♰「難民・移民を守り、環境をたいせつにしよう」-国連・世界難民の日に

An Afghan refugee in a slum area in Lahore, PakistanAn Afghan refugee in a slum area in Lahore, Pakistan  (AFP or licensors)

 20日は国連・世界難民の日だったが、教皇フランシスコは翌21日正午の祈りの後の説教で、これに関連し、「新型コロナウイルスの世界的大感染が、難民・移民を守り、環境を大切にする重要さを際立たせている」と語られた。

 教皇はこの中でまず、「新型コロナウイルスがもたらしている危機は、難民の尊厳と安全を保証するために、難民に必要な保護を確保する必要性」を改めて私たちに知らせている、とされたうえで、世界の全ての信徒に対して、「全ての人、特に重大な危機的状況に置かれた結果、故郷を離れることを余儀なくされた人たちを守るために、私たち皆で効果的な対応ができるように祈りましょう」と呼び掛けられた。

 

*環境への配慮

 さらに教皇は「新型ウイルスの大感染が私たちに改めて私たちに示した、もう一つのことは、人間と環境との関係です」とされ、「多くの地域で行われた都市の封鎖は、汚染を減らし、交通と騒音のない場所の素晴らしさを改めて私たちに知らせました」と述べて、私たちが経済・社会活動を再開させようとしている今、「共通の家」をたいせつにする意識と責任をいっそう自覚して対応するように、信徒たちを促した。

 新型ウイルスの感染者と死者の増加が世界の一部地域で減速するにつれて、段階的な封鎖解除に踏み切る国が増えているが、「制限の緩和は、主に経済活動の再開の必要と失業や貧困の増大を止める狙いからなされている」と語り、失業や貧困拡大を防ぐために、世界各地で顕著になっている多くの”草の根”の活動を高く評価し、こうしたことが、人々の間で、共通善への認識を高めることに繋がることに期待を表明された。

 教皇は、この点に関して世界中で浮上している多くの「草の根」イニシアチブへの感謝を表明し、「この本質的な共通の善についてますます認識している市民権を育む」ことへの希望を表明した。

*聖アロイジオ・ゴンザガを讃える

 このことに関連して、教皇は、16世紀に欧州を襲ったペスト大流行の中でローマで感染者の看病に当たり、自身も感染して23歳で亡くなった「聖アロイジオ・ゴンザガ」を思い起こされ、「神と隣人への愛に満ちた若い若者」として讃え、彼を範として、新型コロナウイルス大感染とその後の対応に当たるよう、暗に求められた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2020年6月21日