・コロナ禍を機にスイスで教会改革、一般信徒を”司教代理”にー当事者たちに聞く(LaCroix)

スイスのカトリック教会ではローザンヌ・ジュネーブ・フリブール教区で再編成が進行中だ(写真提供:BORIS STROUJKO / STOCK ADOBE)

(2021.7.31 LaCroix MélinéeLePriol|スイス)

 スイスのローザンヌ・ジュネーブ・フリブール教区(LGF)が、カトリック教会における一般信徒による指導的役割の”実験室”として浮上している。信徒数約70万人のLGFの教区長を務めるドミニコ会士の神学者、シャルル・モレロ司教がこのほど、複数の司祭が務めてきた司教代理のポストに、複数の一般信徒を就かせる人事を決めたのだ。

 同教区のヴォー州で成人教育プログラムを担当する神学者、フィリップ・べカール氏と宗教出版社の幹部で神学・哲学者のグレゴリー・ソラーリ氏に、この新しい動きについて話を聞いた。

問:ヴォー州(ローザンヌ)のカトリックの人たちは、教区の”統治”に一般信徒を関与させるという大改革にどのように反応しましたか?

フィリップ・ベカール:私たちの司教によって開始された教区改革は、州にリンクしています。私のいるヴォー州では、2018年に司教代理のクリストフ・ゴデル神父の非常に具体的な提案から始まりました。

 いくつかの司牧ユニット(小教区のグループ)に統治上の諸問題があり、叙階された聖職者たちと一般信徒の司牧担当者の間に緊張が生じていました。それで、ゴデル司教代理は、司牧に責任を持つ私たち二人を含む何人かの神学者を集め、問題解決に力を貸してくれるように求めたのです。

 これを受けて、まず、ヴォ―州の教会統治について現状を把握することから始め、徐々に、対策を検討するグループを広げて行きました。

グレゴリー・ソラーリ:ちょうどその頃、教皇フランシスコがシノダリティ(協働性)について話をされることが増えていました。シノドス(全世界代表司教会議)の設立50周年を記念する2015年10月の教皇のスピーチを、私たちは改めて読み直しました。

 そのスピーチの中に、私たちが緊急事態と認識していることに対する聖霊からの答えがあったのですー教会の中心にあるのは”神の民”だ、ということです。2019年5月にジュネーブで開かれた顧問会議で、私たちはモレロ司教に検討結果を報告しました。

ベカール:この報告は、司教に「刺激」を与え、司牧改革が緊急に求められていることを認識してもらうことに役立てたと思います。改革(小教区にもっと”若い”司祭を配置し、もっと多くの一般信徒に司牧に関する仕事を担当させるようにするなど)の正しさを裏付ける実際的な考察に加え、地方教会の刷新の方法として、シノダリティの神学的および司牧的な解釈に注力しました。

 

問:なぜ、改革を今、行わねばならないのですか?

ソラーリ:改革の引き金は間違いなく新型コロナウイルスの世界的大感染でした。モレロ司教がご自身にこう言われたのですー「今が、その時です。私たちは実行せねばならない!」と。何よりも、コロナ危機は、秘跡に比重を置き過ぎた現在の司牧の脆弱性を明らかにしました。秘跡をこれまで通りに受けられなくなった時、カトリックの信徒たちはどうしていいか分からなくなったのです。

べカール:コロナ大感染は、多くの信徒たちに自分の責任を引き受ける機会をもたらしました。秘跡の機会を奪われることで、神の言葉を広め、慈善を実践する上で私たち一人一人が果たさなければならない役割に気が付きました。私たちは洗礼を受けた者として、使命に”再投資”することを求められているのです。私たちの教区の改革を加速させたもう一つの要因は、聖職者による性的虐待の危機でした。これは、制度的対応の最前線に立っていた私たちの司教は、強い衝撃を受けました。

問:ヴォー州とフリブール州で、9月から、これまで司教代理を務めていた司祭に代わって、一般信徒がこの州の「司教職を代表」するポストに就きます。これがなぜ、教区改革にとって重要なのですか?

ベカール:これは”着地点”というよりも”出発点”。一般信徒の神学者で家庭を持つミシェル・ラクロを、州における司教職の代表に任命することは、現在検討されている他の改革の前提条件です。しかし、それは与えられたものではなく、バチカンは、一般信徒が、教区司教の顧問会議のような「教区行政のコーディネーター」の役割を引き受けることを希望していました。 一般の人々に管理上および財政上の責任を与えることは一般にされていますが、司牧上の責任を与えることはなかった。それが州における「司教職の代表」という形で起きたのです。

ソラーリ:このような改革は、司祭たち、一般信徒たちの両方を心配させています。ですが、これは自然なこと。シノダリティは、私たちがいつも知っていることと関連する”発想の転換”を示しています。それは私たちの”常識”を混乱させはしますが。私にとって、これからの数年間の主要なプロジェクトの1つは、”長老派神学”の再考です。

問:第二バチカン公会議は司教と信徒の役割を評価し直しましたが、「中間層」である司祭については、いくらか忘れられていました。スイスのフランス語を話すあなたがたの地域の教会は、将来のあるべき教会のための「実験室」になることができるでしょうか?

ソラーリ:そう思います。そう考える理由の第一は、スイスでは直接民主主義が確立されていること。第二に、改革派が教会で過半数を占めており、これまで長い間、私たちが思っていたよりもずっと、シノダリティの教会となることを求めてきたこと、です。スイスのフランス語を話す地域の教会的、文化・社会的背景が、”実り多い研究室”を可能にするのです。

 

べカール:私たちは、何かを”発明”したわけではありません。すでに1990年代に、アルバート・ルーエ大司教がフランスのポワテエに「地域コミュニティ」を創設しています。これは、シノダリティの一種の試験場でした。いずれにせよ、この種の実験は信仰のなせる業です。私たちは、見つけようとしていることを知ることなしに、これまでのモデルを手放しました。これまで3年にわたって私たちが進んできたシノダリティを深める道を特徴づけているのは、洗礼を受けた全ての人々にとって、よき大きな責任に向けた一歩一歩がしるしている驚きです。これが、教会にとっての転換点なのです。

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(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

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2021年8月4日

・「バチカン改革の憲章発出の用意はできている」バチカン国務長官が単独会見(LaCroix)

(2021.7.12 LaCroix  Loup Besmond de Senneville | Vatican City )

 バチカンのピエトロ・パロリン国務長官・枢機卿が、LaCroixとの単独会見に応じ、バチカン改革の決め手とされている憲章が「策定作業を終え、現在、教会法の専門家による審査を受けている」ことを明らかにしたほか、聖職者による性的虐待問題や生命倫理の問題、枢機卿など10人が裁かれることになった巨額の不動産不正取引問題への対応などについても言及した。

 一問一答は次の通り。

*フランスのバチカンとの関係は、生命倫理法改正をどうみるか

 

LaCroix:教皇はフランスを訪問されるでしょうか?

