・「性的虐待に関する教会法関係法令は改訂後うまく機能していると思うが、苦い過去の教訓から学び続ける必要」バチカンの法制省長官が語る

Archbishop Filippo Iannone, Prefect of the Dicastery for Legislative Texts  (Vatican Media)

Q: 破門の免除が認められる可能性があるのはどのような場合ですか? これには迅速な手続きがありますか? 誰が関与していますか?

 

長官:教会法で譴責の一つとされている破門は、洗礼を受けた人が罪を犯し(聖体の冒涜、異端、分裂、中絶、司祭による告解の封印の侵害など)、反抗的(つまり不従順)な場合、その状態がなくなり、赦免されるまで、特定の霊的財産を剥奪する刑罰です。この刑罰によって個人から剥奪される霊的財産、またはそれに付随する財産は、キリスト教生活に必要なものであり、それは主に秘跡です。

破門は厳密に「治療」が目的- 影響を受けた人の回復と精神的治癒を目的としており、悔い改めれば、剥奪された財産を再び受け取ることができます(「魂の救済」は教会の最高法規です)。ですから、赦免を得るには、この目的が達成されたことを証明する必要があります。具体的な期限は設定されていません。必要な条件は、犯罪を犯した者が真に悔い改め、引き起こされたスキャンダルや被害者の損害に対して十分な賠償を行ったか、少なくともそのような賠償を行うことを誠意をもって約束していることです。明らかに、これらの状況の評価は、刑罰の免除を認める責任をもつ当局が、その人の善良な性格とそのような決定の社会的影響を考慮しながら、司牧の精神をもって行わねばなりません。

Q: ここ数週間、いくつかのメディア記事で、留保犯罪に対する教会法上の手続きに関してさまざまな解釈が提示されています。これらの手続きとは何であり、どのように適用されるのかを説明していただけますか?

 

長官:私たちが扱っているのは、信仰や道徳の問題における重大性のため、教理省によってのみ裁かれる犯罪です。省が従う手続きには、いわゆる「行政手続き」と「司法手続き」の 2 種類があります。

行政手続きの場合、手続きが法廷外の刑罰判決で終了すると、有罪判決を受けた個人は、同じ省内に特別に設置された控訴審査機関に判決を控訴することができます。この機関による判決は最終的なものとなります。

司法刑事手続きの場合、裁判のさまざまな段階が完了すると、判決は確定(res iudicata)となり、執行可能になります。

どちらの場合も、有罪判決を受けた人は、教理省に「resitutio in integrum(原状回復)」を要請できます。また、「恩赦」という形での再審を要請することも可能です。この場合、手続きは通常、使徒座署名院最高裁判所によって処理されますが、他の機関に委託されることもあります。このようなやり取りは機密性が高いため、国務省がさまざまな事例を調整し、採択された措置の実施に関する関連決定を送付します。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2024年10月20日