(2025.4.17 Crux staff)

ローマ 発– イタリアの司祭が、未成年者に対する加重性的暴行の容疑で国家憲兵隊に逮捕され、自宅待機措置が取られていることが明らかになった。2011年から2013年にかけてなされたとされる他の教会での少なくとも5件の虐待容疑も持たれている。
問題の司祭はチロ・パニガラ神父(48)で、逮捕は、北イタリア・ブレシア教区の小教区司祭を今年初めに解任された後に行われた。解任は、15歳の少年が、パニガラによる「不適切な注意」と表現したことを地元の学校の教師に報告したのを受けて行われた。
現地メディアによると、パニガラは少年を徹夜の青少年イベントに招き、その後、寒さを理由に、自分のベッドで共に夜を過ごすよう少年を誘った、という。
逮捕は、性的虐待被害者の活動家たちが、フランスやドイツなど他の欧州諸国ですでに行われている、聖職者による虐待に関する体系的な調査・研究に取り組むよう、イタリアのカトリック教会に圧力をかけている最中に起きた。
イタリアの司教団が全体として性的虐待問題への取り組みに消極姿勢を続ける中で、オーストリアとの国境にあるイタリア最北端のボルツァーノ・ブリクセン教区は今年1月、教区が設立された1964年から2023年までの期間を対象とした独自のより広範な調査結果を発表。
67件の虐待の可能性のある状況を特定し、うち53件は信用に足る証拠に裏打ちされていると判断した。これらの事件には41人の司祭が関与しており、これは調査対象となった約60年間に教区で奉仕した全聖職者の4.1%にあたることが明らかになった。この調査をまとめた担当者は、「被害者が声を上げるまでに何十年も待つことが多い。今回の調査結果はおそらく『氷山の一角』を明らかにしたに過ぎず、隠れたケースが多数ある」と述べた。
イタリアの性的虐待被害者を代表する活動家たちは、イタリア司教協議会に対し、全国レベルで、ボルツァーノ・ブリクセン教区に倣うよう求めている。このような経緯もあり、今回の司祭逮捕が、イタリアのカトリック教会が「対応を2020年から2022年の期間に限定する」と主張してきた過去の聖職者による性的虐待事件について、包括的な全国的な見直しを行うよう求める動きが広がる可能性がある。