・教皇訪問のフランスで、教会での性的虐待被害者約2000人が独立賠償機関に賠償を求め、既に支払い開始

(2026.9.23  Crux  Now シルヴィ・コルベ|AP)

  パリ発 ― 教皇訪問を前にしたフランスで22日、聖職者やその他の教会関係者から性的虐待をされたとする約2000人が、数十年にわたる虐待問題に対処するために設立された独立国家承認賠償機関(INIRR)に対して、教会に賠償を求める訴えを起こしていることが報告書で明らかになった。

 報告書はまた、教会関係者による「組織的な」隠蔽工作を指摘し、フランスのカトリック教会に対し、「法の支配」を尊重するよう求めている。

 報告書によると、INIRRはこれまでに、カトリック教会に対し、金銭的あるいはその他の賠償を認める決定を1184件以上、出しており、さらに数百件のケースが決定待ちの状態だ。

 昨年の段階でINIRRに連絡を取った人々の平均年齢は56歳で、約3分の2が男性、3分の1が女性だった。

 賠償が妥当との決定が下されると、請求者は性的虐待の訴えを正式に認められ、金銭的な補償の詳細を記載した「認定書」を受け取る。

 INIRRが申請者が性的虐待を受け、金銭的補償が妥当と認定すると、フランスのカトリック教会が出資する特別基金から賠償金が支払われるが、その額は、1人平均3万6892ユーロ(約664万円)に上っている。

  金銭賠償の他、被害者からは、金銭賠償の他に、自らの体験を書き留めるための支援、地元の教会関係者との会合の開催、被害者を追悼する銘板の設置などが要望されている。

 34歳のセシル・ルノーメは、幼い頃にカトリック教会の指導者(その後死亡)から虐待を受け、INIRRから認定書を受け取り、教会から賠償金を受け取った。「認定書を読んでみると、『教会は具体的な過失を認めます』と書いてあった。これは、かつては話すことさえできなかった幼い少女の時の証言が、ついに信じてもらえたことを意味します。幼い頃に私に起こった出来事に、重みと信憑性が与えられたのです」と語った。

 8歳から14歳まで、司祭に性的暴行を受け続けたという現在55歳のエリックは、「評価されているのは私自身ではないし、私が経験した苦しみに値段をつけることでもない、ということを理解するのに時間がかかりました。なぜなら、子供時代に値段をつけることはできないからです」と言う。

 フィリップ・ゴメスは現在52歳。催眠療法を受けたことで、7歳から12歳まで2人の司祭から性的虐待を受けていたことを思い出した。被害者は、トラウマとなる出来事のために、記憶を完全に、あるいは部分的に失うことがあるのだ。「INIRRに連絡を取ったところ、本当に驚きました。最初に言われたのは『あなたの言うことを信じます』という言葉だったからです」と語った。「現在受けているセラピーのおかげで、泣かずにレイプされたと話せるようになった。私は恥じていない。恥じるべきは私ではない」と言う

 

 INIRRは8月31日に新規の賠償請求の受付を終了したが、来年末まで被害者への支援を継続することが決まっており、さらに、教会内における性暴力の被害者に対する修復的司法、長期的な指導、支援に重点を置く、恒久的な組織に改められることが計画されている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2026年9月25日