・「神の呼び掛けに応え、役割を果たす」-菊地大司教の「神の言葉の主日」メッセージ

2023年1月21日 (土)週刊大司教第110回

Cologne1801 年間第三主日です。メッセージでも触れていますが、神の言葉の主日であり、また東京教区にとってはケルンデーでもあります。さらに1月18日から25日までは、キリスト教一致祈祷週間にもなっています。

 それぞれ背景には様々な歴史の積み重ねがある特別な日です。心に留めていただければと思います。特にケルンデーにあたっては、ケルン教区のこれまでの支援に感謝し、ケルンにおける司祭・修道者の召命のために祈りをささげることにしております。どうか主日のミサの中で、ケルン教区の皆さんのためにお祈りください。

 さらには、この姉妹関係を通じて、今度はミャンマーの教会への支援に繋がりました。ケルンデーには、同時にミャンマーの教会のためにもお祈りください。

 またキリスト教一致祈祷週間の東京における合同の祈祷集会は、今年も感染症対策のためオンライン配信となりました。私が説教を担当させていただいております。こちらは、このリンクで合同祈祷会の模様をご覧いただけます。

 以下、本日午後6時配信の、週間大司教第110回のメッセージ原稿です。

【年間第3主日A(神のことばの主日)2023年1月22日】

 今年の年間第三主日である1月22日は、教皇フランシスコによって定められた「神のことばの主日」です。加えて教会は、1月18日から,パウロの回心の記念日である1月25日まで、キリスト教諸教派とともに,キリスト教一致祈祷週間と定めています。

 今年のキリスト教一致祈祷週間は、そのテーマを「善を行い、正義を追い求めなさい」というイザヤ書の言葉が採用され、一人ひとりの命の尊厳が守られる社会の確立のために、神の正義と平和を確立する道を共に見い出すことを呼びかけています。

 第二バチカン公会議の「エキュメニズムに関する教令」は、「主キリストが設立した教会は単一・唯一のものである」と宣言します。しかし現状はそうではないことを指摘しながら、同教令は「このような分裂は真に明らかにキリストの意思に反し、また世にとってはつまずきであり、すべての造られたものに福音を宣べ伝えるというもっとも聖なる大義にとっては妨げとなている(1)」と厳しく指摘しています。その上で、真摯な対話を通じて互いの心の回心に至り、祈りの内に一致し、信仰の宣言の上でも社会での愛の証しにおいても協力する道を模索するように、呼び掛けています。

 マタイによる福音は、イエスの公生活の始まりを描写しています。

 「悔い改めよ。天の国は近づいた」と伝えるイエスの活動は、それを支え、ともに歩む弟子たちを召し出すことから始まりました。ガリラヤ湖畔でイエスは漁師であったペトロと呼ばれるシモンとその兄弟アンデレに、「私に付いて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と呼びかけます。さらにはゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネにも声をかけられます。

 二人ずつ四人を召し出すこの物語は、イエスの福音宣教の業が、常に共同体の業として遂行されることを象徴しています。今もなお、イエスは「私に付いて来なさい。人間を捕る漁師にしよう」を多くの人に声をかけ続けておられます。ただ、司祭になることだけが、この呼び掛けに応える道ではありません。教会にはカテキスタなど信徒の方にも果たしていただける福音宣教の業が多くあります。

 第二バチカン公会議の啓示憲章には、こう記されています。

 「教会は、主の御体そのものと同じように、聖書を常にあがめ敬ってき〔まし〕た。なぜなら、教会は何よりもまず聖なる典礼において、たえずキリストのからだと同時に神の言葉の食卓から命のパンを受け取り、信者たちに差し出してきたからで〔す〕」(『啓示憲章』 21項)。

 そう考えると、ミサの時の聖書朗読の奉仕も、単に役目を果たしているだけでなく、現存される神の言葉を語る者としての重要性が理解されると思います。主の呼び掛けに応えて、それぞれの役割を果たして行きましょう。

(編集「カトリック・あい」)

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2023年1月21日