・バチカン報道局、性的虐待の著名芸術家・司祭、ルプニク氏の無罪判決の”噂”を否定

(2026.7.22  Crux Editor クリストファー・R・アルティエリ)

 バチカン報道局が22日、声明を発表、著名な芸術家兼司祭の元イエズス会士、マルコ・ルプニク神父の教会裁判で判決が下されたという噂を否定した。失脚した聖職者の無罪判決の噂がローマで広まり始めていたのを受けたものだ。

 声明で報道局は、「マルコ・イヴァン・ルプニク神父の事件を担当する裁判官による審議に関する報道は、全く根拠のないものだ」と言明した。声明は、ルプニク神父を告発した5人の弁護士が21日に、教会による事件解決に向けた取り組みを痛烈に批判し、手続き上の不備や不透明な情報開示を訴えたわずか1日後に発表された。

 ルプニクの性的虐待被害者たちは、この人物に正義が下されるのを何年も、中には数十年も待ち続けている。しかし、ルプニクはバチカン当局から極めて寛大な扱いを受け、危うく完全に法の裁きを免れるところだった。

 原告被害者の弁護人ローラ・スグロ氏はCrux Nowの取材に応じ21日に発表した書簡は依頼人の要請に基づいて作成したものだ、とし、「私自身も原告被害者も、裁判が始まっていることすら正式に知らされたことは一度もなく、訴訟手続きがどの程度進んでいるのかも知らされていない」とバチカンの法務当局への不信を露わにした。

 これに対し、バチカン報道局は声明で、「この件の評価は現在も進行中だ。裁判官団は現在、関係する教区、イエズス会、利害関係者、そして報道機関から寄せられた文書を精査している」と述べている。

 また、教会法に基づいて行われているこの手続きの秘密性が、その手続きの遅さと、ほぼ完全な不透明性から、関係者の間で激しい批判の対象となっているが、声明は「審理期間中は、進行中の作業に関する情報をいかなる形でも共有してはならない、とされている」とし、秘密保持の理由について、「手続きそのものへの敬意と、ここ数日のように関係者にさらなる苦痛を与えることを避けるためだ」と説明。

 さらに、「秘密保持は、あらゆる司法手続きと同様だ」と述べているが、バチカン市国における刑事裁判(厳密には別の「民事」管轄区域)は、長年にわたり公開されており、この説明は正確さを欠いている。その一例が、汚職と横領の容疑で起訴されたジョヴァンニ・アンジェロ・ベッチウ枢機卿の注目度の高い公開裁判だ。枢機卿は2021年に初めて裁判にかけられ有罪判決を受けたが、無罪を主張して、控訴し、控訴審が大きな進展を見せている。バチカンは枢機卿に対する具体的な告発内容を公表し、証人たちは公の場で証言し、適格とされたジャーナリストたちが審理の様子を取材ている。

 また、2021年から2024年にかけてバチカン市国の刑事裁判所で行われた、ガブリエレ・マルティネッリ神父とエンリコ・ラディーチェ神父の虐待および関連犯罪の容疑に関する裁判も、ジャーナリストによって広く報道された。マルティネッリ神父は検察側が提示したものより軽い有罪判決を受け、ラディーチェ神父は無罪となった。

 教会の司法制度で活動する刑事弁護士、刑事司法の専門家、そして改革推進者たちは皆、「教会法に基づく裁判が実質的に公開されない理由は、原則として何もない」と主張している。

 教会法における裁判は、往々にして極めて時間がかかり、意図的に秘密裏に進められることで知られているが、原告、被告の代理人弁護士は通常、少なくともある程度は裁判手続きにアクセスできる。だが、スグロ弁護士によると、「ルプニク神父の裁判では、原告たちは証言を求められておらず、事件を担当する裁判官の名前も原告側に知らされていない。原告が訴訟手続きにおいて被害者として認められるよう申し立てた件に関する裁判官の判断すらまだ受け取っていない」という。

 同弁護士は、「これらは、30年以上前に初めて虐待を報告した被害者に関わる刑事訴訟に関する、いくつかの基本的かつ根本的な問題だ」と指摘するが、バチカン報道局は声明で「さらなる情報が必要と判断した場合、必要な情報を入手するために自らの権限を行使するのは、自身の責任になる」としか説明していない。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2026年7月27日