳細に説明し、「『ドイツの教会が自分の思い通りの道を進みたい』と考えているという噂は真実ではないことを明らかにした」と述べた。

 さらに、ドイツの司教団と全国信徒評議会による、暫定的な”シノドスの道”への取り組みの企画についての決定は、「国レベルの教会会議あるいは本会議と異なり、教会における権力、性道徳、聖職者生活、女性の役割になどのテーマを議論する決定でもなく、一部の人々に、ドイツのカトリック教徒たちが教会の手続きを無視し、分裂に向かってさえいる、との発言をもたらすものだった」と反省。

 「教皇は、私たちに”シノドスの道”を歩み続け、直面する問題について率直かつ正直に話し合い、教会の行動を変革するための勧告をまとめるように、求められ、同時に、2023年の全世界代表司教会議(シノドス)に至る準備に、すべての国のカトリック信徒が貢献するような”シノドスの旅”を助けるように、ドイツの教会にお求めになった」と述べた。

 そのうえで、会長は「私は、リンブルグ司教、そしてドイツ司教協議会の会長としての私の任務の遂行において、教皇に強く励まされた感じている。教皇が、ドイツの教会の状況をよく認識され、問題を言葉で表現される、バランスの取れた理解に感銘しました。教皇は、危機から脱出する私たちの国の教会の歩みに、同行してくださいます」と、教皇への感謝と期待を語った。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年6月25日