♰「神の贈り物である命を、自然の死に至るまでも守ろう」-仏男性の延命治療打ち切り巡り

(2019.5.20 バチカン放送)

 四肢麻痺で長年にわたり治療中のフランス人男性をめぐり、担当医師による延命治療の打ち切り方針とその手続きが進む中で、教皇フランシスコが「神の贈り物である命を、その初めから自然な死に至るまで、いつも守ろう」とメッセージを出された。

  この人は、ヴァンサン・ランベールさんといい、2008年に交通事故で脳に重大な損傷を受け、四肢麻痺で、10年以上にわたり治療を受けてきたが、「最低限の意識がある」という見解と「慢性的植物状態」という見解が、家族内でさえ対立。治療に当たってきた医師が延命治療打ち切りの方針を出し、打ち切りの手続きが進んでいる。

 教皇は20日のツィートで、「重い病気の状態にある人々のために祈りましょう。神の贈り物である命を、その初めから自然な死に至るまで、いつも守りましょう。”切り捨ての文化“に負けてはなりません」と表明された。

 打ち切りに反対するランベールさんの両親は延命治療の継続を求めて、マクロン大統領に嘆願書を出しており、国連障害者権利委員会も「法的審査が尽くされない限り、必要な治療を中断することがないように」と要請している。

(編集「カトリック・あい」)

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2019年5月21日