(2026.9.1 カトリック・あい)
聖職者による性的虐待で深い傷を負った女性信者が加害司祭(当時)が所属していた神言会に損害賠償を求める裁判の第16回が、9月7日午前11時から東京地裁第606号法廷で開かれる。裁判に続いて、地裁隣の弁護士会館509号室で原告被害者と弁護人による報告会と支援者集会が予定されている。
第17回の裁判は10月1日午後3時から同法廷で開かれるが、裁判長はこれまでに「判決を遅くとも来年3月に出すことを前提に、証人訊問は10月ないし11月に行い、できる限り今年12月に結審したい」と異例のスケジュール公開をしており、2023年1月に始まった長期にわたる神言会裁判は大詰めを迎える。
前回7月の裁判では原告・被害者を支援する会のメンバーなど30人以上の傍聴人を前に、原告側弁護人は民法だけでなく教会法の見地も合わせて、①加害司祭を叙階した司教と、司教に叙階を進言した神言会の責任②「告解(赦しの秘跡)」を悪用し、信徒を性的虐待するという危機に陥らせた司祭に対する注意務違反—を損害賠償を求める根拠に加える主張を、準備書面を通して行った。
教会法との関係を取り上げたことについて裁判長から問われた原告弁護人は、「これまで被告側は『教区と修道会は異なる』として、神言会の賠償責任を回避してきたが、神言会所属の加害司祭の叙階は、教会法に基づいて司教が行うなど、教会法上からも”分離論”は通らない」と説明。そのうえで、①信徒は自らの信仰を守る権利(債権)があり、司祭はそうした信徒を正しく導く責任(債務)をもつことが教会法上の定めであり、これは民法上の『債権債務』の関係となる②「告解で得た知識を、告白した信徒に不利益を与えるやり方で使用することは絶対的に禁止する」という教会法の定めに反した加害司祭の行為を放置した神言会の対応は、労働契約法や労働安全衛生法の「安全配慮義務違反」に相当する—と主張している。