☩教皇カザフスタン訪問ー「多民族・多文化・多宗教の『出会いの国』での宗教会議の意義」を強調

(2022.9.13 バチカン放送)

 教皇フランシスコが13日から15日まで、「第7回世界伝統宗教指導者会議」への出席を主な目的としてカザフスタン訪問を開始された。カザフスタンのカトリック教徒の人口は、1900万人の全人口の1%に満たないが、この機会に万博グラウンドでのミサなどを通じて「小さな群れ」を励ますことを望んでおられる。

 13日早朝、特別機でローマを出発された教皇は現地時間同日夕、カザフスタンの首都ヌルスルタンに到着され、大統領官邸での歓迎式典、トカエフ大統領との個人会談の後、市内のカザフスタン中央コンサートホールで、同国の各界代表および駐在外交団とお会いになった。

 会見でのスピーチで、教皇は同国の伝統楽器「ドンブラ」を取り上げ、中世から叙事詩や物語の朗誦の伴奏に使われてきたこソース画像を表示の楽器を、「多様性の中で、過去と現在をつなぐ継続のしるし」「移り変わりの早い社会において、過去の遺産と記憶を大切に守るシンボル」と語られた。

 また、平行な二本の弦をはじくドンブラの奏法を「冬の厳寒と夏の猛暑、伝統と発展、アジア性とヨーロッパ性といった相対する特徴を調和」させるカザフスタンの姿に重ねられ、ドンブラが他の弦楽器と共に演奏されることに触れつつ、「社会生活の調和は、共に育ち、成熟してこそ可能になるものです」とも話された。

 そのうえで、このように多様な文化的・宗教的伝統が調和するカザフスタンは、「多民族・多文化・多宗教の実験室、『出会いの国』としての召命を帯びています」と指摘。「健全な政教分離のもとで宗教の自由が尊重されたこの国で、社会調和における宗教の貢献を示すために、第7回世界伝統宗教指導者会議に参加できることを喜ばしいこと」とされ、カザフスタンの名が調和と平和を表すものであり続けることを願いつつ、この国の平和と一致の召命を神が祝してくださるように、と祈られた。

 教皇の第38回海外司牧訪問(イタリアを除く)にあたるこの旅は、カザフスタンの政府と教会関係者の招きに応えるもので、同国をローマ教皇が訪れるのは、2001年の聖ヨハネ・パウロ2世の初訪問以来、今回で21年ぶり、2度目。

 二日目の14日は、午前、ヌルスルタンの独立宮殿で開幕する「第7回世界伝統宗教指導者会議」で演説をされ、宗教各派の指導者たちと出会いを持たれる。午後は、万博グラウンドでミサを捧げられる。15日は朝、バチカン大使館でカザフスタンのイエズス会員らと私的な集いを持たれた後、市内のカテドラルで同国の司教たちをはじめカトリック教会関係者と会見される。午後、「宗教指導者会議」の閉会行事に出席され、夕方、ローマへの帰途に就かれる予定。

(編集「カトリック・あい」)

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2022年9月14日