・バチカン敷地内の小神学校で性的虐待容疑の司祭2人が裁判所に出廷へ

(2020.10.11 カトリック・あい)

 CATHOLIC NEWS SERVICEが9日付けで報じたところによると、バチカンにある小神学校の2人の司祭が14日にバチカン刑事裁判所に出廷することになった。2人は同小神学校の生徒2人に対する性的虐待に関与した疑いで昨年秋に起訴されていた。

 この2人は、ガブリエレ・マルティネリ神父とエンリコ・ラディス神父。前者は、聖ピオ小神学校で教員を務めていた際、未成年の生徒に性的虐待を働いた疑いがもたれ、後者は同校の校長として、虐待を助長し、幇助した容疑がかけられている、という。虐待は2012年より前になされたとされている。

 小神学校は、イタリアのコモ教区が運営しているが、施設そのものはバチカンの敷地にあり、神学校に進むための教育を受けるために11歳から18歳の少年10人余りが宿舎に寝起きし、聖ペトロ大聖堂で教皇がささげるミサの侍者を務めている。

 この小神学校での性的虐待の情報は2013年から広まり始め、学校関係者とコモ教区によって調査が行われたが、十分な対応がなされないまま、マスコミで取り上げられ、2018年になってバチカンの担当部局が調査に入っていた。

 イタリアのテレビ番組「LeIene」には、被害者の1人、現在21歳になっているポーランド人の若者が登場し、13歳の時にローマに来て、司祭になることを希望して、小神学校に入ったが、リーダー格の年上の生徒が夜、彼の部屋にやって来て、ルームメイトのベッドに入り、性的虐待を繰り返した。その男は、2017年に司祭叙階したといい、現在コモ教区で働いている29歳のマルティネリ神父とされており、イタリアの警察当局も独自に調査している、という。

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2020年10月17日