国務長官:実際にどうなるか分かりませんが、計画はあります。教皇はすでにマクロン大統領に関心を表明されています。しかし、日程は決まっていません。ただ、フランスには教皇が訪問される意味があるので、私としては、できるだけ早く実現するように願っています。

Q:フランスは、100年間、外交レベルで聖座を親交を続けてきました。フランスとバチカンの関係についてどのように評価されますか?

A:フランスと聖座の関係は前向きのものです。ここローマでは、聖座は大使館、本国政府はじめ様々なレベルでフランスの関係者と頻繁に接触しており、パリでは、双方関係者が定期的に集まる場を作って、建設的な議論がされています。聖座の国際活動の中心的なテーマとなっている地球環境の保全や新型コロナウイルス大感染への対処などの課題を共有していますが、一方で、軍縮や原子力の問題など見解を異にする分野もいくつかあります。

Q:フランスの国民議会は今後数日以内に、(イスラム過激派によるテロを未然防止するため、現在の政教分離法を強化する)法案の審理を再開します。フランスにおける世俗主義をどのようにみていますか?

A:この問題は、フランスにとって非常にデリケートな問題です。フランスの世俗主義には、歴史的背景、フランス革命だけでなく、宗教の拒絶などにつながるさまざまな経緯があり、そうした他国に見られない過去の出来事は、現在に至るまでその痕跡を残し、国民の社会生活における宗教的側面の軽視を助長して来ました。これは好ましいことではない。理想とすべきは、政治的共同体と教会がそれぞれ自律性を持ち、健全な協力関係を持つことです。教会と国家は「共通善」に貢献するという共通の目標を持っているのですから。

 

Q:フランスの大統領選挙が近づくにつれ、フランス社会はアイデンティティに基づく緊張が高まっています。これについてどう思いますか?

A:ある意味で、緊張は、私たちの前進を可能にするので必要なことです。選挙が近づくと、一定の緊張が高まるのは普通でしょう。フランスは非常にしっかりとした民主主義の伝統を持っているので、それに耐えることができます。重要なのは、こうした緊張が暴力的な紛争や破壊的な風潮をもたらす個人攻撃に結び付かないようにすることです。

Q:フランスの国民議会がこのほど、(すべての女性に人工授精の権利を認める)生命倫理法の改正案を可決し、成立しました。法案に反対していたカトリック信徒の中には、これにどう対応すればいいのか困惑している人もいます。彼らに、どう答えればいいでしょうか。

A:その判断は、フランスの教会の領域にあります。つまり、神の民を構成する人々と交わりをもつ司教たちに属する問題です。重要なことは、カトリックの信徒たちは、そのような微妙な問題についても、信仰を基礎に置いた論拠を持って、自分の意見を聴いてもらうことができる、ということ。法案がすでに可決されていても、すべての人間の生命の尊厳と価値を守るという立場から意見を述べることはできますが、あくまで意見の表明にとどめるべきであり、特定のイデオロギーに流されてはなりません。

*コロナ禍が去っても、教会は以前には戻れない

Q:ここ数か月にわたって、教皇は新型コロナウイルス危機を”利用”して私たちの”規範”を改めるように、私たちに強く求めて来られましたが、「コロナ前に戻ろう」とする誘惑はとても強い。この誘惑に屈しないようにするには、どうすればいいのでしょう?

A:確かに、「後戻りしたい」という気持ちになる可能性はあります。これは、物忘れをしやすいーたった今、経験したしたばかりのことを忘れてしまうーのと表裏一体です。教皇が回勅「Fratelli tutti」で言われているように、私たちは皆、同じ家族の一員であり、互いを気遣う義務があります。だが、私たちはまた、現実に起きている変化を受け入れ、一定の犠牲を払うことができる、と私は信じています。私たちは同じライフスタイルを続け、これまでのやり方のままで世界を利用し続けることはできません。私たちが幸せな人生をおくれるようにするのは「変化」なのです。

 

*バチカン改革が成果を生むようにする時

Q:フランシスコは教皇の座に就かれて以来、バチカンの改革を進めてこられました。バチカンは以前よりもよく機能していますか?

A:教皇に就任されて以来、非常に多くの改革がなされてきました。たとえば、経済分野では、資金の管理を、国務省から聖座\財産管理局(APSA)と財務事務局に移管しました。今こそ、改革が成果をもたらすようにする時です。教皇庁のように複雑で長い時を経て来た組織では、変化が困難を引き起こす可能性があります。しかし、教皇庁を「教会にとって益となる仕事を教皇がなさるための道具」にしよう、という、確実な意志がある。今から、私たちは、過去における「奉仕」のイメージを不明瞭にしてきたあらゆるものを避けねばなりません。私たちには大きな責任があります。

Q:待望久しいバチカン改革の新憲章の公布はいつになりますか?

A:具体的にいつなるのかは、教皇が判断されることです。私からは申し上げられません。すでに行われたことも含めすべての改革に一貫した枠組みを与えることを目的とする憲章案文は現在、教会法との整合性などについて、教会法学者によって審査・検討が行われています。

 

*バチカンの巨額不正取引の裁判の意味は

Q:バチカン改革と関連するものとして、ロンドンにおける巨額の不動産不正取引に関して間もなく始まるバチカンでの裁判があります。この裁判は、改革の転機となると考えますか?

A:そうは思いません。改革の転機というなら、これまで数年にわたって進められてきた改革の取り組みです。これから行われる裁判は、むしろこれまでの改革の結果と言えるでしょう。

Q:この裁判は、”真実の瞬間”となるのでしょうか?

A:司法の分野では、そう思います。主は本当の真実を知っておられます。裁きの場で立証される真実は、人間的な真実です。しかし、私が強く希望するのは、すべての人のために、この裁判を通じて、その真実が明らかにされることです。

 

*仏独立調査委の性的虐待結果報告にどう対応すべきか

Q:フランスでは、カトリック教会における性的虐待に関する独立調査委員会の結果報告が近く発表される予定です。それに対処する最も適切な方法は何だと思いますか?

