・サクラメント教区も破産検討ー聖職者性的虐待訴訟急増で、カリフォルニア州だけで3教区目

Bishop Jaime Soto of Sacramento, Calif., speaks at the headquarters of the U.S. Conference of Catholic Bishops in Washington Jan. 17, 2018. On Aug. 7, 2020 (Credit: Tyler Orsburn/CNS.)

 (2023.2.28 Crux  National Correspondent John Lavenburg)

 ソト司教は教区のウエブサイトで、「破産にも費用がかかり、時間のかかるプロセスになる」が、破産が認められれば「破産裁判所の監督下ですべての性的虐待の当事者の訴えをまとめ、利用可能な教区の財産で基金を設置、可能な限り公平な形で賠償請求を解決する枠組みができる 」と説明。

 そのようなプロセスを踏むことが出来なければ、「最初の一人の裁判の対応で教区の資金が使い果たされ、被害を訴えている他の人たちへの補償財源は何も残らなくなる恐れがあります」と述べた。

 また司教は、正確な訴訟件数と賠償請求額はまだ完全に把握していないが、「すべての訴えに対して、可能な限り公平に解決することを約束します。 しかし、訴訟の件数の多さから、補償額が教区財産を上回る可能性があることは否定できない。破産を選択した場合も、どのような対応ができるか考えねばなりません」とも語った。

  カリフォルニア州では、州法2019年修正法で、昨年末まで3年間に限って、被害者が被害に遭った時期の制限なしに訴訟を起こすことが認められたことから、聖職者による性的虐待の訴えが急増。昨年12月にサンタローザ教区が、そして2月中旬にはサンディエゴ教区が破産申請の検討を表明しており、サクラメント教区はそれに次ぐもの。

 教区が抱えている性的虐待訴訟はサンタローザが130件以上、サンディエゴが約 400 件に上っているが、サンディエゴ教区の被害者弁護団は、先週、教区が「未成年性的虐待の訴訟増加を見越して、それ以前に、所有する不動産資産を小教区に不正に移転している」として追加の訴訟を起こした。移転資産の総額は 4 億 5000 万ドルを超えるとされているが、教区はそれを否定している。

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2023年3月1日