・性的虐待疑惑のインドの司教が、独・ミュンスター教区から訪問禁止に(Crux)

  ドイツ、オルデンブルクのエッセンにある聖バルトロメウス教会。(写真提供:ウィキメディア)

 

(2025.6.25  Crux  Contributor   Nirmala Carvalho)

Bishop in India barred from visiting Germany due to abuse allegations

   ムンバイ発 ― インドの司教が、性的虐待疑惑を理由にドイツの教区への訪問を禁止された。 ザ・ニュース・ミニッツ(TNM)が25日までに伝えたところによると、ミュンスター教区によるこの決定は、3月にクマール司教が2005年から2007年にかけて性的虐待を行ったとされる事件に関する被害者からの告訴を受けて行われた、という。

 この司教は、ナルゴンダ教区のカルナム・ダマン・クマール司教。サレジオ会の会員だ。以前司祭を務めていたドイツの教区を再訪する予定を立てていたが、4月17日に、ミュンスター教区から「追って通知があるまで、同教区内での司祭としての活動を禁止する」との連絡を受けた。

 クマール司教は、2024年2月に教皇フランシスコからナルゴンダ司教に任命された。当時、彼はドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州にある独立都市ミュンスターの教区司祭を務めていたが、同教区の複数の教会でチャプレンをしていた際、性的虐待疑惑が起きた

 ミュンスター教区では司祭による性的虐待問題の担当者が、ミュンスター地方検察庁にも報告書を提出しており、同検察庁の広報担当官は、この告発を確認し、TNMの取材に「捜査が進行中だ」とし、「問題の申し立ては相当以前に発生したとされているため、刑事犯罪が既に時効になっているかどうかも調査する必要がある」と説明。具体的な捜査を開始するかどうかの判断は、調査結果を待って行う方針という。

 クマール司教は、2001年から2012年までミュンスター教区に勤務し、その後インドでの様々な任務を経て、2017年から2020年まで再びミュンスター教区で司祭を務めた後、2020年にオルデンブルクの聖バルトロメウス教区に異動した。

 ミュンスター教区は声明で、教皇フランシスコが2019年に公布した「カトリック教会における性的虐待の報告に関する規則」に基づき、「申し立てがあった教区は、バチカンの担当機関である教理省に報告する義務がある」と述べている。また、「被告の居住地を管轄する首都大司教にも通知する義務がある。ナルゴンダの司教の場合、通知先はハイデラバード大司教のアンソニー・プーラ枢機卿であり、ミュンスター教区はこれらの義務を果たした。プーラ枢機卿は、教理省に対し、この事件の調査を開始するよう要請する必要がある」と述べている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2025年6月26日