A:それはおそらく「苦しみの大いなる瞬間」になるでしょう。しかし、私たちは真実を恐れてはならない。それを視野に置かねばなりません。そして、これが、私たちが。実際に何が起きたのか知るために、この委員会の設置を求めた理由でもあります。悲しいことであり、多くのカトリック信徒がその報告を読んで悲嘆に暮れ、動揺することでしょう。しかし、私たちはこの試練をくぐらねばならない。試練を通して、このような遺憾な出来事と向き合い、再発を防止しようとする新しい意識が生まれるのです。

 

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

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2021年7月13日

・(解説)教皇のマルクス枢機卿への書簡にみる「聖職者による性的虐待への責任と教会の改革」(VN)

“The reform in the Church has been carried out by men and women who were not afraid to enter into the crisis and allow themselves to be reformed by the Lord," writes Pope Francis in a letter to Cardinal Reinhard Marx

(2021.6.14 Vatican News Andrea Tornielli)

 教皇フランシスコがマルクス枢機卿宛てに出された同枢機卿の辞表不受理の書簡には、カトリック教会の改革に関する教皇の重要な指摘がされている。

 「教会改革は、危機に陥ることを恐れず、自らが改革を主にゆだねた男女によって、成されてきました。それが唯一の改革の道です。そうでなければ、私たちは自分自身を危険に晒すことのない”改革の信奉者”以外の何者でもなくなるでしょう」。

 ラインハルト・マルクス枢機卿のミュンヘン・フライジンク大司教を辞任したい旨の申し出を却下した教皇の書簡は、枢機卿が辞意の理由とした聖職者による性的虐待へのカトリック教会の対応の過ちの問題にとどまらず、教会の現実と展望に焦点を合わせた重要な指摘に満ちている。

 そうした教皇の見方と姿勢は、救いの重要性を”諸々の構造”に帰するリスクが存在する時、教会共同体においてさえも、しばしば忘れられてしまう。”諸々の構造”とは、”組織体”の力、必須でますます詳細になる法的規範、集団の”最良慣行”、”シノドス”の道に移植された政治的表現、宣教活動に適用された市場戦略、特殊効果を伴う伝達の自己陶酔、などだ。

 教皇が体験されているように、聖職者による性的虐待の失態に直面して、「私たちは、関係者の聴聞によっても、”組織体”の力によっても救われない。罪を隠蔽しがちな”教会の権威”によっても救われない。カネやメディアの力でも救われないーそうしたことに、私たちはしばしば、頼り過ぎている」。

 これが改めて意味するところは、私たちがとるべきは、唯一のキリスト教徒としての道、ということだ。教皇はマルクス枢機卿あての書簡で書いているー「私たちが救われるのは、唯一の方の扉によって、ありのままを告白することによってー『私は罪を犯しました』『私たちは罪を犯しました』と主に赦しを願うこと… 教会が強さを見出すのは、自分の弱さをさらけ出すことによってー自分自身に失望したとき、主役の座を失ったと感じるとき、赦しを願い、それが可能な唯一の方に救いを祈ることによってなのです」と。

 教皇のマルクス枢機卿あて書簡は、一見、枢機卿の大司教辞任の申し出に答えていないように見えるかも知れない。それは、書簡の内容を読む限り、厳しい責任追及から解放していない、傷を塞がない、名指しで他者を訴えることを認めていないからだろう。そうする代わりに、教皇は、私たち1人ひとりが「危機の中に入り」、自分自身が無力であること、悪と罪ーそれが、弱い人たちに対する悪魔のような虐待行為であろうと、自分自身のアイデア、戦略、人間的な仕組みで教会を救えると考うぬぼれることであろうとーに直面している自分が取るに足らない存在であることを告白するように、求めておられる。

 前教皇のベネディクト16世は、2019年の未成年者の保護に関する全世界司教協議会会長会議の準備のためのメモで、聖職者による性的虐待がもたらしている危機に対する正しい回答について、「私たちと全世界を脅かしている悪に対する解毒剤は、私たちが自分自身をひたすら神の愛に委ねること」と述べている。

 「私たちがしなければならないことを考えるとき、明らかなのは、私たち自身が考案する別の教会は必要ない、ということです… 今日、教会はある種の””政治的な装置”と広く見なされており… 聖職者による多くの性的虐待行為で引き起こされた危機は、教会を破綻者と見なすように私たちに迫っています。私たちはあくまでも自分自身で危機を乗り越え、新たなやり方で改革をせねばならない。ただし、自作自演の教会では希望をもたらすことはできません」

 2010年、アイルランドで聖職者性的虐待によるスキャンダルの嵐が吹き荒れている最中に、ベネディクト16世は、唯一実行可能な方法として「悔悛」を挙げ、「教会に対する最大の攻撃は、外部からではなく、内部からなされている」と語っていた。彼の後継者である教皇フランシスコが一貫した姿勢をもって、私たちに「改革は、政治的な戦略では達成できません。『主が私たちを改革される』ようにすることで、達成されるのです」と強調されている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2021年6月15日

・教皇が一般信徒の新たな奉仕職を制定ー教会の内側からの変革の一環(La Croix)

(2021.5.12 La Croix  By Loup Besmond de Senneville and Xavier Le Normand | Vatican City)

 教皇フランシスコは、カテキスタという一般信徒の奉仕職を正式に導入することで、ご自身が「余りにも聖職者主導だ」と見ている教会における、一般信徒の場を再定義しようとしている。

 「私は、カテキスタという一般信徒の奉仕職の制度を作ります」。これは、「カトリック教会を内側から根本的に変えたい」と望む教皇の意思表示だ。その決意は、11日に発出した6ページの自発教令の最後に示されている。自発教令のタイトルにあるように、「Antiquum ministerium (古代の奉仕職)」は、一般信徒に対して、事実上、もう一つの新たな奉仕職の道を開くもの。教皇が今年一月に、女性に対して、ミサにおける聖体奉仕者と聖書朗読者の役割を正式に認めたのに続く措置だ。

 今回の自発教令で、「信仰を伝え、成長させるためのかけがえのない使命をすでに遂行」しつつある、世界で何十万といる”有能”な一般信徒のカテキスタの役割を確認することを、教皇は望んでいる。

 教皇パウロ6世が1972年にすでに構想していたこの奉仕職の制度化は、これまで世界の教会に広がっていなかった。主として、途上国の教会に留まり、欧州や北米で進展を見ることはなかった。そして、半世紀を経た今、教皇フランシスコは、この一般信徒の奉仕職を制度化された「効果的」なものとするよう、確固たる決意をもって、世界の司教たちに呼び掛けたのだ。

