*教皇、「民主主義、共通善に反する暴力は無条件で非難。”治療薬”を歴史から学べ」伊テレビ・インタビューで
(2021.1.9 Vatican News staff writer)
教皇フランシスコは現地時間10日夜に放映されるイタリアのテレビ「Canale 5」のインタビューで、6日に米連邦議会議事堂乱入で多くの死傷者を出した事件に言及。この事件を含むあらゆる暴力行為を強く非難するとともに、米国民に「過去から学ぶ」よう呼びかけた。
インタビューで6日の事件について聞かれた教皇は、まず「米国の人々は民主主義の規律をとても良く守っている(注:と言われているにもかかわらず、このような事件が起きたことに)とても驚いています」と述べた。
そして、米国のような成熟した社会にも欠陥はあり、「共同体社会に反対し、民主主義に反対し、共通善に反対する道を選ぶ人たち」がしばしば見受けられる、と指摘。「暴力行為は無条件に非難されねばならない… 誰が行おうとも、常に非難されねばなりません」と言明された。
また、「暴力が一日も、あるいは一件も起きていないと誇れる社会はありません」とも語り、問題は、「暴力を繰り返さないことを理解し、歴史から学ぶこと」ができるか、できないか、であり、「理解することが”治療薬”と見つける唯一の道であり、基本です」と強調された。
なお、このインタビューで教皇は、新型コロナワクチンの接種についても聞かれ、「倫理的」にかなったものであり、他者の命と健康を大事にする見地からも、皆が接種を受けることを希望している、と答え、今後何週間かの内に、バチカンでワクチン接種が行われることになるが、ご自身もその際に接種を受けられるように、同意書に署名していることを明らかにした。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)