(2021.1.19 バチカン放送)
教皇フランシスコが19日、米ロサンゼルス大司教区が主催したオンラインによる宗教教育ミーティングに、ビデオを通しメッセージをおくられた。
ロサンゼルス大司教区は今年、設立65周年と、同教区の「若者の日」創設50周年を迎えており、オンラインミーティングは、「神の約束を告げ知らせよう」をテーマに18日から21日までかれている。
教皇はビデオメッセージで、「すべての人、あらゆる世代の人が、人間関係・知性・文化・霊性において新しいエネルギーを解き放つことのできる、約束、才能を内面に秘めています」と語られた。
そして、新型コロナウイルスの世界的大感染は人々の生活や社会の歴史に大きな影響を与えているが、こうした現実を前に、「明日を築き、未来を見つめるためには、皆の努力と献身が必要です」と呼びかけられた。
また教皇は、目の前の現実に心を動かされ、他者の苦しみのために働きかけた「善きサマリア人」のように行動する必要を説かれ、コロナ禍で「私たちが目にした、人々の寄り添い、癒し、犠牲など、多くの寛大な無償の愛の証し」を思い起こされ、「危機の時こそ、落ち着きや慈しみ、偉大さと卑小さといった、それぞれの人が持つ心が表れるもの… 危機は、私たちに『いかに歩むべきか』の判断を迫ります」と指摘。
現在の危機の中で、「すべての人の尊厳を尊重しながら、皆が、兄弟愛を再び求めることができるように」と願われ、「未来のために皆が支え合い助け合う社会の必要」を強調された。
教皇は、特に若い人々に向けて、希望を持つよう励まし、「その希望とは、環境や生きている歴史に左右されない、人間の奥深くに根差すものです・・・皆さんは、人類の美しさ、兄弟愛と友愛という美しさを語る詩人となってください」と期待を示された。
そして最後に、参加者たちに、「夢は皆で築くものです。ただ一つの人類、同じ人間の肉を持った旅人、皆が住む同じ地球の子として、それぞれの信仰や信条、意見をもちつつ、皆が兄弟となる夢を見ましょう」と呼びかけられた。