 フランシスコはこの教令で、司教たちに、この奉仕職に「深い信仰をもち、人間的に成熟した男女」を招くように求め、小教区の主任司祭たちには、「教会共同体の活動に積極的に参加している人たち、他者を喜んで受け入れ、寛大で、友愛に満ちたある人との交わりを日々の生活の中で実践している人たち」を探すよう求めている。そして、カテキスタの養成にあたっては、「適切な聖書学的、神学的、司牧的、そして教育学的な教育」がなされる必要がある、と述べている。

*根本的な文化的な変革

 これを、「中世以来、多数の司祭の存在で特徴づけられてきた教会の、根本からの文化的変革」と見る人もいる。

 神学者で教皇庁立東方研究所の元研究員のイエズス会士、チェザーレ・ギラウド神父は「私たちは、司祭が多くいて、一般の信徒がいつも脇に置かれていた時代の”遺産”を受け継いできた。今起きているのは、完全な、非常に深遠な精神構造の変化です。教皇は、聖職者主義になりすぎた教会に揺さぶりをかけようと、一般信徒のための新たな役割を創出するように全ての教会関係者に求めておられるのです」と語る。

 「過去数世紀の間、司祭が多くいたことで、さまざまな奉仕職が司祭の手に渡りました」と語るのは、仏北部のカンブレーのバンサン・ドルマン大司教だ。司祭養成の専門家で中北部サンスのエルヴェ・ジロー大司教も「司教も司祭も、本来の役割からかけ離れた、多くの権力を持ち過ぎました」と口をそろえ、「新たな一般信徒の奉仕職が、叙階された司祭がもつ本来の役割を再発見するための鏡像になることが可能だ」と信じている。

 彼らと別のフランスのある司教も、「教皇は、『すべてが叙階された奉仕を中心に展開しているわけではない』ということを私たちに気づかせています」とLa Croixni語った。一般信徒の奉仕職を活発化することで、教皇はまた、司祭の役割の再定義をしようとしている、というのだ。

*生かすべき機会

 問題は、パウロ6世が提唱したものの、ほとんど成果を得られなかった1970年代のように、教皇フランシスコの自発教令が空文化させないために、どのようにすべきか、だ。「司祭の不足は現在、西欧で当時よりもずっと深刻になっており、教会共同体が存続するために、奉仕職を担う人材を必要としています」とギラウド神父は言う。「布教国では、特にカテキスタの育成の分野で再生を可能にするやり方が試みられています」。

 ベルギーのルーヴァン・カトリック大学のアルノー・ランベール神学教授は、教皇が進めるこうした一般信徒の奉仕職は「2つの落とし穴さえ克服できれば、成功の機会をつかめる」と見る。落とし穴の第一は、あらゆる組織につきものの、そしてカトリック教会においてはなおさらの「惰性」だ。

 ジロー大司教もこの見方に同意するが、単独行動はすべきでない、と考えている。「個人的には、この一般信徒の奉仕職は緊急の課題と思いますが、他の司教たちと協力して行動するこが必要でしょう」と言う。

 ランベール教授による落とし穴の二つ目は、この新たな奉仕職を既存の役割の単なる再解釈として過小評価することだ。

*視野を広げる

 基本的に、司教たちの何人かは、教皇が自発教令で提案したことを速やかに取り上げることを決意しているようだ。

 例を挙げれば、ジロー大司教はすでに、この新しいカテキスタという奉仕職の候補者を頭に描いている。だが、「その数は、ごくわずか」であり、カテキスタとなることは、「報償」ではなく、「すべての人への奉仕」と受け取られる必要がある、と条件を付けている。

 ただし、La Croix が取材した司教全員が、今回の自発教令によって、「教皇フランシスコは、カテキスタという奉仕職をはるかに超えた展望を開いた」と受け止めている。「奉仕職という言葉にまつわる恐れが取り除かれ、教会内部の組織ではなく、神からの贈り物の認識を示すタイトルにすることができるでしょう」とジロー大司教は語り、「このことは、私にとって、多くの可能性を開くことになります」とドルマン大司教は評価する。

 さらにドルマン大司教は「聖体祭儀にすべてが集中しているわけでないことを強調する機会になる」とも見ており、「人々は神の言葉でイエスに支えられねばなりません」と指摘。さらに、定期的に葬式の段取りをしているカトリック信徒に、公式にそれを委託する方法がないことを疑問に思っており、「こうした役割が制度化され過ぎないようにしながら、あらゆる必要を満たす必要がある」としている。

 これは、教皇がこの自発教令で明示的に警告している「一般の信徒の聖職者化」の問題に対処するやり方だ。そのうえで、自発教令は、献身的な一般信徒たちを勇気づけ、認め、奨励しているが、教皇が就任当初から「カトリック教会が克服せねばならない」としてきた「聖職者の定型」を永続させない、という条件付きだ。

 自発教令は”健全なバランス”をとろうとし、カテキスタの奉仕職は「いかなる形の聖職者化も避け、完全に『世俗的』な方法で実行されなければならない」と強調している。

*本物の信徒の召命とは

 そして、まさにこのような間違いを避けるために、これらの新しい奉仕職は、「生涯を通じて生き生きと働く本物の信徒の召命」と見なされるべきだ、と新福音化推進評議会議長のサルバトーレ・フィジケッラ大司教は、自発教令発出の際に語っている。

 基本的に、正式化された奉仕職は、小教区や司教区の一般の信徒がすでに行っている(いわゆるカテキスタとされる)奉仕活動の単なる確認ではなく、それ以上のものだ。「この制度は、典礼を豊かなものにする手段の一つとして導入され、召命を受けた役割、神から来るものであることが強調されます」とランバート教授は説明する。

 そして、この教皇の新しいイニシアチブは「福音と信仰を告げ知らせる使命を果たすために全ての信徒で成り立っている教会の”申し合わせ”に関して、多くのことを変えることができる」と確信している。

 いずれにしても、教皇フランシスコは、この決定を貫徹することを心に決めており、中途半端にするつもりはない。自発教令の最後に、教皇は、全世界の司教たちに、この教令を受け入れ、各国ごとに適切なカテキスタ養成プログラムを策定、実施するように求めている。そして、バチカンの典礼秘跡省にこの新しい一般信徒の奉仕職のための「制度要綱」を作るように指示している。 84歳の教皇は、担当部署に速やかに着手するように言っている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

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2021年5月13日

(解説)列聖省長官解任ー教皇フランシスコの”重大な処分”について考える(Crux)

(2020.9.26  Crux  EDITOR  John L. Allen Jr.)

