Candles of atonement are lit in solidarity with victims and survivors of sexual abuse (AFP or licensors
(2025.3.8 Vatican News)
アイルランドとポーランドのカトリック教会は、四旬節の最初の金曜日(今年は3月7日)に性的虐待の生存者と被害者のための祈りの日を記念する。
バチカンの「未成年者保護のための教皇庁委員会」は2016年に「性的虐待の生存者と被害者のための世界祈りの日」を制定。教皇フランシスコは、この祈りの取り組みを記念する適切な日を定めるよう(日本を含む)全世界の司教協議会に要請され、ポーランドとアイルランドの教会では、「虐待の生存者と被害者のための祈りの日」を四旬節の最初の金曜日(今年は3月7日)としている。
*アイルランドではろうそくが灯される
アイルランドの教会は、この祈りの日を2017年の3月から記念しており、今年は、国内のすべての小教区で祝福されたろうそくが灯され、「償い、悔い改め、そして闇の中の希望の光」の重要性を思い起こさせる。これらの「償いのろうそく」は、アイルランド中の大聖堂や教会に置かれる。
贖罪のろうそくの伝統は、2018年にダブリンで開催された第9回世界家族会議に教皇フランシスコが出席されたのを機に始まった。その会議の閉会ミサの中で、教皇は虐待犯罪に対する神の慈悲を懇願され、全カトリック教会を代表して主に赦しを求められた。灯されるろうそくには、「精神的な癒し、和解、平和への献身」の意志が込められている。
*ポーランドの教会が希望の集いの場となる
ポーランドの教会では、マタイによる福音書の一節が祈りの日の標語として使われている。ポーランド司教協議会の児童および青少年保護責任者であるヴォイチェフ・ポラク大司教は、この日を「被害者や生存者との連帯を表明する日として活用」するよう呼びかけた。
司教協議会は、被害者と共に祈りを捧げるために人々が集まるよう奨励する教会を指定しており、大司教は、これらの教会が被害者や生存者にとって「私たちがもたらしたいと願う、希望と出会いの場」となることを望んでいる、と述べた。
また、性的虐待による傷を負った人々の証言とともに、十字架の道行きについての考察も示している。
バチカンの未成年者保護のための教皇委員会は、公の祈りが「教会内で虐待に対する認識を高め、未成年者の保護に役立ち、将来の虐待を防止する必要性への注意を喚起するもの」として、世界のすべての信者に参加を呼びかけている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)