・豪で、先住民の若者たちへの性的虐待13件で元カトリック司教に有罪判決、後任司教が信徒に陳謝

(2026.8.13  Crux /AP)

    (2008年4月17日にシドニーで開かれた「世界青年の日」のメディア向けイベントで、ディジュリドゥを吹こうとするサンダース司教=写真提供:ロブ・グリフィス/AP通信)

 豪パース発 ― 西オーストラリア州地方裁判所の陪審が13日、酩酊状態で司教館でパーティーを開くことで知られていた前カトリック司教に対し、若い先住民男性たちへの性的虐待で有罪判決を下した。

 カトリック教会では長年にわたって聖職者による性的虐待が教会の信用を毀損する深刻な問題であり続けているが、サンダースは有罪判決を受けた豪州の聖職者で最高位の人物の一人となる。

 この前司教は、クリストファー・サンダース(76)で、有罪判決は、2008年から2019年にかけて同国北西部のブルーム教区で犯したとされる19件の性的虐待容疑のうち13件についてなされ、うち1件は不同意性交、12件はわいせつ・暴行。

 検察側によると、サンダースは、教会の資金で購入した酒とタバコを若い先住民男性たちに振る舞い、教会所有の司教館に誘い込んだ。その際のルールとして、男性客は全員シャツを脱がなければならないというものがあったという。

サンダースは1996年から2021年に辞任するまで、辺境の地にあるブルーム教区の司教・教区長だった。担当地域は広大だが、人口はわずか5万人で、カトリック教徒のほとんどは先住民。辞任は、警察が、本人の性的暴行疑惑に関する刑事捜査を終えたと発表した直後だった。

バチカンは2022年に独自の調査を開始し、翌年、200ページに及ぶ調査報告書を西オーストラリア州警察に提出した。警察は刑事捜査を再開し、2024年にサンダース氏を起訴した。

 バチカンの報告書の内容は公表されなかったが、豪州のセブン・ネットワーク・テレビのニュース番組にリークされ、「サンダースが先住民の若者4人に性的暴行を加えた可能性が高く、さらに67人の先住民の若者や男性を誘惑した可能性がある」と報じていた。

 カトリック教会やその他の機関による児童虐待への対応に関する豪州全国調査によると、1950年から2010年の間にカトリック司祭の7%が児童への性的虐待で告発されていた。

 これまで豪州の高位聖職者で一審で有罪判決を受けた人物には、聖歌隊の少年たちへの虐待でジョージ・ペル枢機卿と児童性的虐待の隠蔽のフィリップ・ウィルソン大司教がいるが、いずれも控訴審で無罪となっている。

後任司教が被害者・家族に陳謝

(2026.8.13   Vatican News)

 サンダース前司教が性的虐待で有罪判決を受けたことに対し、後任のブルーム教区長であるティモシー・ノートン司教は13日、声明を出し、サンダースに性的虐待された被害者や家族に陳謝し、傾聴、説明責任、そして希望を柱とする教区の刷新を約束した。

 サンダース前司教は、有罪判決を不服として控訴すると言われているが、ノートン司教はこの判決を認め、この事件を陪審裁判に付した豪州当局に感謝するとともに、「自らの真実を語る」ために名乗り出た被害者、その他の証人たちに敬意を表した。

 そして、「彼らは、長く困難な過程を通じて、並外れた回復力と献身を示しました。思いやりを持って耳を傾けられ、尊厳をもって扱われるに値する存在でした」と被害者たちを称え、彼らが耐えてきた傷と恥に対し、深い悲しみを表明した。そのうえで、ブルーム教区が今回の前司教による性的虐待の影響を受けた人々に「手を差し伸べ、希望と癒やしへと導くために可能な限りのことを行う」と誓った。

 またノートン司教は声明で、サンダースによる性的虐待被害が「警察や法廷で証言した人々だけにとどまらないこと」とし、「信頼は裏切られ、裏切りと分裂による傷が教区全体に露呈した… その傷は、私たちの指導部や教会に信頼を寄せていた人々にも及んでいる… 多くのカトリック信者、とりわけ教区や地域社会に奉仕してきた人々に対し、難しい問いと未解決の感情を残している」ことを認めた。

 さらに、教区指導部になぜこのような信徒の信頼を裏切る行為が起きたのかを理解しようと苦悩する地元のカトリック共同体の痛みを認めたうえで、「ブルームの大聖堂からキンバリー地方の最も辺鄙なコミュニティに至るまで、教区を『安全、尊重、説明責任』が確保された場所にすること」「教区がすべての人々が尊厳と思いやりをもって扱われるよう努め、たとえ常に互いに意見が一致しない場合でも、真摯で平和的な関係を築くこと」と誓った。

 そして、司教は、今後数か月で、教区全域の小教区共同体を訪問し、「信徒たちが、より思いやりのある未来へ向けた”シノドスの道”を共に歩む中で、悲しみに寄り添い、声に耳を傾ける機会にしたい」と述べた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2026年8月14日