Thoughts on Pope Francis’s ‘great defenestration’ of Cardinal Becciu記者会見を開き、”身の潔白”を主張するベッチウ枢機卿(9月25日=(Credit: Gregorio Borgia/AP.)

(ニュース解説)

 ローマ– ベッチウ枢機卿は、かつて、教皇自身に次ぐバチカンで最も影響力のある男だった。その彼がは今やバチカンの列聖省長官という“閑職”と枢機卿としての権限を二つともはく奪された。

 72歳のベッチウは、国務省で7年間、長官代理、つまり教皇の”首席補佐官”を務め、権勢を欲しいままにした。バチカンでイタリア人”保守派”の顔ービジネスに励み、それをしっかりと守るやり方を教え込まれた高位聖職者ーとなった。

 教皇フランシスコが2018年にベッチウを列聖省の長官に任命し、枢機卿に昇格させた際、バチカン内部の消息通は、これが「ゴールデンパラシュート」だ、と見なした。つまり、教皇は彼に対する信頼をなくしたが、(注:いきなり左遷したような印象を与えないように)”ソフトランディング(軟着陸)させようとした、というわけだ。

 すでにいくつも書かれているように、ベッチウは長年にわたってバチカンでのいくつかの金融・財政問題に関与し、最終的に彼を倒したのは、はっきりと「金」だった。彼自身のおかげで、木曜日の午後、ベッチウは、多種多様な違反行為で教皇から糾弾されたことを、我々は知った。違反行為には、彼の兄弟が所有する会社に、世界のバチカン大使館に備品を納入する仕事をさせ、バチカンから代金を払うようにしたことも含まれる。故郷のサルデーニャで別の親戚が運営する慈善団体にバチカンの資金を寄付したことでも非難された。

 .ベッチウは、バチカン広報が24日夜、自身の処分を発表したのと間を置かず、25日に記者会見を開き、「自分は何も悪いことをしていない。無実を証明する機会をくれるよう、教皇に申し入れた」と述べた。

 ベッチウの処分発表とその後の動きを見ると、次のように三つのことが指摘できる。

 まず第一に、バチカン広報は24日のローマ時間午後8時に処分を発表したが、その内容だ。発表文は、彼の列聖省長官の辞表が教皇によって受理され、枢機卿としての権限が取り去られた、というたった一行の簡単なものだった。ある意味で、バチカンの広報担当者を誉めてもいいかもしれない。そうすることで、質問が寄せられるようにし、取材者たちはそのために苛酷な訓練を積んでいるからだ。

 発表内容を簡潔なものにとどめたのは、ベッチウが少なくとも、まだ彼の行為について有罪判決を受けておらず、教皇が個人的に結論を下したとしても、彼の名誉はまだ守るに値する、という判断からだろう。だが、そうした判断にもかかわらず、実際には、彼の名誉はほとんど守られることないどころか、それは彼が犯したとされるあらゆる種類の犯罪についての憶測を招く結果になった。その大半は、おそらく真実よりももっと悪いものだ。

 バチカンが、教皇はある高官を見捨てた、と発表しようとしているなら、その理由を言うほうがいいだろう。遠慮することはない… もちろん、説明しようとする理由が精査に耐えられないかもしれない、という心配がない限りだ。精査に耐えられないようなものなら、発表文にどのような処分の理由を入れても、入れない場合よりも大きな問題が起きるだろうから。

 第二に、ベッチウはバチカン広報の発表の翌日、25日に、2009年から2011年まで大使を務めた駐キューバ大使館の備品代として、備品を納入した自分の兄の会社に約23万ドルを支払ったことについて、断固として犯意を否定した。

 25日のある新聞の朝刊に掲載されたインタビューで、彼はこう述べたー「申し訳ないことですが、私は他に誰も知りません… 兄の会社を使ったのははっきりしています。取引は私が大使を務めていた期間には終了せず、後任の大使の期間も続きました。彼は、その会社の仕事に満足し、転出先のエジプトでも仕事を任せています」。

 25日に開いた記者会見でも、「犯罪とは思わない」と繰り返した。

 もちろん、そのような取引には「縁故主義」という好ましくない呼び方がされる。他に仕事を任す人を知らなかった、では言い訳にはならない。契約を公開入札にするのが、公正さを保つ方法として当然のことだからだ。このベッチウのやり方は、バチカンに関わる取引に参加する業者と親族関係にある者が選定に関わってはならない、というルールを導入した教皇フランシスコの意図に明らかに反する。

 だが、正式な事前調査や競争入札を経ずに親族の関係業者と契約を結ぶことは、特にベッチウの世代の人々にとって、長い間続いてきたイタリアの”ビジネス文化”の一部であったから、それが間違った行為であると見なされるのを、彼は意外だと思ったかもしれない。すべてを解析するには道徳神学の専門家の手を借りる必要があるが、客観的な罪と主観的な罪の違いを分けて考えることは我々にも出来るーベッチウが自分のしていることに何ら問題はない、と心底、信じているとしたら、それはトマス・アクィナスが言うところの「救いようのない無知」ということになる。

 確かに、それはおそらく誰もが履歴書に書くことを望む内容ではないが、にもかかわらず、そう書き入れることが可能だ。

 そして第三。ベッチウが今何をすることを選んだかは、大いに関心のあるところだろう。

 彼は、イタリアのカルロ・マリア・ビガーノ大司教によって火がつけられた道を歩み、教皇フランシスコの公の敵として登場しようとしている。「私が枢機卿になったとき、私は教会と教皇のために命を捧げることを約束しました。今日、私はその信頼を新たにし、自分の人生を喜んで捧げます」。 彼が”隊列”を乱す選択をした場合、陰謀志向のビガーノよりもバチカンの”汚れもの”をはるかによく知っており、それとつながっているため、ビガーノよりもはるかに厄介な敵になる可能性がある。

 だが、長年にわたってなされてきたベッチウに対する数多くの中で、誰も彼の愚さをほのめかす者はいなかった。 老いた保守派の偶像だとすれば、長い目で見ることを意味する。 ベッチウは教皇が何代も交替しても、バチカンそのものは続いていくことを知っており、フランシスコの後の教皇のもとで、自分にとって好ましい事態が起きるかも知れない。言い換えれば、ベッチウが”万が一のこと”に備えているとしたら、彼と彼に同調する保守派が敗北を認めたのだ、と結論付けるのは誤りになるだろう。思慮分別が勇気の大半を占めるとすれば、時として、忍耐は汚名を晴らす証明の前触れとなる。

 実際に最近でも、輝かしい経歴が終わったように見られた数多くの高位聖職者が、教皇フランシスコの下で奇跡的な復活を果たしている。ウォルター・カスパー枢機卿、あるいは、オスカル・ロドリゲス・マラディアガ枢機卿が、そのいい例だ。恐らく、ベッチウは同じことが自分に起こる可能性に賭けようとするだろう-その結果は本人の期待とは逆になるだけだろうが。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

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2020年10月17日

・バチカンの金融スキャンダル絡みで列聖省長官が辞任(Crux)

(2020.9.24 Crux Editor John L. Allen Jr.)

