(2025.6.4 =6.10訂正 カトリック・あい)
東京在住のカトリックの女性信徒に繰り返し性的暴行をしたとされる会員司祭(当時)が所属していた修道会の神言会日本管区に対して損害賠償を求める裁判の9回目が4日午後4時から、東京地方裁判所第615号法廷で行われ,司祭、修道女、一般信徒など約50人が傍聴した。前回のNHKに引き続き、今回はTBSの映像取材が、裁判後の説明会・支援者集会も含めて行われた。
この日、原告側は新たに提出した準備書面で、神言会から入手した会員司祭の行為に関する報告書をもとに10項目以上にわたる同修道会の不法行為を指摘。被告神言会の代理人弁護士からは、準備書面を読み込む時間が無かったことなどを理由に反論はなかった。次回裁判は7月23日午前11時から、次々回は10月1日午後4時からそれぞれ、同じ法廷で開かれる予定。
なお、4日の裁判の準備書面で、神言会が作成した会員司祭(当時)に関して2018年以降にまとめて来た報告書をもとに、原告代理人弁護士が指摘した主な内容として、裁判後の支援者集会で説明された内容を整理すると、次の通りとなる。
①問題の会員司祭は、被害者の訴えをもとに、神言会の日本管区の責任者が繰り返し問うても、訴えの性的加害について「やっていない」と絶対に認めようとせず、そればかりか、被害者の妄想とまで言った。
②このままでは、逮捕されたり、民事訴訟になるかも知れないので、出身国のチリに返すしかない、と100万円を与えて出国させた
③これと前後して、本人は自分から神言会を退会し、司祭職も停止されていたが、2020年に日本に再入国し、信徒の女性と結婚して、日本で暮らし、同年10月にはその女性から神言会の日本管区にその旨の報告があった。だが、同管区は、原告被害者とその代理人弁護士には「本人はまだチリにいる」と言い続け、再三の追求に、「2020年7月に、再入国を初めて知った」と認めたものの、居住場所については「知らない」と言い続けた。昨年からの裁判の過程で、被告・神言会の代理人弁護士が、ようやく”首都圏”に本人がいることを認めたが、具体的な住所、連絡先は明らかにしないままになっている。
原告代理人弁護士は、以上について、「神言会自身がまとめた報告書で、事実上、不法行為を重ねてきたことを認めた形になっている。なぜ、このような加害者を、修道会が守ろうとしているのか。真実を認めることを恐れている、としか言いようがない」と述べ、来春の結審を前提に、これまで法廷に一度も顔を出したことのない神言会の代表者、そして加害者の元会員司祭を証人として出廷させたい、としている。