・「児童ポルノ排除に全力を」「フランス教会の性的虐待発覚は”恥”」教皇、仏誌とのインタビューで(VN)

Pope FrancisPope Francis  (© Servizio Fotografico Vaticano)

(2021.11.11 Vatican News staff writer)

 教皇フランシスコはフランスの雑誌「パリマッチ」とのインタビューで、児童ポルノの制作に責任ある人々を非難するとともに、フランスの教会を大きく動揺させている聖職者による性的虐待スキャンダルに遺憾の意を表明した。

 インタビューで、世界中で氾濫している児童ポルノの問題について聞かれた教皇は、これらを制作している集団は、未成年の犠牲者に損害を与えるために「身を隠して自分たちを守るマフィアのように振る舞っている」と強く非難。このような卑劣な行為を排除するために、速やかに行動するよう、各国のこの問題の担当者に要請された。

 また、フランスの独立委員会報告で先日明らかにされた同国の聖職者による最近まで70年にわたる未成年者などに対する広範な性的虐待について、「恥ずべきこと」と言明された。

*新型コロナウイルス感染の危機への対応

 新型コロナウイルス感染の危機に対するカトリック教会の対応について聞かれた教皇は、バチカンの人間開発の部署に設けられたコロナ対策委員会をを中心に、「勇気と決意をもって、教会、様々な機関、ボランティアを巻き込み」精力的に活動して来た、とし、「具体的な大規模に進められた活動は、現在も続く世界的な危機に立ち向かうために欠かすことができない。教会と世界の将来を見据えて、取り組みを続けることが必要」と語られた。

*バチカンの課題

 また、教皇はインタビューの中で、バチカン改革を含めた、取り組みを続けるべき課題についても言及。「(2013年に)教皇に選ばれて以来、枢機卿などから提案された方策についても実現に努めてきたが、その全てが実現されたわけではない」として、バチカン改革を含む諸課題についてのさらなる取り組みについて意欲を示された。

*手術後の健康状態

 教皇は今夏、イタリア・ローマのジェメッリ大学病院で結腸憩室炎(けいしつえん)の手術を受けられたが、その後の体調について聞かれたのに対しては、「私は普通の生活を送っており、以前と同じペースで働くことができます」と強調された。

 このインタビューは、フランスの出版社Plon Publishing Houseが11月18日に刊行を予定するPourquoi eux” (Why them)に掲載される。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2021年11月12日