・バチカンが聖職者に性的虐待された被害者の手紙を公開(VN)

Candles are lit during mass in a Church in FranceCandles are lit during mass in a Church in France  (AFP or licensors)

*「司祭たちが怖い、彼らに近づかれるのが怖い」

 聖職者から性的虐待を受けた被害者の手紙は、「同じような被害を受けて苦しんでいるすべての人に代わって、この手紙を書くことを決めました」と前置きして、「自分はここにいます。なぜなら、教会は私の母であり、教会が私を傷つけた時、教会も、けがを負っているからです」と述べ、「子供の時にこの偽善的な行為を経験した人は、成人した後の人生から、それを消すことは決してできないでしょう。一時は、それを忘れ、赦し、充実した人生を送ろうとするかもしれませんが、受けた傷は彼らの心にとどまり、消えることはありません」と訴えた。

 さらに、手紙の筆者は「性的虐待を受けた結果起こされた、心的外傷後ストレス障害、うつ病、不安神経症など、今も日々も続いている精神的な苦しみとの戦い」について説明した後、「私は司祭たちが怖い、彼らに近づかれるのが怖いのです」とも訴えた。

*「教会の傷がさらに深くならないように」「よい聖職者になって」

 そして、「傷や傷跡でいっぱいの教会を守って欲しい。教会の傷がさらに深くなり、新しい傷を負うのを放置しないでください」と求めた。

 また、神学生たちは「神に仕えるために、そして神を通して人々に仕えるために、神によって召された若くて強い人」であることを強調し、「カーペットの下にあるものを一掃しないでください。(注:ごみを)一掃して隠すとき、私たち自身が(注:性的虐待の加害者の)協力者になってしまう。真実を生きたいのなら、目を閉じることはできません!」と強調。「どうか、よい聖職者になってください」と強く願っている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2021年10月20日