 ローマ発ーバチカン広報が現地時間の24日夜、教皇フランシスコが同日、バチカンの列聖省長官のアンジェロ・ベッチウ枢機卿の辞表を受理するとともに、枢機卿の職位に関係する権利を解いた、と発表した。発表文は極めて短いもので、「権利を解いた」ことが具体的に何を指すのか明らかにされていないが、現在72歳のベッチウ枢機卿にあった将来の教皇選挙での投票権がはく奪されたことを意味する、とみられる。

 ベッチウ枢機卿は2018年に枢機卿に任命され、列聖省長官に就任する以前は、バチカンで、米国の大統領首席補佐官に相当する国務長官代理を7年にわたって務め、バチカンの日々の管理運営に大きな責任を持ち、教皇の事前の予約なしに会うことのできる唯一人のバチカン高官だった。

 バチカン広報は枢機卿辞任についてのCRUXの質問に直ちに答えることはしなかったが、ベッチウは、ロンドンの高級住宅街チェルシーに隣接し、当初は高級マンションに改装予定だった大手デパート・ハロッズの元倉庫を2億2500万ドル(約250億円)で購入したバチカンの金融スキャンダルに関係してきた。

 購入にかかる取り引きは、ベッチウが国務長官代理を務めていた2014年に、イタリアの投資金融業者を通じて行われ、資金は、教皇自身の慈善活動を支援するために世界の信徒たちに献金を呼び掛けて集めた「Peter’s Pence」から出されたことで、まず問題になっていた。そして、当初の契約では、対象の不動産の半分の購入を予定していたが、国務省は、契約相手の業者との関係を離れ、別の投資金融業者と不動産の残りの半分を購入する計画を立て、そのための追加資金の融資をバチカン銀行に求めた。

 だが、その不自然さに関係者が気付き、バチカンの金融検査当局による内部調査が始まり、昨年10月、教皇フランシスコの指示で国務省と金融情報局の強制捜査が行われ、職員7人が停職ないし解雇処分となった。

 この事件でベッチウは取引を承認しただけでなく、対象となった不動産をバチカン経理の貸借対照表から消去することで、必要な資金融資を偽装した、と批判された。さらに、彼はバチカンが経営不振に陥ったローマのある病院を救済しようとした際、自分の姪をその担当者の1人にさせた疑惑、長官を務めている列聖省の財務管理に関する疑惑なども重なった。

 枢機卿の持つ権限をはく奪された最近の例では、2015年に教皇が辞表を受理したスコットランドのキース・オブライエンがいる。彼は数人の成人男性を巻き込んだ性的違法行為をしていたが、枢機卿としての権利をはく奪されたが、称号は残された。また、ごく最近では、米国の有力高位聖職者、セオドール・マカリックが未成年者に対する性的虐待、神学生たちへの性的嫌がらせを働いたとして、枢機卿の地位を追われている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2020年10月17日

・ベッチウ枢機卿の”商売仲間”の女性が横領容疑で逮捕

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The arrest of Cecilia Marogna is a sign that the pope intends to “go all the way” in issues of financial embezzlement. (Photo by ISABELLA BONOTTO/UPDATE IMAGES PRESS/MAXPPP)

 

(2020.10.15  La Croix   Vatican City Loup Besmond de Senneville|)

 イタリアの財務警察が15日までに、バチカンの前列聖省長官で元国務次官のアンジェロ・ベチウ枢機卿の”商売仲間”である、セシリア・マログナを、25万ユーロ(約3000万円)をバチカンから横領した疑いで逮捕した。

 マログナは自身を外交関係の専門家としているが、ベッチウ枢機卿がバチカンの国務省次官を務めていた期間に、アフリカと中東地域でネットワークを構築する事業を50万ユーロ(約6000万円)で受託した。だが、彼女はその半分を自分用の奢侈品の購入に充て、また、(注:資格も権限もないまま)バチカンと国際金融業者との仲介をした、として告発されていた。

 関係者は、教皇フランシスコが、先にベッチウ枢機卿を列聖省長官から解任し、さらに次期教皇選挙での選挙権をはく奪したのに続く、今回の関係者逮捕で、この金融スキャンダルに対して、教皇の厳格な対応を改めて示したもの、と受け止めている。「教皇は、事件全体を解明することを希望しておられ、他の要素が今後、数週間で出てくる可能性が高い」。

 教皇は昨年7月、ベッチウ枢機卿からバチカン銀行が総額1億5000万ユーロの融資を求められた後、その報告を受けて、疑惑を持たれる金融取引について捜査を命じた。そして、今年に入り、捜査結果を受けて、枢機卿に関係するバチカン国務省の職員数名が解雇されているが、その一部または全員がバチカン裁判所に出廷を求められる可能性がある。

 教会法によれば、枢機卿を裁くことができるのは教皇のみだが、このことは、元国務次官や前列聖省長官には適用がされないかもしれない。バチカンの関係筋はLa Croixの取材に、「枢機卿は、教皇のみに裁かれるということも含めて、枢機卿の特権をすべて剥奪されているので、裁きの場に引き出されることは可能だ」と語っている。

 バチカン裁判所でそのような審問がいつ行われるかについて、まだ情報はないが、教皇が、バチカン内の財政金融面での腐敗追放に強い決意をもって対応しようとしているのは事実だ。

  欧州評議会の不正資金洗浄規制機関「資金洗浄対策・テロ資金供与の評価 に関する専門家委員会(MONEYVAL)」が今月初めからバチカンの検査に入っているが、教皇は8日の検査官たちとの会見で、不正資金の洗浄やテロ資金供与との戦いに強い共感を示し、協力を約束。さらに、バチカンの内部体制についても、「資金洗浄とテロ資金供与との闘いの分野の調査を調整する権限」を与える法令を定めるなど、司法当局の権限強化を図っている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.

