菊地大司教の日記・2024年11月 2日 (土)
今回のシノドス第二会期は、10月27日午前中の教皇ミサで終了しました。シノドスのためにお祈りいただいた多くの皆様に心から感謝申し上げます。
また昨日11月1日は、わたしの66歳の誕生日でありました。先日の枢機卿への任命とこの誕生日を合わせて、多くの皆様からメッセージ、メール、お手紙などをいただいております。皆様のお祈りと励ましのお言葉に心から感謝申し上げます。ありがとうございます。そしてこれからも、私が与えられた役目を十分に果たしていくことができるように、どうかみなさまお一人お一人のお祈りによって支えてくださいますように、心からお願い申し上げます。
シノドスの最終週は、月曜が終わることには体調が急に悪化し、翌日検査したところ新型コロナ陽性となり、宿舎において隔離状態となりました。そのため、金曜日まで会議に参加できませんでしたが、最終日土曜日の会議には何とか検査でも陰性となり、参加することができました。
最終週の月曜日には、それまで三週間の分かち合いの成果をまとめた最終文書の原案が提示され、よく火曜日と水曜日にそれに対する修正動議を各グループで考え提出し、それに基づいて水曜から金曜の間に起草委員会が最終文書の書き直しをするというスケジュールでした。
最終日の土曜日には、朝、教皇様も出席の中、祈りの後に最終文書案が配布され、昼までに読み込むことが求められました。
最終文書案はイタリア語です。我々の手元に来たのは機械翻訳の英語版ですが、それでも60ページ近くあります。イタリア語の文章は一つ一つが長いのですが、それを英語に機械翻訳しているので、わかりやすいものではありません。ネイティブの方々は昼頃までに読み切ったみたいですが、それ以外の者にとっては、至難の業でした。
午後4時半から、再び教皇様が出席。司教や枢機卿は正装をして集まり、最後の投票を行いました。
投票は段落ごとに、すべての段落で三分の二以上の賛成を必要とします。昨年は、段落ごとに読み上げて投票したので、夜の8時過ぎまでかかりましたが、今年は改善され、それぞれのタブレットに10段落ほどまとめて表示され、それぞれの段落にチェックを入れる方式となり、あっという間に時間通り、二時間ほどで投票は終了し、すべての段落が賛成多数で通過しました。反対が多かった段落などについては、様々に報道されているとおりです。
その後教皇様からの言葉があり、作業に対する感謝の言葉と、この最終文書は教会の神の民の声として贈り物であるという評価とともに、教皇様はこれをご自分の文書として公表することにして、これを基にした使徒的勧告は書かれないと宣言されました。したがって最終文書は、教皇様の文書としての権威を帯びることになりました。すでにイタリア語は公表されていますが、英語の公表は遅れている模様です。
教皇様は、この文書に基づいて、それぞれの地方教会でシノドス性が具体的に実現されるようにと求められています。
このような形で今回の4年間に及んだシノドスは閉幕しました。最終週には次のシノドスに備えるための委員会メンバーの選挙もあり、アジアからはFABCの次期会長と副会長であるインドのゴアのフィリッポネリ枢機卿、フィリピンのパブロダビド被選枢機卿の二人が選ばれました。
シノドスの会期中にお祈りくださった皆様に心から感謝します。最終文書の翻訳は、中央協議会からできる限り早く公開できるように努めたいと思います。シノドスの道はこれからが本番です。
というわけで、10月末に何とか帰国しましたが、コロナの後遺症で体調がおもわしくありません。今しばらくスローにして、体調回復に努めてまいります。あらためて皆様のお祈りをお願い申し上げます。
(菊地功・東京大司教、日本カトリック司教協議会会長)