♰3月から一年を使徒的勧告「(家庭における)愛の喜び」の特別年にー教皇、「聖家族の主日」正午の祈りで発表

Pope Francis leads the Angelus from the Library in the Apostolic PalacePope Francis leads the Angelus from the Library in the Apostolic Palace  (Vatican Media)

 教皇フランシスコは27日、「聖家族の主日」の正午の祈りの説教の中で、イエス、マリア、ヨセフの聖家族と関連付ける形で、来年3月の聖ヨセフの日からの一年を「使徒的勧告『(家族における)愛の喜び』を深く学ぶ年」とすることを明らかにされた。

 バチカン広報局の記者団への説明によると、使徒的勧告「(家族における)愛の喜び」に捧げられる特別年は、来年3月19日の聖ヨセフの祝日に始まり、再来年2022年6月のローマでの第10回 World Meeting of Families(世界家庭大会)までを予定している。

(2020.12.27 バチカン放送)

 聖家族の祝日の教皇の正午の祈りの説教は次の通り。

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 親愛なる兄弟姉妹の皆さん

 降誕祭から数日後、教会の典礼は、イエス、マリア、ヨセフの聖家族に眼差しを注ぐよう促します。神の御子が、他の全ての子どもたちと同じように、家族の温かさを必要としていたことを思うのは、素晴らしいことです。まさにその事実ゆえに、ナザレの聖家族は、世界中の全ての家族が確かなよりどころ、理想的な、模範的な家族なのです。

 聖霊の働きにより、おとめマリアが受胎した時、ナザレにおいて、神の御子の、人間としての命の春が芽を出しました。ナザレの家庭の中で、マリアの母性的な配慮と、ヨセフの世話に囲まれて、イエスの幼児期は喜びのうちに過ぎていきました。イエスはヨセフの中に、神の優しさを見出していました(12月8日発表の「ヨハネ年」を定めた使徒的書簡パトリスコルデ(父親の心で)」)。

 私たちは、聖家族に倣い、家庭の教育的価値を再発見するように促されています。その価値は、愛に基づいていなくてはなりません。愛は常に絆を新たにし、希望ある展望を開きます。

 家庭が祈りの家となる時、愛情が深く純粋である時、赦しが不和を超える時、日々の生活の困難が互いの優しさと神の御旨への安らかな従順によって和らげられる時、人は家庭の中で誠実な交わりを体験することができます。

 こうして、家庭は、快く自分を与える全ての人に神が与える喜びに、自らを開くことができ、同時に、外へ、他者へ、兄弟たちへの奉仕へ、より良い新しい世界の構築の協力へと開く、霊的な力を見出すことができるのです。それは、人々に前向きな刺激をもたらし、生き方の模範をもって福音を伝える家庭です。

 当然、どの家庭にも問題はあります。時には争いもあるかもしれません。それでも、一日の終わりには仲直りをしてください。「冷戦」を翌日に持ち越すことは、ためになりません。家庭には、大切に守るべき三つの言葉があります。それは、「(…しても」いいですか?」「ありがとう」「ごめんなさい」という言葉です。家庭内にこの三つの言葉があれば、その家族はうまくいくでしょう。

 今日の祝日は、夫婦と家族の愛の理想を改めて示しながら、家庭を通しての福音宣教へと、私たちを招いています。それは、使徒的勧告『(家庭における)愛の喜び』で強調されている通りです。同勧告は、来年3月19日で発表から5周年を迎えます。これを機会に、『(家庭における)愛の喜び』を考察する特別年が行われます。それは同文書の内容をより深く理解する機会となるでしょう。

 この使徒的勧告の実りは、皆の歩みに寄り添うために、教会共同体や家庭で役立てられるでしょう。教皇庁信徒・家庭・いのち省がこの特別年のために準備する企画への参加を、全ての皆さんに今から呼びかけたいと思います。ナザレの聖家族、特に配慮に満ちた浄配にして養父である聖ヨセフに、全世界の家族と共にするこの歩みを託したいと思います。

 これから唱えるお告げの祈りをもって、おとめマリアに助けを祈りましょう。全世界の家庭が、聖家族の福音的理想にいっそう魅了されますように。そして、これらの家庭が、新しい人類と、具体的・普遍的な連帯のパン種となることができますように。

(編集「カトリック・あい」)

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2020年12月27日