・アルゼンチンで元司教が、性的虐待で禁固4年半の有罪判決(Crux)

(2022.3.4 Crux  Rome Bureau Chief   Inés San Martín)

ローマ発–アルゼン​​チン・サルタ州オランの裁判所が4日、グスタボ・ザンチェッタ元司教に対し、2人の元神学生に継続的な性的虐待を犯したとして、4年6か月の禁固刑を言い渡した。

 パブロ・リベロ検事は、元司教を有罪とし、即時拘禁を求めるのに先立って、「被害者が被った被害の大きさについて判断することはできないが、我々には、正義を守る立場から社会に答える義務がある」と述べた。

 アルゼンチン北部のオラン教区の元司教であるザンチェッタは、被害者たちから性的迫害の訴えを受けた際、訴えの内容を否定する自分の主張を教皇フランシスコは支持してくれている、と”友情”を誇ってさえいた。

 ザンチェッタは2013年に教皇フランシスコによって司教に叙階され、オラン教区長に任命されたが、2017年に53歳で「健康上の理由」から辞任。その数か月後、教皇は、彼をバチカンの金融資産を管理する使徒座財産管理局(APSA)の評議員に任命していた。

 バチカンのスポークスマンは、ザンチェッタが、教皇庁入りした際、性的虐待を働いた、との申し立てを聞いていなかったが、翌年の2018年に、「性的違法行為」と「経済的不正行為」の両方で告訴されたことが公表された。2019年に教皇フランシスコはあるメディアとの会見で、「私が彼に辞任を求める前に、告発がありました。告発後、すぐに彼と告発者を呼んで、事情を説明させました」と語っていた。

 告訴状には、同性愛ポルノとザンチェッタの露骨な性的画像の存在を示す被告の電話が含まれおり、弁護側は、電話は盗聴されたもの、と主張したが、それがかえって疑惑を強める結果となり、教皇は被告に、教皇庁を離れ、帰国するよう言い渡した、という。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)
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2022年3月6日