・教皇、枢機卿顧問会議を8か月ぶり召集「バチカン改革の新使徒憲章は”先行実施”」

 

Archive image of Pope Francis and the Council of CardinalsArchive image of Pope Francis and the Council of Cardinals  (© Vatican Media)

    教皇フランシスコと枢機卿顧問会議(C6)メンバーのオンライン会合が13日午後、開かれ、教皇が進めるバチカン改革の目玉とされている新使徒憲章『Praedicate Evangelium』の実施について協議した。

  新使徒憲章は、現在のバチカンの組織・運営体制を規定している使徒憲章Pastor Bonus』(聖ヨハネ・パウロ二世発布)に代わるもの。草案は1年以上前に完成したが、世界各国の司教協議会、特定の修道会の総長たちや神学者たちから追加提案を受けたい、という教皇の意向から、改めてそうした提案を反映する形で修正され、今年春から夏にかけての発表が見込まれていた。

 だが、新型コロナウイルスの世界的大感染の影響を受け、枢機卿顧問会議も2月の会合以後、中断し、最終草案のとりまとめ、それを受けた教皇による署名が大幅に遅れているが、新使徒憲章を基にバチカン改革を急ぐ必要がある、との教皇の判断から、顧問会議は実際に顔を合わせる必要のないオンライン会合の形で8か月ぶりの開催となった。

 バチカン報道官の声明によると、会合は、バチカンのサンタマルタの家の教皇執務室を拠点に行われ、新憲章のいくつかの側面について話し合った。「夏の間、枢機卿顧問会議は、インターネットを使って、教皇に提出された新使徒憲章の最新草案の取りまとめについて作業をした。通常の慣行に従って、バチカンの関係諸部門が現在、同草案の読解を進めている」という。

 また声明は、今回の会合の狙いについて、「これまでの作業をまとめ、新使徒憲章の公表後、どのように実施していくかについて検討する」ことであり、会合で、教皇が「バチカン改革はすでに、行政や経済の方面においても、進んでいます」と語られた、とし、すでに”先行実施”していることを示唆された。

 なお、今回の会合に出席したのはオスカー・ロドリゲス・マラディアガ・テグチガルパ(ホンジュラス)大司教、ラインハルト・マルクス独ミュンヘン・フライジング大司教、ショーン・パトリック・オマリー米ボストン大司教、オズワルド・グラシアス・インド司教協議会会長、ピエトロ・パロリン・バチカン国務長官、ジュゼッペ・ベルテッロ・バチカン市国行政庁長官の枢機卿6人と、マルチェロ・セメラロ・枢機卿会議事務局長およびマルコ・メリノ同事務局次長。

 次回会合は、12月に、今回と同様、オンラインを使って開かれる予定。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2020年10月17日