2020年10月17日

・長崎教区、”会計不祥事”で司祭集会、小教区司祭と信徒代表の集会で大司教らが説明と謝罪

(2020.9.27 カトリック・あい)

 カトリック長崎教区の公式月刊紙「カトリック教報」10月号が伝えたところによると、長崎教区主催の「教区会計上の重大な不手際」の報告と話し合いのための司祭集会が8月24日開かれた。

 教区、修道会合わせて約60人が出席した第一部では、教区長の高見大司教、中村補佐司教、中浜・教区本部事務局長、下窄・前教区会計から、経過報告と謝罪。続いて、質疑応答が行われた。教区司祭だけが出席した第二部では、顧問団としての責任、兄弟司祭としての司祭団の協力の在り方について意見交換がされた。

 中浜事務局長によると、司祭集会では、「不祥事のきっかけ、関係者の具体的な処分と、現在の心境、再発防止に向けた検証や具体的取り組みなど、教区刷新に向けた様々な質疑応答」があり、信徒の信頼回復を最優先すべきこと、顧問団の対応が甘かったこと、などが指摘された。集会の結果を受けて、「今後顧問会で検討を重ね、金銭的な補填計画はもとより、今後の教区としての具体的対応についても真摯に検討していく」という。

 なお、司祭集会に続いて、9月21日に教区の小教区司祭と信徒の代表者などを対象にした説明会が、教区評議会総会の中で行われた、というが、その内容はまだ公開されていない。

2020年10月17日

・カトリック長崎教区が、詐欺に絡む多額の損失発生を大司教名で認め、謝罪したが

(2020.9.25 カトリック・あい)

    カトリック長崎教区で、ずさんな資金管理体制のもとで詐欺に絡む2億3200万円の損失を発生させていることは今年6月、有力ネット・メディア「文春オンライン」で証拠書類とともに詳細に報じられていたが、肯定も否定もせず、”沈黙”を続けてきた同教区がこのほど、公式月刊新聞「カトリック教報」9月号の最終面全面に、教区長の高見三明・大司教名で「教区会計上の重大な不手際に関するお詫び」を掲載、事実として認め、教区の司祭、信徒に謝罪した。

 ただ、この謝罪文で高見大司教は「7年前に前教区会計が起こした重大な不手際のことで、信者の皆様に大変ご心配とご迷惑をおかけしました。すべては教区長としての私の責任です。心からお詫びします」としとしているものの、損失を生じさせた相手には「返済を要求し続ける」とするだけで、何ら刑事、民事的な法的措置をとる意思はなく、「前教区会計を始め、私と教区顧問、司祭団、それぞれが可能な限り修復に努めてまいる所存」と曖昧な表現に終始。

 別会計とはいえ、教区の年間予算の3分の1にも匹敵する巨額の支出が、教区長の承認なしに教区の会計担当一人でどうして可能だったのか、再発を防ぐために、具体的にどのような資金管理体制をとろうとしているのかについても、明確な説明がない。

 「お詫び」に添付された「これまでの経緯と今後の対応」を見ても、文集オンラインの詳細な報道とは、重要な細部でかなりの違いがあるが、報道に事実誤認があるのかどうかについても、資金の出所が「特別会計の(大浦天主堂の拝観料などを原資とする)『不動産取得資金』であり、信徒の献金や小教区互助基金などからではない」とした以外は、明確な説明がない。この箇所についても、教会建設のための資金が必要になった際、この特別会計が不足してしまったため、銀行借り入れに頼らざるを得なくなり、400万円強の利息を教区会計から払わざるを得なくなっことは認めている。

 だが、このようなことよりも、もっと大事なことは、このような不祥事が起き、それに対する対処も長期間にわたり適切さを欠き、結果として外部のマスコミにスクープされて、長崎教区のみならず、日本全体の教会関係者の間の動揺を招き、教会に対する信用を傷つけたことに対し、真摯に反省し、信用回復に努める真摯かつ具体的な対応が、この”謝罪文”によっても、明確には見えないことではなかろうか。

 6月26日の文春オンラインの報道では、この問題について前会計担当を横領や背任で訴えることで責任を明確にさせるべき、と弁護士と真剣に相談していた教区の幹部職員の女性が、今年2月に長崎大司教館で開かれた司祭研修会で、逆に糾弾され、急性ストレス性胃腸炎で入院する事態になったとされているが、これに対する、真偽も含めて説明もない。この女性は、聖職者による性的虐待問題の窓口でもあり、関係の信徒に大きなダメージを与えている。この報道の直前の6月21日に、長崎市内で開かれた「カトリック神父による性的虐待を許さない会」の発足式で、被害を訴えた長崎教区の女性信徒のケアにもあたっていた。この信徒は「私に寄り添い、”命綱”になってくれている職員を教会から追い出そうとしている」と嘆いている、というが、この問題に、大司教は何の対応も明らかにしていない。

 改めて言う。”言葉”や”紙”の上での反省や謝罪は、大きく損なわれた教会への信頼を回復するための、スタートラインに過ぎない。それが的確さを欠けば、それ以前だ。自身の責任の取り方も含め、信頼回復の具体的な方策を真摯に考え、立案し、広く説明し、実行されることを、日本のカトリック司教団の代表でもある高見大司教に、心から期待したい。

                                        (「カトリック・あい」南條俊二)

 

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 カトリック長崎教区月刊紙「カトリック教報」9月号に掲載された「長崎教区の皆様へ お詫びとご報告」の全文は以下の通り。

【教区会計上の重大な不手際に関するお詫び】

 このたびは、7年前に前教区会計が起こした重大な不手際のことで、信者の皆様に大変ご心配とご迷 惑をおかけしました。すべては教区長としての私の責任です。心からお詫びいたします。
2001年に前任者の島本要大司教様は教区費の刷新を実施され、世帯ごとの小教区維持費とは別に、各信徒は収入の . %を教区のために献げることになりました。そうすれば大浦天主堂の拝観料は教区の資金として貯蓄できると考えられました。しかし新しい制度の導入ということもあり想定通りにいかず、拝観料に依存する教区運営が今も続いています。

 教区にはもともと多額の資金はありませんでしたので、資金として貯蓄できると考えられました。しかし新しい制度の導入ということもあり想定通りにいかず、一部を堅実な資金運用に回すようになりました。

 しかし前教区会計は、教区のためとはいえ、本来聖職者が直接かかわるべきでない事業に、単独で、教区の特別会計の中から貴重な資金を投資と貸付に使ってしまいました。監督者としての私の責任を痛感しております。今後このようなことが二度と起こらないよう万全の対策を講じます。債務者には返済を要求し続けると同時に、前教区会計をはじめ、私と教区顧問、司祭団、それぞれが可能な限り修復に努めてまいる所存です。

