(2024.10.28 Crux Senior Correspondent Elise Ann Allen)
ローマ発 – ペルーを拠点とする団体から最近除名された神父が性的虐待の疑惑を否定したことを受け、元団体のメンバー2人が、「神父は虐待を行っただけでなく、児童ポルノの隠蔽工作で司法妨害も行った」と語った。
ハイメ・バートル神父は、ペルー在住の信徒ルイス・フェルナンド・フィガリ氏を含む15人のメンバーとともに、過去2か月間でペルーを拠点とするSodalitium Christianae Vitae(SCV)から除名された。
バチカンは1年以上にわたり、Sodalitium Christianae Vitae(SCV)に対する徹底的な調査を実施してきた。SCVは過去10年にわたり、未成年者に対する性的虐待や財務上の不正行為など、さまざまな虐待疑惑が取り沙汰される中、さまざまな改革に取り組んできた。
バートルとSCVの同僚フアン・カルロス・レンは、木曜日にSCVから共同で除名された。バチカン大使館からの声明では、SCVの事業体および組織内での「不適切かつ違法」な資金活動と、性的虐待の疑惑が1件指摘された。
これに対し、2人はリマのバチカン大使館に公証人の証明付きの書簡を送り、性的虐待の申し立ては「完全に虚偽である」と述べ、また「虚偽かつ中傷的」な情報が含まれているとして、声明の訂正を求めた。
しかし、この虐待行為の被害者とされる人物は、Crux誌の取材に対し、その事実を認めただけでなく、「虐待行為自体はバートル神父が霊的指導者として行ったものであり、SCVは一度もそれを認めていない」と語った。最終的に調査委員会は、その虐待行為は「ありそうもない」と判断した。
1978年から2008年まで様々な形でSCVのメンバーであったマーティン・シューク氏は、先月10人のメンバーの1人として除名された自身の兄弟エルヴィン・ショイヒ氏とともに、Cruxの取材に対し、16歳の時にバートル神父から「霊的指導として、服を脱ぎ、椅子を使って性的行為を行うよう命じられた」と語った。
彼はその約1年前にSCVに参加し、神聖さを高め、最終的にはグループのメンバーになる希望から、バートルの霊的指導を受けるようになっていた。1979年の霊的指導のセッションで、「バートルは私に服を脱ぐよう、2度命じた。なぜなら、最初は自分が聞いたことを疑い、そうすることをためらったからです」と彼は語った。
シューク氏は、最終的にその命令に従い服を脱いだと言います。「なぜなら、私はバートルを精神的な指導者として信頼しており、『彼がやっていることは、私のためになることだ』と信じていたからです… しかも、彼は、下着を脱ぐように命じました。下着を着けたままでも、命令に従っているつもりだったのです」と言った。
そして、完全に裸になった後、バートルは彼に部屋の反対側にある大きな椅子を「犯せ」と命じた、という。それを聞いて「最初は自分が何を命じられているのか信じられず、自分には馬鹿げたことのように思えた」が、バーテルが2度目に命じたとき、「従いました。背もたれに自分のあごが届くまで体を後ろに倒し、背もたれと座面の間の隙間に自分の[陰茎]を通しました。性交がどんなものなのかを真似しようと、不器用に何度か動いてみました。性交の経験などこれまでの人生で一度もありませんでしたから。ただ、不快感から動きが不自然になり、身体が硬直してしまい、バートルの命令通りにすることはできませんでした」。
エロティックというよりも「性的なリビドーを抑制するもの」と表現したこのエピソードは、1分も続かなかった、とシューク氏は言う。その後、再び服を着るように言われた。バートルは「性的な優位に立とうとはしなかった」が、その間、彼は部屋の向こう側に座り、顔に手を当てながら、目線をそらしながら、居心地が悪そうにしていた、という。
シューク氏によると、その命令を出す前に、2人の会話が途切れたため、バーテルは彼に待つように言い、その間にGermán Doig修道院長(当時=現在は故人)に話した。院長も未成年者への性的虐待の容疑で告発されている。部屋に戻ってから、バートルは、会話が行き詰まった理由は、「過去のトラウマに関連する『内面の障壁』が多すぎたからで、それらの障壁を打ち破る必要がある」と告げたという。
服を着直した後、シューク氏は「内なる暴力を受けたと感じた」と語った。「当時、私はこれを悪いことや非難されるべきこととは考えませんでした。なぜなら、ソダリティウムでは、自分自身や他人に対する心理的暴力を正常なこととして受け入れるよう精神的に訓練されていたからです」と述べた。
そして、「年月が経って、世の中をより良く知るようになり、現実と向き合うようになって初めて、過去の特定の経験を『虐待』として認識するようになった。同時に、そうした経験が自分の精神に与えたダメージにも気づくようになりました」と語った。「ほかの機会にも、同じことが起こりました。誰からも強制されたわけではありませんが、『霊的指導者』の言いなりになっていたのです」。
シューク氏によると、SCVの虐待を調査する任務を負った正義と和解のための倫理委員会は、当初は、この事件に関する彼の告発を信憑性のあるものと判断していたが、2回目の委員会では「信憑性がない」と判断した。SCVの過去2人の総長も、この事件を「信じがたいもの」と判断して、まともに対応しなかった。そして、現在のホセ・ダビッド・コロア総長は、シューク氏の主張の信憑性を疑いながらも、他の被害者が過去に受け取った金額よりも高いドル建ての補償金を提示した。
「バートルは、私の話を専門家たちが『信憑性がない』と判断したことを喜んでいるでしょう。しかし、その喜びは脆く儚いものです。なぜなら、もし彼がまだアルツハイマー病になっていないなら、起こした出来事の記憶は墓場まで彼に付きまとうことになるからです」とシューク氏は断言する。
この一件に加え、バートルは、2007年10月に半裸の子供とホテルにいたところを警察に発見され、また、(それを撮影したと思われる)デジタルカメラを所持していたとして逮捕された元SCVメンバーのダニエル・マルギア・ウォードによる虐待を隠蔽したとして告発されている。警察に没収されたそのカメラには、その未成年者と他の2人の露骨な写真が入っていました。
マルギアはリマで逮捕されたものの、当時、サンティアゴ・デ・チリのSCVのコミュニティハウスに住んでいた。Cruxの取材に対し、当時マルギアと同じチリのコミュニティハウスに住んでいた元SCVメンバーのレンゾ・オルベゴソ・ベンベヌート氏は、「ムルギアはコミュニティを出ることを考えていたが、バートル神父から『ムルギアの不祥事の騒動が収まるまで待つ』ように言われたのです」と語った。