(2022.3.4 カトリック・あい)
3月18日は日本のカトリック教会の「性虐待被害者のための祈りと償いの日」だが、菊地・東京大司教は4日、東京教区の教会、司祭、信徒に今年の方針について以下のメッセージを出した。菊地大司教が20日に東京カテドラル・関口教会で、祈りと償いのミサを奉げるととともに、各教会も18日ないし20日にミサを奉げるよう求めている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
東京教区の皆様
2022年「性虐待被害者のための祈りと償いの日」にあたって
四旬節の第二金曜日は、日本の教会における「性虐待被害者のための祈りと償いの日」と定められています。今年は3月18日(金)がその日となります。
この数年間、世界各地の教会において、聖職者による性虐待のケースが報告されるようになり、調査の結果、同様の事例が多数、過去にさかのぼって存在することが明らかになりました。加えて、聖職者によるそういった行為には、保護の対象である未成年者への性虐待行為もあることが明らかになりました。これは日本の教会も例外ではありません。さらには司教や修道会の責任者が、事実を隠蔽しようとした事例の報告も相次いでいます。
教皇様は、いのちの尊厳を守る立場から、これらの事実に目を背けることのないようにと指示をされ、世界中の教会が、この数年、対応のための制度を整えています。東京大司教区でも、すでに対応委員会や窓口を設けていますが、その制度をさらに整える努力を続けてまいります。
もちろん制度を整えたからと言ってすべてが解決するわけではありません。制度を正しくふさわしく運用するための啓発活動が必要ですし、さらに一番大切なことは、被害を受けられた方々の尊厳が回復されるために手を尽くすことであると思います。
いのちの尊厳を守るはずの聖職者がこのような正反対の行為をしたことに、心から謝罪いたします。これからも東京大司教区において、すべての人のいのちの尊厳を守るために、取り組んでいく決意を新たにいたします。
今年の「性虐待被害者のための祈りと償いの日」にあたり、東京大司教区では当日の3月18日(金)、またはその直後の3月20日(日)に、それぞれの教会において、教皇様の意向に合わせてミサを捧げるものとします。なおミサにあたっては、「ゆるしの奉献文」を使うものとします。
また3月20日(日)の関口教会10時のミサを大司教司式ミサとし、この意向で捧げます。
日本の司教団は昨年、「未成年者と弱い立場におかれている成人の保護のためのガイドライン」を改訂し、中央協議会のホームページで公開しています。このガイドラインは対象を「教会で宣教や司牧に携わるすべての人」、つまり司祭や修道者だけでなく、教会関連施設で奉仕するすべての職員やボランティアとしています。教会共同体のすべての方が、この問題を自分自身のこととして、ともに考え、祈り、行動してくださるようにお願いいたします。
なお、司教協議会会長としての呼びかけ文も、私の名前で公開されています。以下に掲載いたしますので、ご一読ください。
カトリック東京大司教区 大司教 菊地功
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・