 なお、今回の不祥事では、信徒の皆様の教区費や小教区互助基金などへの影響はございませんのでお知らせいたします。今後とも、信頼回復に努めてまいりますので、ご理解とご協力を引き続きよろしくお願いいたします。皆様にご心配おかけしましたことを重ねてお詫びいたします。

                                  カトリック長崎大司教区 大司教 ヨセフ 髙見 三明

 このたびは、ご報告にあります通り、私の軽率さがもたらした重大な結果により、主キリストと皆様の教会を傷つけ、不信と躓き、痛みと悲しみを招いてしまいましたことを深く反省し、心からお詫び申し上げます。

 今後は、決して十分ではないことを自覚しつつも、私にできる償いを命尽きるまで継続するほかありません。父と子と聖霊なる神のあわれみにおすがりし、皆様の教会に連なることをお許しください。このたびは、まことに申し訳ございませんでした。

                                  カトリック長崎大司教区 司祭 ミカエル 下窄 英知(前教区会計)

【これまでの経緯と今後の対応】

 2013年 7月、前教区会計は、知人のK氏の依頼を受け、大司教や顧問会の決裁を仰がず5千万円を貸し付け、 9月にはK氏が関与する事業に1 億円を投資しました。同月、再度依頼があり1億円の短期貸し付けを行いました。いずれも独断での決裁でした。

 これが問題の発端で、その後、前教区会計は数年にわたりK氏に貸し付けの返済を求めましたが応じず、これまでに 1800万円の返済があっただけです。結果として、貸付の不返済分と投資の損失を合計すると2億3200万円になります。

 現教区会計は、 本件の詳細を知ると弁護士に相談し、K氏に債務を認めさせる覚書を交わすなどして返済のために努力し続けてきましたが、結果的に回収できず今日に至っています。不手際を認識した時点で上長ならびに顧問会に報告すべきところを、かえって遅れてしまったというさらなる不手際について、職務に忠実でなかったと、前教区会計ならびに現教区会計も認めています。

 前教区会計の問題が顧問会に提示され たのは、2019年1月 14日でした。本会には前教区会計も出席し、説明、質疑応答が行われました。同月24 日に、再度臨時顧問会を開きましたが、その中で同席していた弁護士から業務上横領罪にあたる可能性があると指摘されましたので、顧問会としても自首を勧めました。これに応えて前教区会計は警察署に出頭しましたが、捜査されることはありませんでした。

 翌月の2月4日に開催された司祭研修会の中で本件を司祭団に説明しました。その後、教会法に基づく調査を教区裁判所に依頼し、報告を受け、制裁が決定され、役職の解任、トラピスト修道院での1か月の謹慎、他教区への一定期間(3年)の派遣、教区への返済義務などの制裁を科しました。現在、約500万円が前教区会計から特別会計に納入されています。

 過日(6月)、長崎教区の不祥事として文春オンラインにおいて「信徒の献金を消失させ、また佐々教会の建設資金が流用されたのではないか」との指摘がなされましたが、K氏への投資と貸し付けは、正確には特別会計の「不動産取得資金」(大浦天主堂拝観料の一部、 教区司祭遺贈金)から持ち出されたものです。決して信徒の献金や小教区互助基金などからではありません。教区会計の決算報告は、経常収支として教区報で毎年報告している通りで、信徒、 修道者、 司祭から納入していただいている教区費、 各種献金は、 経常収支の中に全額計上されています。

 ただし、佐々教会建設の資金が必要となったときに、銀行から借りざるを得なくなり、総額約438万円の利息を支払わなければならなくなったことは事実です。

 教区としては、問題の経緯を明らかにし、対処方法を確定するまでは教区内での公表を控えておりましたが、そこに至る前に、どのような経緯かは不明ですが、マスコミで公表されました。信者の皆様方には大変申し訳なく思っております。

 今後、顧問弁護士にも相談しながら、K氏への返済請求を継続して行うと同時に、髙見大司教と教区顧問、司祭団、それぞれが可能な限り欠損を補填するよう努めます。

 教区における会計のさらなる透明化を推し進めることをお約束し、今後は教区財産の管理を誠実に行うための体制づくりに一層努めてまいります。

 2020年8月15 日 カトリック長崎大司教区 司教総代理 中村倫明 本部事務局長 中濱敬司

長崎教区の信徒の皆様へ

 8月24日(月)13時から教区司祭集会、9月21日(月)11時から教区評議会総会において、この件に関する説明会が行われます。この集会と総会の参加対象者は、教区の司祭団ら(8/24)、各小教区の司祭と信徒の代表者ら(9/21)です。 ご質問などについて個々の対応はできかねますので、できれば文書をもって、所属 小教区か地区長司祭または教区本部事務局にファックスや郵送でお寄せください。

 教区本部事務局《この件に関する問い合わせ》 カトリック長崎大司教区本部事務局 電話 095-842-4450 FAX 095-842-4460

2020年10月17日

・長崎教区、”会計不祥事”で司祭集会、小教区司祭と信徒代表の集会で大司教らが説明と謝罪

(2020.9.27 カトリック・あい)

 カトリック長崎教区の公式月刊紙「カトリック教報」10月号が伝えたところによると、長崎教区主催の「教区会計上の重大な不手際」の報告と話し合いのための司祭集会が8月24日開かれた。

 教区、修道会合わせて約60人が出席した第一部では、教区長の高見大司教、中村補佐司教、中浜・教区本部事務局長、下窄・前教区会計から、経過報告と謝罪。続いて、質疑応答が行われた。教区司祭だけが出席した第二部では、顧問団としての責任、兄弟司祭としての司祭団の協力の在り方について意見交換がされた。

 中浜事務局長によると、司祭集会では、「不祥事のきっかけ、関係者の具体的な処分と、現在の心境、再発防止に向けた検証や具体的取り組みなど、教区刷新に向けた様々な質疑応答」があり、信徒の信頼回復を最優先すべきこと、顧問団の対応が甘かったこと、などが指摘された。集会の結果を受けて、「今後顧問会で検討を重ね、金銭的な補填計画はもとより、今後の教区としての具体的対応についても真摯に検討していく」という。

 なお、司祭集会に続いて、9月21日に教区の小教区司祭と信徒の代表者などを対象にした説明会が、教区評議会総会の中で行われた、というが、その内容はまだ公開されていない。

2020年10月17日