♰「聖霊は私たちの歩みを照らしてくださる」復活節第六主日、17日の正午の祈りで

Pope Francis during the Regina CaeliPope Francis during the Regina Caeli  (Vatican Media)

(2020.5.17 Vatican News)

 教皇フランシスコは復活祭第六主日の17日正午の祈りのカテキーシスで、神の無償の愛と聖霊の賜物について語られ、進むべき道を照らしてくださる聖霊によって支えられていることを知る喜びの中で、福音を生きるように、と世界の信徒たちを励まされた。

*「戒めを守る」と「聖霊の約束」

 教皇はまず、この日のミサで読まれたヨハネ福音書の箇所(14章15-21節)を取り上げ、ここで、「戒めを守る」「聖霊の約束」という二つの根本的なメッセージが示されている、とされた。

 そのうえで、「イエスは弟子たちへの言葉の中で、ご自分に対する彼らの愛を、戒めを守ることと結びつけておられますー最後の晩餐での説諭で、こう話されましたー『あなたがたが私を愛しているならば、私の戒めを守るはずである』(14章15節)。そしてさらに、こう言われますー『私の戒めを受け入れ、それを守る人は、私を愛する者である』(同21節)と話された。

 「このような言葉で、イエスは私たちに、ご自分を愛するように願われ、ご自分の道、つまり、御父の意思に進んで従うことを求められているのです」と教皇は説かれ、さらに、15章12節の言葉を取り上げて、こう指摘された。「イエスご自身が示された互いに愛し合うことの戒めは、この言葉に集約されていますー『私があなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これが私の戒めである』」。

 

*イエスの愛は見返りを求めない

 また教皇は、「イエスは『私があなたがたを愛したように、私を愛しなさい』ではなく、『私があなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい』とおっしゃいました… 私たちに、ご自分に対し同じことをするように要求されず、ただ、私たちを愛してくださるのです。そして、イエスのこの見返りを求めない愛が、私たちの間で具体的な生きたものとなることを求めています-それが御父の意思なのです」と説かれた。

 次に教皇は、弟子たちがイエスの示された道を歩むのを助けるために、御父に「もうひとりのパラクレートス」を遣わしてくれるように、と願うことを約束された箇所(14章16節参照)に触れ、パラクレートスとは、弟子たちと共に歩み、「御言葉を聴く知性と守る勇気」を与えてくださる慰め主、弁護者である、とされた。

*聖霊は神の賜物

 「この方が聖霊です… キリスト教徒たちの心に降り注ぐ、神の愛の賜物なのです」と語られた教皇は、「イエスが亡くなり、復活された後で、ご自分を信じ、『父と子と聖霊の名」において洗礼を受ける人々に、ご自分の愛をお与えになるのです」とされ、また、私たちを教え導き、力づけ、人生で「逆境と困難、喜びと悲しみを体験してもなお、イエスの道にとどまり、前に進む」ようにしてくださるのが、聖霊である、聖霊に従順であり続ければ、私たちの中に働かれるその存在を通して、私たちの心を慰め、変容させ、真実と愛に心を開かせてくださるでしょう、と語られた。

*聖霊は私たちが人生で失敗と罪に屈しないよう助けてくれる

また教皇は「私たちが人生で、失敗と罪に直面する時、それに屈しないように助け、イエスの言葉『あなたがたが私を愛しているならば、私の戒めを守るはずである』の意味をしっかりと理解して生きることができるようにしてくださるのが、聖霊です」と語られ、さらに、イエスの戒めは、私たちに自分の悲惨さと矛盾を映す鏡として授けられたものではなく、「神の言葉は、命の言葉として私たちに与えられたもの-変容させ、新しくし、裁かず、癒し、赦してくださる言葉。私たちが道を歩むための光なのです」と述べられた。

 そして、この日の説話を「この賜物を通して、神は私たちが自由な民ー愛することを望み、愛し方を知っている民、主を信じる者たちに主が成し遂げられる驚くべきことを宣言する使命を、自分たちの人生が帯びていることを理解している民ーとなるように助けてくださるのです」と締めくくられ、最後に次のように祈られた。

 「乙女マリアよ、教会の模範、どのようにして神の言葉を聴き、聖霊の賜物を受け入れられるかを、知っておられる方、私たちを助けてください。『私たちの心を温め、私たちの歩みを照らす、神の火』である聖霊によって支えられていることを私たちが知り、喜びをもって、福音を生きることができますように」。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二=引用された聖書の翻訳は「聖書協会 共同訳」を使用)

 

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2020年5月18日