
(2025.6.17 カトリック・あい)
アイルランドのカトリック教会における子どもの保護に関する委員会(NBSCCCI)が10日、2024年度の年次報告書を発表した。
報告書によると、2024年4月1日から2025年3月31日までの期間に、委員会に通知された性的虐待の申し立て件数は、前回の2023年度報告の252件から、385件と1.5倍に増え、2009年に毎年この数字を発表するようになって以来の最多となった。
申し立て385件の加害者は376人で、内訳は男子修道者318人、教区司祭39人、女子修道者16人、所属不明の男性3人。
39人の教区司祭のうち、20人がすでに死亡、3人が司祭をやめ、3人が服役中、4人が聖職を離れ、4人が謹慎中、1人がそのまま聖職を継続、4人が所属不明となっている。
男女修道者、所属不明の334人のうち、221人が死亡、5人が休職、5人が現役のまま、31人が服役中、21人が謹慎中、12人が教会を去り、17人が聖職を離れ、22人が身分不明だ。
申し立てのあった385件の被害者が実際に虐待に遭った時期は、282件が1960年から1989年。2000年以降は2件だ。残りは、時期が特定できていない。
報告書は、「子ども時代に何らかの虐待を受けた人たちにとって、これは非常に困難な行為であることは間違いないが、長年耐えてきたトラウマに正面から取り組み始めることができるのは良いことだ」と評価。報告書作成に携わってくれた人々に感謝を表明している。
また今回の報告書は、アイルランドのカトリック教会が2016年に児童保護方針を発表して以来、教区と修道会を対象に続けてきたもので、今回が最後となるが、NBSCCCIは、各教区、修道会が今年末までに、現在の教会の3つの基準の下での実践を見直すプロセスを開始することを期待。子どもたちと共にある教会が安全で歓迎される場となるのを保証するものとなるよう求めている。