・フランスの司教団、性的虐待に関して”制度的責任”認める(VN)

French bishops kneel as a sign of penance during a ceremony in Lourdes for abuse victims性的虐待の被害者たちへの悔悛の祈りを捧げる祈るフランスの司教たち(ルルドで、(AFP or licensors)

(2021.11.6 Vatican News  Lisa Zengarini)

    聖職者による数千件に上る性的虐待 が独立委員会報告で明らかにされ大きく動揺するフランスの司教協議会は2日に始まったルルドでの秋の定例総会で、性的虐待に対する「教会の制度的責任」を公式に認めた。

*70年間に21万人を上回る虐待犠牲者

 同国の「教会における性的虐待に関する独立委員会(CIASE)」は先月初めに公表した調査報告書で、2020年までの70年間にフランスに住む少なくとも21万6000人が、司祭や修道者による性的虐待の犠牲となっていたことを明らかにしている。

*醜聞を隠蔽する体質が虐待の繰り返しを招いた

 フランス司教協議会(CEF)の議長、エリック・ド・ムーラン=ボーフォール大司教は5日の記者会見で、「総会に出席した司教たちはこの調査結果に動揺し、圧倒され、虐待を生んだ教会の”体系的性質”を認識しました。このような規模の性的虐待の犯罪は、単に個人が犯したものではなく、そうした行為を許し、被害の訴えが教区や司教団に報告されるのを阻む慣行によって、長期にわたって、再発を可能にしてしまったことを認めました」と説明。

*犠牲者の声に誠実に耳を傾ける

 さらに、議長は、「報告書で明らかにされた大規模な性的虐待の深刻さを認識したことは、そのまま『正義と賠償の義務』を果たすことを誓った、と言うことを意味します」と述べ、記者会見で説明に立ったヒューグ・ド・ウォイルモン神父は、「司教たちが、性的虐待に関して教会に問題を抱えているすべての人々に会い、耳を傾ける用意があります」と補足した。賠償など財政面では、すでに3月に司教、司祭、一般信徒などからの寄付を受け入れる特別補償基金を設立している。

 また、6日朝には総会に出席した司教たちが Notre-Dame-du-Rosaire Basilica聖堂の前庭で.性的虐待の犠牲者たちに悔悛の祈りを捧げた。

 今回の独立委員会の報告書を重視した教皇フランシスコは、CEF総会の開会に当たってメッセージを送り、司教たちに「信仰と希望をもって重荷を負うように。私もあなた方と共に負います」と励まされている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年11月7日