(2023.11.25 Vatican News Lisa Zengarini)
11月25日は国連が定めた「女性と少女に対する暴力をなくすための国際デー」だが、教皇フランシスコは同日、X(旧ツイッター)への投稿で、「女性に対する暴力は、私たちの社会を悩ませる有毒な雑草。その根っこから引き抜かれなければなりません」と訴え、根絶のために、すべての人の尊厳を中心に置く教育的な措置をとるよう、世界の人々に呼び掛けられた。
教皇は 「毒草は、偏見と不正義の土壌で育ちます。 こうした問題には、その人をその尊厳とともに中心に据える教育的措置で対抗しなければならない」と述べられた。
女性と少女たちへの 暴力を防ぐ世界的な行動を呼びかける この国際デーは、国連総会の決議により、1981 年から毎年開かれている。16 日間の世界的な活動の始まりを示すこの記念日は、意識を高め、権利擁護を促進し、課題や課題について議論する機会を設けるための世界的な行動を呼びかけている。
女性と少女に対する暴力は、依然として世界で最も蔓延し、蔓延している人権侵害の 1 つだ。 それは家族内で行われることも多く、11分ごとに女性がパートナーや家族によって殺害されているといわれる。 国連の最新データによると、世界中で7億人を超える女性(ほぼ3人に1人)が、生涯に少なくとも一度は身体的、あるいは性的な関係にあるなパートナーからの暴力、パートナー以外の性的暴力、またはその両方を受けている。
この現象は職場やSNSによる仮想空間などさまざまな環境で激化しており、新型コロナの世界的大感染、世界各地で頻発する紛争、気候変動によってさらに悪化している。 女性と少女は、性暴力が戦争の武器として利用され、武力紛争の中で難民キャンプで特に弱い立場に置かれている。
「性暴力との戦いは、家庭や教会内の問題への認識から始まる」バチカン「いのち・信徒・家庭省」長官も声明
バチカンの「いのち・信徒・家庭省」のケビン・ファレル長官は25日発表して声明で、性暴力と闘い、予防し、被害者に支援を提供するカトリック教会の取り組みの必要を改めて強調。 「教会には、暴力や搾取の被害者である女性に寄り添い続ける使命がある。具体的には、暴力の被害者に安全な住居を提供することから、精神的、精神的な支援に至るまで、さまざまな方法を取らればなりません。被害者自身がトラウマを克服し、虐待を報告できるよう支援する必要があります」 と、世界の教会関係者に要請した。
またファレル長官は、重要な対応の一つは、女性を尊厳を大切にする教育にある、として、「それは家庭やキリスト教共同体内の問題を認識することから始まります。感情、愛情、他者への敬意、そして何よりも自分自身の人生について人々を教育することは、女性に対する暴力を防ぐために非常に必要であり、福音に強く深く根ざしている」と強調。世界中のすべての教会に対し、「家族、若者、婚約中のカップル、地域社会に女性に対する暴力を防止することを目的とした教育経路を提供する」行動を起こすよう促し、「これは司牧の責任であり、『平和の手段』となるという教会の使命です」と結論づけた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)