*主は民を訪れた
このミサの説教で、教皇はまず、会衆に神が民を愛しておられることを思い起こされ、「神は、困難の時に、聖なる人あるいは預言者を送ることで、民のところに遣わされます」とされたうえで、教皇ヨハネ・パウロ2世の人生の中に、「私たちは『神が遣わされ、準備され、そして神の教会を導く司教、そして教皇にされた人』を見ることができます… 今日、私たちは、主が民を訪れた、ということが出来るのです」と語られた。
*祈りの人
続いて、教皇は、教皇ヨハネ・パウロ2世の人生を特徴づける3つの特質-祈り、親密、慈しみ-に焦点を当て、まず「祈り」について、「教皇として果たすべき多くの務めがあるにもかかわらず、彼はいつも祈る時間を見つけました… 司教の第一の務めが祈ることだということを、よくご存じでした」とし、使徒言行録には、聖ペテロが「司教の第一の務めは祈ること」と教えられた、と書かれており、ヨハネ・パウロは「それを知っておられ、なさったのです」と強調された。
*民と親密な人
聖ヨハネ・パウロ2世は人々と親密に接され、離れたり離されたりせず、人々を探し出すために世界中を旅された。旧約聖書に書かれているように、神がご自身の民とどれほど密接だったかを私たちは知ることができる。この親密さは、イエスが人となられ、人々の中に住まわれた時に、頂点に達した。「ヨハネ・パウロは、良き羊飼いであるイエスの模範に倣い、あらゆる階級の人、近くの人も遠くの人も、分け隔てなく、そばに行かれました」。
*慈しみ深い正義
説教の最後に、教皇は、聖ヨハネ・パウロ2世が正義を愛したことは注目に値するが、彼の正義への愛は、慈しみによって完成された正義への強い熱意であり、そのことで「彼は慈しみの人でした… なぜなら、正義と慈しみは相伴うものだからです」と語られ、神の慈しみ深い献身を進めるためにとても多くのことをなさったヨハネ・パウロは、「神の正義が『慈しみの顔を、慈しみの思いを持っている』と確信しておられました」と語られた。
そして、祈りと親密さの恵み、そして慈しみの正義の恵み、そして慈しみ深い正義を、私たちすべてに、とくに司牧者たちにくださいますように、と主に祈ることで、説教を締めくくられた。
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カロル・ヴォイティワ、後の聖ヨハネ・パウロ2世は、1920年5月18日にポーランド南部のヴァドヴィツェにお生まれになり、1978年10月16日に教皇に就任、2005年4月2日に在職のまま亡くなられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)